ボード・フィン・リーシュコードの付け方|元日本チャンピオンに教わるSUPの基本
BLADES(ブレード) 編集部
- 2019年10月30日
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新しいウォータースポーツとして注目の「SUP(サップ)」。ボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進んでいくSUPは、初心者も気軽に楽しめるアクティビティとして人気を集めています。
多くのビギナーを教えてきたトップパドラーの釜口貴晴さんが丁寧に教えるツボを押さえたメソッドで、基礎となるテクニックをマスターしましょう。
SUPボードの楽な運び方
各ボードメーカーの開発により、軽量・コンパクト化が進むSUPボード。とはいえ人が上に立っても沈まないくらい浮力があることからも、かなり大きいサイズだと言える。
持ち運ぶ際は、落として破損したり、人にぶつけてケガをさせたりしないように、しっかりとホールドできて、しかもラクに持てる方法をマスターしておきたい。また幾つかの持ち方を知っておくと、疲れた時に腕を休ませられたりと、何かと持ち運びやすくなる。
キャリーハンドルを使い脇に抱える
ほとんどのSUPボードには、真ん中に指が差し込めるキャリーハンドルという穴がある。そこに指を入れて脇に抱える。指先の力加減でボードが平行になるようバランスを取る。
ぶつけないよう周囲に気を配る
片方の手でボードを抱え、もう片方でパドルとリーシュコード(流れ止め具)を持つ。ボードは壊れやすく、また重く大きいためぶつけると破損や怪我、事故の元になるので注意。
SUPをやる時の服装と装備
入水する時は季節によるがウエットスーツを着用する。またライフジャケットもぜひ着たい。クルージングに出る際は緊急時に連絡が取れるよう防水ケースにケータイを入れて持っていく。
別の持ち方もマスターしよう
腕に載せる
キャリーハンドルが付いていないボードは脇で抱えることができないため、この持ち方が有効。腕と肩で支えてバランスをとる。
頭に載せる
キャリーハンドルが付いていない場合や力に自信がない人は、この持ち方がラクに運べてオススメ。両手でしっかりホールドしよう。
手でボードを支える
風が強い日は、ボードがあおられて飛ばされないよう手で支える。その際、パドルはキャリーハンドル側の手に挟み込んで持つ。
ボードを平行にする
風が強くて支えきれない時は、ボードを地面と平行にして風抜けをよくする。キャリーハンドルに両手を入れて腰でボードを支える。
フィンの装着方法
ボードの舵取りの役目を果たすフィン。ボードのコンセプトやゲレンデのコンディションに合わせて、さまざまな形状や本数がそろう。
その中でもベーシックと言われているのが、こちらのシングル・スタビライザーと呼ばれる3枚装着するタイプ。センターに大きいフィンが1枚、サイドに小さなフィンが2枚着いたパターンだ。フィンの交換やフィン位置の変更、グラつきの修正等ができるように、ここでは正しい装着方法を覚えていこう。
舵取りの役目を果たすフィン
シングル・スタビライザーというフィンの組み合わせ。センターフィンが大きく、サイドフィンの小さな2枚が補助的な役割を果たす。フィンをボードに固定するシステムはさまざまあり、こちらはセンターが「ボックス」、サイドが「FCS」というタイプになる。
センターフィンの装着方法
センターフィンは固定するためのボルトとボルトを受けるプレートが付いている。
中央部のスリットからプレートを入れて、ドライバーの先を使って固定位置に動かす。
フィンの端についた突起を同じくスリットから挿し込み、固定位置に持っていく。
フィンの端に空いた穴とプレートの穴を合わせて、ボルトをドライバーで締めて固定。
サイドフィンの装着方法
サイドフィンは片側が曲線面、もう片側が平面になっていて、平面を内側にする。
専用のフィンキーで2箇所を締める。水道水の蛇口を閉めるくらいの力加減で止める。
内圧を調整するガスケットもチェックしておこう
飛行機に載せたり、寒暖差が激しい所に置いておいたりすると、気圧変化によって剥離の原因になる。そのため内圧を調整するガスケットが付いているボードも多い。
ドライバーで閉めるタイプのものは、水が浸入しないよう入水前に閉めておこう。
リーシュコード(ボードの流れ止め)の正しいつけ方
ボードから落ちた時に、ボードが流されてしまわないよう、ボードとカラダを結びつけるヒモがリーシュコード。リーシュコードをしていないと、流したボードが人にぶつかるなどの重大な事故に繋がりかねないので、必ず着用すること。
リーシュコードは足首やヒザ下、腰に付けるタイプなどがそろうが、最も多いのは足首に着けるタイプ。コードの両サイドにベルクロが付いていて、それぞれボードとカラダに固定する。
つけ方の手順
リーシュコードとボードを繋ぐヒモをボードに取り付ける。ヒモを輪にして、リーシュカップと呼ばれるボードの穴に通す。
結び目を輪の中に通して引っ張り、ボードと結び付ける。
リーシュコードのベルクロをヒモに巻きつける。
3枚のベルクロを重ね合わせるタイプが多い。
これでボードとの取り付けが完了。ヒモがボードのアウトラインよりも長いと、ボードに食い込んでしまうことがあるので短めに調節しておく。
サーフィンスタンスを取った時の後ろ足に巻く。
漕いでいる時にぶつからないようコードは後ろに持ってくる。
ウェットスーツを着ている場合は上に被せるか、ウェットの上から巻く。
動いてしまわないよう少しきつめに巻く
巻き方が緩いとコードが回ってしまい、絡まったり、取れやすくなるのでNG。ずれないよう少しきつめに巻こう。ベルクロ部分に砂などが付いていても外れやすいので注意。
安全なエントリー(入水)の方法
リーシュコードを着けたら、いよいよ入水。水辺はゲレンデによっては、滑りやすくなっていることがあるので十分に気をつけたい。また堤防の上から入水する際などは、潮の満ち引きによって、入水時は問題なくても、戻ってきたら潮が引きすぎて上がれないといったことも想定しておこう。
海では岸辺に打ち寄せる波にも注意。波にボードが押し戻されて、ぶつかることも。入水時に油断は禁物だと肝に銘じておこう。
波がある場合は、波に押し流されないようボードをコントロール
パドルをボードの上に載せて、ボードの前方部分を持ち、波に対してボードが垂直になるようにする。
波が来たら、ボード前方を持ち上げて、波を越える。
波が来ない隙を狙って沖へ進む。
波がない場合は、フィンが水底に当たらない深さまで運ぶ
フィンが水底に当たらない深さまで、ボードを抱えて運ぶ。
ボードを浮かべてパドルをボードに載せたら、両手を着いて片足ずつ乗る。
そのまま立ってもいいが、慣れるまでは座って乗ろう。
どんなスポーツも初めが肝心!ここでレクチャーしているのは、最も基本のテクニックばかり。正しい知識とルールを学んで、SUPの上達を目指しませんか?
【監修】釜口“TAKA”貴晴さん
TAKA SLIDEオーナー
湘南・江ノ島の海が目の前のSUP専門店。元日本チャンピオンの経験を生かしたレッスンは初心者〜上級者まで幅広く、安全で楽しくわかり易いと好評!
TAKA SLIDE
住所:神奈川県鎌倉市腰越3-5-26
電話:0467-32-2012
URL:http://takaslide.com
出典
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BLADES(ブレード) 編集部
『NALU』の連載から単独発行となった、 SUP専門の定期刊行マガジン。フィールドを選ばないSUPの楽しみ方から、カルチャーにいたるまで、充実したコンテンツを発信する。
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