まずは波を観察して沖に出ていこう|SUPサーフィン入門
BLADES(ブレード) 編集部
- 2019年11月29日
SUPは、ハワイ発祥の新しいウォータースポーツ。ヨーロッパをはじめ、海外で大ブレイクしている。クルージングやレース、ヨガにフィッシングと、さまざまなアクティビティに使える多様性がSUPの魅力だ。そんな数ある楽しみ方の一つとして挙げられるのが、サーフィン。今回はSUPで波に乗るための基本的なテクニックをご紹介。安全で分かりやすいレッスンが好評のトップパドラー釜口貴晴さんが、丁寧に教えてくれます。
海に入る前に、波をしっかり観察しよう
海に入る前に、チェックするべきポイントはたくさん。乗り方をイメージするために、波はしっかり確認しよう。ここでは、必ず確認しておきたい波のサイズや崩れ方、海流、混雑具合の3つについて解説していく。
波のサイズや崩れ方をチェックする
まずは波のサイズや崩れ方をチェックして、自分の技術で乗れるかを判断しよう。波ははるか沖で割れていることもあり、上から見るとサイズを見誤る場合が多い。様々な角度から、念入りにチェックを。浮力のあるSUPの場合、人間のヒザくらいの高さがあれば、十分に乗ることができる。
次に波の形をチェック。波の上部が勢いよく崩れるホレた巻き波なのか、ダラダラと崩れる斜面のなだらかな波なのか、一気に崩れる波なのか、それとも徐々に崩れる波なのか……。乗っているところをイメージしながら、よく観察しよう。
沖に向かって流れるリップカレントなど潮の流れをチェックする
流されるのを防いだり、逆に流れに乗ってラクに沖に出たりするために、沖に向かって流れるリップカレントなどの潮の流れをチェックしよう。
沖に出て行く際、波が割れている正面から出て行くと、波をたくさん越えることになる。そのため波が少ない所を選んで回り込んだ方が、ラクに出られることが多い。
また、覚えておきたいのが「リップカレント」という潮の流れ。波の正面には海水が押し寄せて、沖に戻っていく。この流れが「リップカレント」だ。リップカレントを利用すると、ラクに沖に出ることができる。しかし強いリップカレントにハマってしまうと、今度は岸に戻って来れなくなったり、流されてしまったりするので注意が必要。リップカレント以外にも海にはさまざまな流れがあるので、しっかり観察しておこう。
サーファーがいたり混雑している場所は避ける
サーファーがいたり混雑している場所は、避けよう。サイズが大きいSUPボードはサーフボードと比べると波に乗りやすく、つい波に乗りすぎてしまうことが多々ある。そのため、サーファーはSUPをあまり気分のいいものではないと捉えがちだ。サイズが大きい分、ボードが人と接触すると重大な事故にもなりかねない。
特に、まだボードがコントロールできない初心者は要注意。サーファーがいる場所や混雑するポイントには近づかないようにして、安全にSUPを楽しもう。
波をスムーズにスルーして沖に出よう!波を越える3つの方法
「ビーチブレイク」と呼ばれる海底が砂地のポイントでは、波を越えないと沖に出られない場合が多い。実は日本で波乗りが出来る所は、ほとんどがビーチブレイク。スムーズに沖に出るために、波をスルーする方法をマスターしておこう。ここでは、波を越えるための3つの方法をご紹介。
座った状態で波を越える
1つ目は、座った状態で波を超える方法だ。まず、波の抵抗を受けにくいようにボードは波に対して垂直にアプローチする。しっかり漕いでスピードをつけておき、波がボードに当たる直前にもう一漕ぎして勢いをつけよう。波の衝撃を全身で吸収したら、体勢を整え次の波に備える。
パラレルスタンスで波を越える
サイズが小さく、うねりに近い波を越える時は、パラレルスタンスのままスルーする方法がおすすめだ。波を越える直前に一漕ぎして、ボードを前方に押し出す。波に持ち上げられるのを、全身で吸収して波を越える。バランスを取るため、ヒザはしっかりと曲げよう。
サーフィンスタンスで波を越える
パワーのある波や泡が厚い波の時は、サーフィンスタンスで越える方法がおすすめ。波を越える直前に一漕ぎ入れて、波にアプローチする。ボードが戻ってきたりすっぽ抜けたりしないよう、ヒザを曲げて全身で波のパワーを吸収し、波に乗り上げるようにして越えていく。
波待ちから波をキャッチするまでをマスター
沖に出たら、次は乗れる波が来るのを待ち、狙いを定めてキャッチする。ここでは、波待ちから波をキャッチするまでをマスターしよう。
1. 波が見やすいよう沖を向いて待つ
沖に出たら、まず波が見やすいよう沖を向いて待つ。余裕を持って波にアプローチするためには、なるべく早くうねりを見つけよう。コツは、水平線を見てうねりの盛り上がりを探すこと。通常のスタンス位置はボードの中心であるキャリーハンドル付近ですが、慣れるまでは少し後方に立つのがおすすめだ。そうすることでボードの先端が浮いて、波に乗る時、先端が水面に刺さるのを防いでくれる。
2. うねりが入ったら狙いを定めて方向転換
パラレルスタンスで大きな半円を描くように漕ぐ
ボードの先端付近にパドルを入れて、ボード後方まで大きな円を描くように漕ぐ。ふた漕ぎもすれば岸を向くことができる
余裕を持って、ふた漕ぎで方向転換を行う
乗れそうな波を発見したら、パドリングを開始。大きく半円を描いているのがわかる。力を込めやすく、バランスが崩れないようしっかりと腰を落としている。ふた漕ぎ目で、うねりが届く前に方向転換を終えている。あとは、向かってくる波に合わせてスピードをつける。波をキャッチすると、ボードは波に押されて勝手に走っていく。
サーフィンスタンスで素早く回転する
余裕のない時はサーフィンスタンスでボードをすばやく軸回転させる。岸を向いたらまたパラレルスタンスに戻って波を追いかけよう
ターンを済ませたら、パラレルスタンスに戻って加速
うねりが目前に迫ってあまり余裕がないときは、サーフィンスタンスでボードを素早く軸回転させる。岸を向いたら、またパラレルスタンスに戻って波を追いかけよう。
3. 波の進行方向に向かって漕ぐ
波に対してボードが垂直になるようアプローチするため、波の進行方向に向かってまっすぐ漕ぐ。ボードは片側ばかりを漕ぐと、曲がってしまう。岸を向いたらパドルを持ち替えて左右漕ぎ分けるようにして、曲がらないよう注意しよう。9ftのボードなら、左右2回ずつ漕ぐのが目安だ。
今回は、SUPで波を観察して、沖に出て、乗りたい波に狙いを定めキャッチしにいくまで基本的なテクニックを紹介した。ここまでがスムーズにできるようになれば、いよいよサーフライドだ!
出典
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PROFILE
BLADES(ブレード) 編集部
『NALU』の連載から単独発行となった、 SUP専門の定期刊行マガジン。フィールドを選ばないSUPの楽しみ方から、カルチャーにいたるまで、充実したコンテンツを発信する。
『NALU』の連載から単独発行となった、 SUP専門の定期刊行マガジン。フィールドを選ばないSUPの楽しみ方から、カルチャーにいたるまで、充実したコンテンツを発信する。