アップルiPhone発表会、現地から本音で語る『で、どれ買うの?』
- 2019年09月12日
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世界のSNSは超広角写真に席捲される
まず、iPhone 11か、11 Proは絶対買い。
だって、超広角写真は面白いもの。
おそらく9月16日にはiPhoneをiOS 13にしてダークモードを自慢する人が大量に現れ(だってカッコいいもの)、iPhone 11/11 Pro発売の9月20日以降はiPhone 11/11 Proで撮った超広角写真をインスタなどSNSに現れる人がめっちゃ増える。
その時に、超広角写真が撮れなかったら、つまらないでしょ?
(52mmが下側、上が26mm、内側が13mmに見える。このサイズで120°の画角を撮影できるレンズを作るって、すごいことだと思う。3角に配したのは、切り替え時になるべく絵柄が変わらないようにしたかったんだと思う。13mmだけには手ブレ補正がないが、望遠側の方が手ブレに関しては条件が厳しいからだろう)
新しいiPhone 11/11 Proに搭載される超広角レンズは35mm換算で13mm相当なんだけど、そんな広角のレンズ、コンデジには付いていないし、一眼レフ用のレンズを買うと(前玉がすごく大きくて精度が必要なので)20〜30万円する。つまり、あまり一般の人は使ったことがない画角だと思う。
こちらの記事でSteve Jobs Theaterを撮った時のレンズが14mmだから、さらにワイドということ。(https://funq.jp/flick/article/445714/)。
何が面白いって、Close to you. たとえば、とっても近づいて撮れる。一時流行った鼻デカの犬の写真のような、対象にめちゃくちゃ近づいて周囲がギュッと歪んだ写真が撮れる。集合写真なんかも、4〜5人並んでも1mぐらいの距離から撮れる。仲良さそうに。
この写真もググッと近寄ってるから、ローラースケートと足、そして背景の広い空が写って、面白い絵になっている。
もちろん、広い空間も撮れる。グランドキャニオンのような壮大な風景を見ても、一部しか写真に撮れずに困ることがあるでしょ? アレを1枚の写真にギュッと凝縮できる。海、山、広大な風景、高いビル、カッコいい建築物、みんな撮れる。もちろん、部屋の中でも広い範囲が撮れる(広い範囲を片づけなければならないということだが(笑))
そこから、13mm→26mm→52mmと3枚のレンズを切り換えながら、デジタル処理でシームレスにズームアウトしているように表現する。このあたりがiPhoneのすごいところ。
個人的なターゲットでいえば、iPhone 11 Proのミッドナイトグリーン、256GBで、12万2800円か……安くはないよね……(泣)
iPhone 11だって十分に素晴らしい
Proじゃない、iPhone 11の方は2枚レンズで、この52mmの方がない。ユニークな広角レンズは楽しめるからそれでいいけど、従来の2眼iPhoneが26/52mmだったのに対して、13/26mmと広角寄りの組合せになっている。
僕は仕事がらパースの少ない写真が必要なことが多いし(製品写真とかね)、ワイド側だと周辺になると人の顔が太く写りやすいとか(笑)、顔中心に撮ると短足になるとか、冷静にレポートするには向かない絵柄が多いから52mmが欲しいけど、いわゆるインスタ映えだったり、愛情ある仲間との写真だったり、一般の人が撮るには13mmの方がいいんじゃないか……という判断がアップル炯眼だなぁ、と思ったりもする。
レンズが2枚になったから、ポートレートモードも使えるし、新たに装備されるナイトモードも使えるし、iPhone 11だって十分に素敵だ。
前のXRとXSほどの差はない。3Dタッチもなくなっちゃったし、チップセットも同じA13 Bionicだし(以前のようにメモリー搭載量に差があるかは、まだ公開されていない)、選択の時の最大の違いはこの52mmのレンズがあるかどうかだと思う。
あとは、グレード感の違い。フレームがステンレスで、ディスプレイにOLEDを使ってる11 Pro/11Pro Maxの存在感は、やっぱりすごい。あまり触れられてないが、最大で1200ニトを発揮できるディスプレイはやっぱり凄まじく美しい。
Apple Watch Series 5の常時点灯は、ファッショナブル
Apple Watch未体験の人は、ぜひ1万9800円〜(税別)に値下がりしたSeries 3を試してみて欲しい。必要十分な機能はあるから。実は昨年、高校の陸上部に所属している息子に買ったのだけど、ランニングのタイムを取ったり、Suicaで買い物したり、通知を受け取ったり、ワイドで美しいディスプレイ以外、機能面でいえばSeries 3でも十分に使える。
Series 5の最大の特徴は常時点灯(Always-Onと言われてましたね)のディスプレイにある。
見た時にいつでも点いている便利さはあるが、筆者はむしろファッション面での効果が大きいのではないかと思っている。
だって、時計って、文字盤こそがファッションとしての見せ場なのに、これまでは普段は真っ黒だったわけで。クラシカルな文字盤を選ぼうが、ポップなのにしようが、機能性重視なのにしようが、真っ黒。
これからは、電車のつり革を掴む腕にされたApple Watchを見ても、「あ、この人はこういうセンスの人なんだ」ってわかる。これって、Apple Watchがファッションとして成立するためにはとても大事なことだと思う。
あと、チタンね。バイク、クルマ好きとしては、あのナチュラルチタンの色味はたまらない。毎年買い替えるApple Watchだから、ちょっと高価なチタン(44mmが8万7800円(税別)〜)を買えるかどうかは財布と相談だけれど、個人的にはとても欲しい。
史上最安のiPadは、初めて9.7インチではなくなった
筆者個人的なことを言えば、現在iPad Pro 12.9とmini 5を使っているので、スタンダードなiPadのニーズはない。また、残念ながらより良いものを知ってしまったので、一番安いiPadでは満足できない。本体の薄さとか、液晶のガラス面からの距離とか、音とか、いろいろ違うので。
しかし、新しい10.2インチのiPadは、前モデルのiPad 9.7インチよりディスプレイが大きくなり、スマートキーボードも使えるようになっているのに、史上最安だった前モデルよりさらに3000円安くなって、3万4800円(税別)になった。これはiPad未体験の人は、買わない理由はないと思う。便利っすよ。サイズ感としてはAirと同じでディスプレイが少し小さくて、フチが広いっていう感じ。学生さんはさらに2000円安くて、3万2800円(税別)で買える。
ちなみに、我が家では妻が9.7インチを使ってるし、先月からオーストラリアに留学している娘は、入学初日に9.7インチにiPadを支給されたと言っていた。つまり、この安いiPadならひとり1台使えるということだ。
このサイズにすることで、Airのスマートキーボードが使えるようにするっていうの、本当に頭いいと思う。Bluetoothキーボードはいちいち接続するのが面倒だし、やはり開いた瞬間に使えるスマートキーボードは学校などでも便利なはず。
初めてのiPadにも本当にいいし、家族用にもいいと思う。
いずれにしても、10月から消費税が10%になることを考えると、決断するなら今だ。出費の多い9月後半になりそうだ……。
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年9月号 Vol.95』)
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。