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アップルがApp Storeで約55兆7000億円の経済圏を産み出してるって話を解説する

5190億ドルは、55兆9000億円。やっぱり良くわからない(笑)

アップルが『App Store経済圏を通じて、2019年には5000億ドル以上の規模の経済活動を促進』というプレスリリースを出した。

Apple Newsroom

Apple、App Store経済圏を通じて、2019年には5000億ドル以上の規模の経済活動を促進

が、ちょっと単位が大きすぎて何を言ってるか理解が難しいので、この件について、簡単に解説しよう。

なお、5190億ドルという単位が日本人には分かりづらいので、こちらで1ドル107.4円として換算してみた(以下金額はすべて)。

5190億ドルは日本円に換算すると、55兆7000億円……やっぱりよくわからない(笑)

ちなみに、日本の国家予算がだいたい100兆円ぐらい。

12年前までは、箱でソフトウエアを買うことが多かった

あまりにApp Storeが普及しすぎて、もはや忘れてしまっているが、ほんの10数年前まで、我々はパッケージでアプリケーションを買っていた。

パソコンショップのソフトウェア売り場に行くと、こういう紙箱が売っていて、中にアプリケーションの入ったCD-ROMやDVD-ROM(もっと前は、フロッピーディスクだった)が入っていた。内容物は多くの場合、ディスク1枚なのだが、価格の高さを表現するためか箱は大きかったのが、今となっては面白い。

筆者宅の本棚の上にあったソフトウェアのパッケージ(の一部)。昔は、こうやって箱に入って売っていたのだ。 2008年、iPhone 3Gが発売された時にApp Storeというマーケットが誕生した。たった12年前のことだ。

2003年に始まったiTunesの音楽販売の仕組みを受けて作られており、店頭に出かけなくてもアプリケーションが買える便利さは、あっという間に受け入れられて、誰もが、本当に誰もが使うサービスになった。

もちろん、それ以前にソフトウェアのダウンロード販売はあったが、ダウンロード、ライセンスの認証、決済などがバラバラで非常に不便だった。

もう、僕ら自身が忘れてしまっているけど、iPhoneのApp Storeって本当に衝撃的だったのだ。

その後、iPadや、Mac版のストアが登場し、後に登場したAndroidにもGoogle Playや、Microsoftストア、AmazonのAppストアなどが登場し、アカウントを作っておけば、モバイルでワンクリックでアプリが買えるというのはあたり前になった。

しかし、この仕組みを作ったのは間違いなくアップルのApp Storeが最初だったのだ。

また、大きな販売サイトや決済システムを持たない中小企業や、果ては個人でもアプリを開発し、販売できるのもApp Storeの特徴だった。誰もがアプリを開発して、一獲千金を狙えるということで、さながらゴールドラッシュのような状況になったものだ。

いわば、iPhoneで消費できることができるようになった総額

そのApp Storeというものが出来たことにより、出来た経済圏がどれほどのものかというのが今回の試算ということになる。

アプリそのものの売上はもちろん、サブスクリプションでの課金、アプリ上でモノを買ったり、旅行を予約したり、Uberを呼んだり、デリバリーを頼んだり……というようなものも含まれる。

またしても金額がドルでは分かりにくいので、日本円に筆者が換算してみた。

もともと最低単位が10億ドルだった表を1ドル107.4円で換算し、換算後に1000億円単位で四捨五入した……という超大ざっぱな表だが、概略を掴むのには役に立つだろう。

ECが圧倒的に多い。街を歩きながら、ワンクリックでモノを買えるなんて、12年前には想像もできなかった便利な世界に我々はいるのだ。

旅行というのも単価が大きいせいか、金額が多い。日本ではほとんど使えないが、ライドハイアリング(UberやLyft)も市場としては非常に大きいことが見て取れる。また、アップルデバイス上のアプリ広告市場は4兆8000億円。

四捨五入で切り飛ばす500億円の100分の1でもあったら、flick!なんて永遠に作ってられるのになぁ……。

(ちなみに、この数字は2019年の数字なので、まだCOVID-19の影響を受けていない)

意外と日本の数字が大きいことにも注目

あと、ワールドワイドの資料なのに、アップルがUS、中国、ヨーロッパ、日本、それ以外……と切り分けているのが興味深い。アップルにとって日本は独立して分析するマーケットなのだ。

iPhoneが非常に人気だというのもあるが、ヨーロッパや、欧米中以外のすべてと肩を並べるほど巨大な日本市場ということになる。特にデジタル機器とサービスに関してはヨーロッパや左記以外を上回り、中国に迫る勢いだ。

また、モバイルコマースも日本の市場は非常に大きい。

アップルデバイスから……という括りはあるが、小国であり、言語的にも独立性の高い(通訳などの手間が必要な)日本のメディアを、アップルが発表会に大勢呼んでくれる理由はこのあたりにあるのかもしれない。

この55兆7000億円の冨を産み出すのが、WWDCに集うエンジニア

ともあれ、この数値がWWDCの直前の今、公開された理由は、アップルデバイスのアプリ開発に携わるエンジニアは、この55兆7000億円の市場を左右する存在になった。たった12年で……ということをアピールしたかったのだろう。

ちなみに、アップル調べではあるが、この金額はGppgle Playの影響下にある数字よりはるかに大きいらしい。

その55兆7000億円の経済圏をつかさどるエンジニア達が集うイベント、それこそがWWDC(世界開発者会議)なのである。

今年はオンラインで、世界中から誰もが参加できる。

今年のWWDCの招待状には、『Apple Parkから』お届けすると書いてある。おそらくティム・クックらはSteve Jobs Theaterで話すのだろう(例年は、Steve Jobs TheaterはiPhoneの発表会でのみ使われる)

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(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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