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教育へのICTデバイス導入、何を使うべきか? 洗足学園小学校iPad導入の実例

政府主導の『生徒ひとり一台のパソコン導入』、では何を導入する?

ようやく『ひとり一台のパソコン』を導入すると、政府が言い出した。

誰もがデジタルデバイスを使って仕事をしている世の中に巣立つ子供たちが、早期にデジタルデバイスを活用することに慣れる必要があるのは当然だといえる。

では、小学生が学習に使うとなると、どんなデバイスを導入するのが適切だろうか? Windows PCだろうか? Macだろうか? iPad、Chromebook、Androidタブレットという選択肢もある。

洗足学園では、2017年からiPadを導入

取材にうかがった洗足学園小学校が導入したのはiPad。

洗足学園小学校は、洗足学園音楽大学の溝の口キャンパスと同じ敷地内にある名門校。洗足学園中学校・高等学校という一貫校もあり、一部(多くはないそうだが)内部進学も可能となっている。

2016年にタブレットの導入の検討をはじめ、先生がiPad Proの使用を開始。2017年から45台のiPad Proを導入し、授業での活用をスタートした(当時はProでしかApple Pencilを使えなかった)。

経過が良好だったということで、2018年4月から3年生進級前にiPadとApple Pencilを全員購入。授業での本格活用がはじまった。さらに、3年生になると課題も増えていることから、2年生のうちに導入した方が良いということになり、2019年度からは2年生の9月からiPadを導入するようになった。1年生の間は、まず普通のノートや教科書うを使うとのこと。

ちなみにiPadは学校教材として各家庭で購入することになっているが、学校で活用している間は、デバイス自体はMDM(アカウント、設定などを管理する仕組み)で協力業者が一括管理している。これにより、セキュリティの問題などが発生することなく、学内では画面やドキュメントなどの共有も容易に行うことができる。また、先生の負担も増えない。

もともと、ICT教育に詳しい教員もいなかったとのことで、iPadを選んだのも「生徒たちが操作を覚える必要がない」というところにあった。家庭でiPadを使っていたり、親御さんがiPhoneを使っていたりで、子供たちは何も教えなくても自然とiPadを使えるのだという。またApple Pencilを使えば、キーボードの操作ができない学年の子供でも文字入力を含めてiPadを活用できるという。

2年生の国語『わかりやすく説明しよう』

取材させていただいたのは、2年生の国語と、5年生の社会科。

2年生の国語の課題は「わかりやすく説明しよう」と題して、紙コップや折り紙などでまず自分たちでおもちゃを作り、その作り方をiPadを使って説明するというもの。

説明のためにグループで担当を決め、iPadで写真を撮り、その説明を書き込む。その作業にとまどう子がほとんどいないのには驚かされた。

Apple Pencilでの書き文字や、50音キーボードを使って器用に日本語を入力していた。

『手順』を論理的に分解し、分かりやすい写真と文章で開設することにより、論理的思考とチームでの分担などが身に付くと言う。

5年生は歴史的人物を使ってオリジナルカルタ製作

5年生の社会科の授業は、『歴史的人物を使ってオリジナルのカルタを作ろう』というもの。

絵札に関しては、絵を書いてもいいし、ネットからフリー素材などを検索して使ってもいいとのこと(ここでも『いらすとや』が大活躍だったのには苦笑させられたが(笑))。

ちゃんとSprit Viewを使って、片側でSafariを使って検索し、もう片側でKeynoteを開いてドキュメントを作っていたのには驚かされた。大人でも複数アプリを並行して開くのに慣れていない人は多いのではないだろうか?

中には器用に絵を描いて、それを素材として活用している生徒もいた。

生徒の学び方が大きく変わった

使うアプリは、Keynote、iMovieなどが多いという。絵を描く時にはTayasui Sketchesを使うという。また、ロイロノートもよく活用されるアプリだ。

国語、算数、理科、社会、ほとんどすべての授業でiPadを活用する。唯一使わないことが決められているのは漢字の授業だけだ。体育の授業でさえ、iPadで、自分のフォームを撮影し、客観的に見るために使われていたりするという。

iPadはMDMで管理されているので、先生側からはClassroomというアプリで、全員の画面を一覧することができる。また、特定の生徒の画面をピックアップして、それをプロジェクターで教室の前面に投影することもできる。

これまでの授業では、一部の手を上げることに積極的な生徒への対応が中心になることが多かったが、Classroomで全体を見渡せることにより、つまづいている生徒に気付きやすくなったり、自分からアピールはしないけれども、コツコツと個性的な表現をしている子供に気付きやすくなったという。そういう生徒に表現を投影し共有することで、他の生徒もその子の個性に気がついたり、刺激を受けたりという相乗効果も生まれているという。

iPadを導入して大きく変わったのは子供たちの学び方が大きく変わったという。これまでは、教員が一方的に授業をして生徒たちを引っ張っていくような側面があったが、iPadを導入してからは子供たちが自主的に勝手に学んでいくようになったという。従来だと発表している生徒以外は学習が止まっている部分があったが、常にそれぞれがiPadに向かって発表するための要素を取りまとめるようになったという。

実際にエピデンスも取ったという。洗足学園の生徒たちは、精神年齢が高めで公的自己意識が高く、人前で発表するのが恥ずかしいと感じる子供たちが多かったが、そういう子供が発表しやすくなったという。

また、もともとアクティブな学習をしている教科が多かったが、iPadを導入して、さらにそういう傾向が強まったとのこと。

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本当に活用できるデバイスは何?

私立ということもあり、1時間以上かけて遠方から通学する生徒もいる中、教科書、実験用テキスト、資料集、ノート……など大変荷物が多かったのも子供たちにとって負担だった。iPadの導入により荷物は大きく減った。問題集などもデジタル版があるものはそれを活用することになっている。

学校のICT教育は、先生が決してICTの専門家だというわけではない中で導入していかなければならないという難しさがあるが、機材管理はMDMと専門業者に委ねた状態でiPadを導入すれば、デバイスの管理に対する負担は最小限で済む。またiPadであれば使い方を教えなくても子供たちは使いこなせるし、まずキーボードが使えなければならないということもない。観察した限りでは50音キーボードを使っている子供が多かったが、そのあたりの自由度が高いのもiPadのメリットだろう。

iPadの10.2インチなら低コストで導入も可能(学割で3万2800円(税別)から)。価格の制約が強いため、低いスペックのパソコンを導入し、結果あまり活用できていないという話も聞く。そんな中、iPadとApple Pencilの組合せは導入も容易で、活用の幅も広くかなりクレバーな選択肢であるように思える。

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(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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