コースデビューで失敗しない!ラウンド7つのテクニックをプロがレクチャー
EVEN 編集部
- 2019年12月06日
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練習場で良いショットが打てるようになっても、すぐに良いスコアが出せるわけではない。コースには、練習場では経験したことがない池やバンカー、深いラフ、傾斜地など、様々な状況が待ち受けているからだ。そこで、「もちけん」こと剣持江里加プロが、初めてのラウンドでも困らないテクニックを教えてくれた。これを読めば、コースデビューの準備は万全だ!
【教えてくれた人】もちけん ラウンドアドバイザー
地元・群馬県を拠点に多くのアマチュアゴルファーのラウンドレッスンを行なっているティーチングプロ。「明るく楽しく!」がモットーで、わかりやすい指導にも定評がある。ドリームゴルフガーデン伊勢崎所属。
スタート前はストレッチやパット練習を忘れずに
ゴルフの経験が豊富で上手な人たちは、スタート前に準備を入念に行なっています。初めてコースでプレーする人も、それなりの準備をしておくことを心掛けましょう。
ストレッチで全身と肩周りをほぐす
まず、ストレッチで体を十分にほぐしておきます。最近は乗用カートでのプレーが主となりましたが、カートを利用して腰周りや肩周りを入念にやわらげるのも良い方法です。
パットの練習も必ずしておこう
コース内に練習場があればドライバー、ユーティリティ、9番アイアンの3本を打っておきましょう。スイングのチェックよりもウォーミングアップが目的です。1コイン25~30球を3本のクラブで均等に打ちます。
次に練習グリーンへ足を運んで、5~10分くらいで構いませんから、ロングパットとショートパットの練習も必ずしておきましょう。これを実行するだけでミスパットが減りますよ。
ロングパットの練習
長い距離を多めに打っておきます。
ショートパットの練習
ティペッグをグリーンにさして、2歩の距離から当てる練習でショートパットの感じをつかんでおきましょう。
初めてのティショットは緊張からくるミスを最小限に抑えたい
さあ、いよいよ記念すべき第1打です。ティショットとはティーイングエリアという決められた場所からドライバーなどのクラブを使い、フェアウェイに向かってボールを打つことです。
将来延々と続くかもしれない長いゴルフ人生のスタートですから、思い出に残るようなショットを打ちたいですよね。といってもコースデビューにはハプニングがつきもの。良いショットを打とうと考えすぎずに、リラックスして自分のできることを実行しましょう。
緊張で体がコチコチになったら、深呼吸して気持ちをリラックスさせるのが一番。他人の邪魔にならない場所を選んで素振りするのも効果的です。ただし、ボールをすくい打つような素振りをしないように注意してください。クロスハンドといって両手を逆手にして素振りをすると良い感じがつかめますよ。
ティショットの注意点
ティアップの高さはほどほどに。ほどよい緊張感と適度のリラックス感でティショットにのぞもう
2つのティマークを結ぶラインの後方で構えよう。ティマークよりも前に立たないこと
ティペグは垂直に立てる
間違った素振りはNG
クロスハンド素振りが効果的
肩をしっかり回して振り切る。素振りする時はティーイングエリアの外の危険のない場所を選ぼう。
どこを狙うのが安全かを見る
ティーイングエリアに立つと練習場とは違う景色が広がるため、フェアウェイを狙うとわかっていても、具体的にどこを狙えば良いか迷ってしまいます。
第一に注意すべきポイントは、絶対に打ってはいけないOBや池などの障害物を避けること。ボールの真後ろに立ってフェアウェイ方向を眺め、何もない安全な場所を見つけましょう。初心者のうちはボールが右に行きやすいので、右に飛んでも安心なくらいに左を向いて構えれば、ミスしても結果オーライなんてケースもあります。フェアウェイの右サイドがOBなら、思い切って左を向きましょう。
ボールが右にいくことが多い
OBを徹底的に避ける
打つ前にもう一度素振り
ショット前には体の回転を使ってフィニッシュまでスムーズに振り抜く素振りを2~3回繰り返し、感じをつかんだところでスイングを始めます。
本番のショットでは、すくい上げるような動きになると大ダフリになるので、クロスハンド素振りでつかんだ感じのままで、素振りを行うのが重要です。
アドレスを丁寧につくろう
スタートホールのティショットだけでなく、どのホールでも目標を決めてからアドレスをつくることを心掛けましょう。構えてからモジモジすると、緊張で体が硬くなってしまいます。
アドレスをつくる手順を一定させることも、経験を積みながら覚えていきましょう。先にグリップを決めておくとアドレスがスムーズにつくれます。
どんどん前に進むためにはユーティリティを活用しよう
初めてのラウンドはボールをうまく打てず、空振りしたり、ゴロになったり、なかなか前に進めないことも考えられます。それでパニックになってしまうゴルファーも少なくありません。
そんな時、私は「小さめのスイングで確実に当てていきましょうね」と声をかけるようにしています。
皆さん、クラブを振り回すから当たらないのです。クラブはアイアンでも良いですが、一番のお勧めはユーティリティ。時計の9時〜3時か、それよりも少し大きいくらいの振り幅なら当たり損ねが少ないし、一般の男性なら当たれば150ヤード近く飛びますから、どんどん前に進めます。
ただし、手首をこねてはダメ。手首を固定して、胸を左右に回転するイメージで振るのがコツです。初めてのプレーはこのスイングに徹しましょう。
トップは9時より少し高いくらい、フィニッシュは3時よりもやや上
ハーフショットの練習で覚えたスイングをコースでも実行してみましょう。小さめの振り幅ならボールに当てやすく、どんどん前に進めます。
胸とクラブを同調させる
クラブと腕を胸の前にキープして、胸を左右に回転する意識をもつと良いでしょう。
傾斜地はやはりユーティリティのハーフショットがおすすめ
ゴルフ場に初めて行った人が一番驚くのが、傾斜地の多さです。フラットなコースもありますが、ほとんどのゴルフ場はフェアウェイ上でも大なり小なりの傾斜があって、打席が平らな練習場と比べるとかなり難しく感じられるでしょう。
傾斜がきついほどクラブを振り回すと体のバランスを崩してしまい、ミスショットを連発することになります。そんな場面でも、やっぱりユーティリティのハーフショットがおすすめ。小さめの振り幅なら下半身の安定感をキープしやすく、きちんと当たれば飛距離をそれなりに稼げます。
前上がりや前下がりでもハーフショットなら大丈夫
前上がりも前下がりも、クラブをスムーズに振りやすい姿勢で構えることが大事。グリーンまで100ヤードくらいであれば9番アイアンを持ち、同じアドレスとスイングを実行すればグリーンの近くまで運べます。
前上がりは前傾角度が浅め
前下がりは重心を低くする
打つ前にハーフショットの素振りをしよう
クラブを振り回すと様々なミスが生じます。下半身を固定し、小さめの振り幅で打てばボールは前に飛んでくれます。両ヒザの角度を変えずにスイングする感じを素振りでつかんでおきましょう。
左足上がりと左足下がりは斜面に沿ってスイングする
左足上がりと左足下がりの傾斜地も、ユーティリティのハーフショットを徹底することです。グリーンまで残りの距離が150ヤード近くあればどんどん使いましょう。
ポイントは斜面と平行に立つイメージで構え、低いほうの足に体重を多くのせて構えることと、アドレスの体重配分のままで下半身を固定して打つことの2つ。ハーフショットなら下半身の安定感をキープしやすくて、ボールにきちんと当たる確率がかなりアップします。
この場合もグリーンまでが近ければ9番アイアンを持ちましょう。どのクラブを持つにしても、飛距離を欲張ってクラブを振り回すと体が左右に揺れて、空振りや大ダフリなどのミスを引き起こしてしまいます。グリーンに届かなくてもグリーンの近くまで運べればOKと考えてくださいね。
左足上がりは斜面と平行に立つ
右足体重のままでハーフショット
体重移動を使わず、下半身をしっかり固めて小さめのスイングで打ちましょう。
左足下がりも斜面と平行に立つ
体重移動は使わず、アドレスの体重配分のまま、下半身を固定してスイングしましょう。
林の中、バンカーからのカンタン脱出方法
バンカーからの脱出
ゴルフ場にはフェアウェイやラフにもたくさんのバンカーが待ち受けています。砂の上で構えるのですから、フルスイングして足元がよろけやすいのは当然のことですし、ダフればボールは飛びません。そんな時も、ユーティリティのハーフショットなら、比較的やさしくクリアできます。ボールを右寄りに置いて構え、下半身をしっかり固定してスイングしましょう。
ハーフショットならダフらない
足場が不安定なのでフルスイングは避けましょう。下半身を固めてハーフショットで打つのがベストです。
バンカーから1回で出すポイント
初めてのコースプレーでは、バンカーにはなるべく入れないようにしたいですよね。でも最悪つかまってしまったら、脱出にトライするしかありません。バンカーから1回で出す一番の決め手は、ボールの周りの砂を払い打って、クラブをしっかり振り抜くこと。ボールを中心とした円をイメージし、砂を薄く取ってピンに向かって思い切りよく飛ばしましょう。
この場合、ハーフショットでは距離が十分に出ませんから、バックスイングを大きめにとるのも重要なポイントです。どうしてもボールを上げたくなりますが、すくい打ちは禁物。かえって脱出を困難にしてしまうためです。
バンカーのアゴが高くても、サンドウェッジ(SW)のロフト角を信じてボールの周りの砂を打ち抜けば、ボールは勝手に上がってくれます。
ボールの周りに円をイメージ。円を削り取るつもりでスイングしよう
実際に砂に円を書き込むのはルール違反ですが、円をイメージすることで脱出成功率がアップします。
UTは林からの脱出にも活躍する
林の中に打ち込んでしまった場合も、ユーティリティが頼もしい味方になってくれます。クラブを短く持ち、木と木の間のスペースが広い方向を狙ってフェアウェイに戻しましょう。林の中は芝のない場所が多いのですが、ユーティリティの幅広いソールが振り抜きをスムーズにしてくれます。
ユーティリティというクラブは、それだけ活躍の場が広いことを覚えておきましょう。
UTを短く持つ
8時~4時くらいの振り幅で打つ
ボールを低く転がすだけなので、フェアウェイからのショットよりも小さいスイングで打とう。
グリーンの狙い方、アプローチの考え方
ピンの100~150ヤード手前までUTのハーフショットで前進しよう
ユーティリティ(UT)のハーフショットで前進し、グリーンまで届きそうな場所までやってきました。ピンまで100ヤード以内なら、8~9番アイアンを持ち、同じようにハーフショットで打ちましょう。
グリーンとグリーンの間を狙うのが安全
ピンまでまだ150ヤード近くもあればユーティリティのハーフショットで構いませんが、なるべくならピンを狙わず、グリーン周りの状況を見て、バンカーや傾斜のない安全な場所に向かって打つうようにしましょう。ピンを狙ってミスが生じると、グリーンの近くのバンカーに打ち込みやすいため、2つのグリーンの間を狙うのがセーフティな作戦です。
ボールを上げたいならSW、低く転がしたい時はPW
グリーン周りからのアプローチは、的確な状況判断とクラブ選択が大きくモノをいいます。しかし、初めてのラウンドでは状況判断が難しいですから、単純にボールを「上げるか」「転がすか」の2つに絞りましょう。バンカー越えなどボールを上げたい場合はサンドウェッジ、グリーンの手前にバンカーなどの障害物が何もなくて低く転がせる場合ならピッチングウェッジと決めて打つのがシンプルな考え方です。
どちらにしても、すくい打ちは絶対にダメ。ピンまでの距離でスイングの大きさは変わりますが、9時〜3時のハーフショットと同じ感覚でスイングしましょう。
困った時は、ユーティリティを短く持ってパットの要領で打つのがおすすめ。これがアプローチショットでも案外役に立つんですよ。
アプローチは3本でOK
バンカー越えなどボールを上げたい場合はSW
サンドウェッジでのバンカー越えのアプローチ。ボール位置はスタンスの中央に。上げようとするとボールの手前の芝を叩いてボールに当たらず、バンカーに入れてしまう結果になりやすい。
低く転がしたい時はPWを使う
グリーンの手前にバンカーなどの障害物がなくピッチングウェッジで低く転がしたい場合は、8時~4時くらいの振り幅でスイングします。この場合も手首を固定し、胸を左右に回転してスイング。打つ距離が短いほど振り幅が小さくなります。
ピンが近ければUTで転がそう
UTで転がす場合は、クラブを短く持ち、パットのように小さいスイングで打つのがコツです。手首の角度をしっかりキープしましょう。
グリーンの傾斜は目線を下げて読む
グリーン上を行ったり来たりして、ボールがなかなかカップに入らない。これも初心者にありがちなこと。どうしてグリーン上でたくさん打ってしまうかというと、グリーンの傾斜を考えないでボールを打ってしまうからです。
グリーンの傾斜を確かめる時は、ボールの真後ろからカップのほうを見て、ラインの右と左のどちらが高いかを判断しましょう。次に低い側からラインを真横に見てボールとカップの高低差を見ます。ラインの右側が高ければ、カップの右に打ち出せば良いということが分かりますし、上りか下りかの判断でライン全体のイメージもある程度つかめてきます。
長いパットを打つ時は、ピンを見たまま素振りを繰り返すと効果的。「大体こんな感じかな」とイメージが沸いたら、早めに打ちましょう。
方向よりも距離感を優先したいロングパットでは、ピンを見たままの素振りが効果的です。距離感のイメージは5秒くらいですぐに消えてしまいます。構えてからモジモジするとイメージどおりに打てなくなるので、イメージが消えないうちに構えたらすぐにテークバックを開始しましょう。
初めてのラウンドにあたって知っておくと良いテクニックをまとめて見てきました。いかがでしたか?
ゴルフコースデビューするからには、いいスコアを取りたくなるのは当たり前です。でもその気持はグッと我慢。とにかく安全策に徹してスムーズにプレーするとあとからスコアはついてきます。トラブル続きで「もうゴルフはやらない」とならないためにも、ここで紹介したテクニックを活用してゴルフを思い切りエンジョイしてくださいね!
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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。
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