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ついにPASMOがApple Payに対応! 発表会と2つのアプリの登録方法

私鉄・地下鉄などの定期もApple Watchで!

ついに! Apple PayがPASMOに対応した!

単純にお金をFeliCaで電子的に支払うという意味ではSuicaもPASMOも同じだと思われるかもしれないが、SuicaはJR東日本が運営主体であるのに対して、Suicaは首都圏の私鉄を中心とした鉄道、バス会社が集まって作った規格で、私鉄や地下鉄沿線に住む人にとってはPASMOの方が身近。

また、定期券については、SuicaではJR東日本のものしか買えなかったから利用範囲が狭かったが、PASMOでは地下鉄、私鉄、バスの定期券が買えるようになるので、利用範囲がググッと広がる。

PASMOの定期券が入っていれば、それ以外の範囲にそのまま乗り越して乗って行っても、電子的に決済処理されるので利便性が大きく上がる。

Suicaから4年の歳月を経てPASMOに対応

運用の仕組みはSuicaとほぼ同じなので、Suicaを使っていた人は理解できると思うが、電子マネーとしてユニークなのは、Suica/PASMOは1カ所にしか存在できないということ。

たとえば、カードからiPhoneに取り込めばカード側は使えなくなるし、iPhoneからApple Watch側に送れば、iPhoneでは使えなくなる。

このあたりはクレジットカードなどと違うので、理解しておくことが必要だが、使い始めて慣れればとっても便利。たとえ、Suica/PASMOが入ったiPhoneやApple Watchを紛失したとしても、他のデバイスでアクティブにすれば、先に入っていたデバイスでは使えなくなるので、物理的なカードよりセキュリティ的にも安心だ。

ちなみに、iPhoneはワールドワイドでNFCに対応した後、2016年10月25日に、iPhone 7以降、iOS 10.1以降でFeliCaを使うSuicaに対応した。

4年前のパスモローンチ時の記事
http://blog.sideriver.com/flick/2016/10/apple-pay24vp-6b31.html

そこからPASMO対応までちょうど4年の歳月が流れたわけだが、Appleがほぼ日本特有の規格であるFeliCaに対応するのに(噂では)JR東日本の絶大な努力があったと言われており、この4年のSuicaのリードはなんらかの配慮か、契約上の権利があったのだろうと筆者は想像する。ともあれ、4年が経って、PASMO対応が始まった。扉は開いたのだから、おそらく他の地方都市で使われているFeliCa決済もそう遠くないうちに対応が可能となるのではないだろうか?

なにしろ、とても便利だから使えないのはもったいない。

iOS 14が必要。Walletアプリか、PASMOアプリから

さて、PASMOはふたつのアプリから登録することができる。ちなみに、PASMOを利用するにはiOS 14にアップデートする必要がある。

ひとつは純正のWalletアプリ。下の写真右上の+ボタンをタップすると、下の写真中央のように追加するカードとして、PASMOが出てくる(iOS 14にしていないと、選択肢としてPASMOが出てこない)。

あとは指示通り、操作すると新規PASMOを作って、クレジットカードからチャージすることができる。

もうひとつの方法はPASMOのアプリを使う方法。

※10月6日現在、まだアプリ検索には引っかからないので、こちらのURLからどうぞ。
https://apps.apple.com/jp/app/id1489151487

Suicaのアプリと内部的には同じなのかどうかは回答は得られなかったが、インターフェイスは似ているので、なんらかの技術的連携があるものと思われる。

こちらもアプリの指示通りにすれば驚くほど簡単にPASMOを作ることができる。

ちなみに、これはSuicaも同じなのだが、物理的なPASMOのカードを取り込むことができる。PASMOアプリで『お手持ちのPASMOカードではじめる』を選び、物理カードの上に乗せると、PASMOカードの残金を吸い出してくれる。

PASMOカード側には戻せないので、一度吸い出すと、物理カードは使えなくなる。紛らわしくないように捨ててしまった方がいいだろう。

ただし、PASMO ID自体は変わってしまうので、PASMO IDに依存するサービスを利用している場合、それは引き継がれず使えなくなってしまうので、注意が必要だ。

また、一番のメリットは定期券を使えること。物理カードの定期券もiPhone側に吸い出すこともできる。これはとても便利。

ちなみに、小児用PASMO、Apple PayのPASMOでの定期券発行に対応していない事業者の定期券、通学定期券、一体型PASMO、企画券や乗車証を搭載したPASMOは取りこめないので注意が必要だ。

SuicaのApple Payとの3つの(ささいな)違い

ほとんどはSuicaのApple Payと同じだが、わずかに違いはある。

ひとつはWalletから残高0のカードが作れること。これにより、クレジットカードを使わない人でもカードを作って、駅で現金からチャージをすることができる。

これはインバウンドがほぼ停止している現在ではあまり関係ないが、中国の銀聯カードからチャージができるのもPASMOだけだ。

また、バスポイントに関するインターフェイスが追加されたのもPASMOだけ。Suicaや物理カードで使っていてもポイントは加算され、適宜使われているのだが、PASMOアプリではその残額を見ることができる。

最後にさらにマメ知識。冒頭の写真は新宿駅に接続している5路線、小田急電鉄、京王電鉄、西武鉄道、東京メトロ、都営地下鉄のそれぞれ新宿駅長なのだが、それぞれの方が装着されているApple Watchのバンドは、それぞれの会社のコーポレートカラーになっており、画面も新しいwatch OS 7のストライプウォッチフェイスを利用して、それぞれのコーポレートカラーが再現されている。このあたりに凝れるのもApple Watchの面白いところだ。

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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