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5分で分かる、アップルの発表会WWDC21のすべて

OSの変化における、3つの重要なポイント

残念ながら(と言うのもどうかと思うが)、多くの人が期待するであろうハードウェアの新製品はなかった。WWDCはその名の通り開発者のイベントなのだから、これが正しい姿……とは思いつつも残念な気はする。

アップルは現在の状況に合わせて発表会のスタイルを大きく変えてきており、いつでも好きな時にオンラインで新製品を発表できるのだから、WWDCは開発者の向けての情報発信にフォーカスしよう……というのは、ひとつの正しい選択なのだろう。

また、発表された変化もドラスティックなものではなく、すべてのアップルデバイスが作り上げる『アップルワールド』とでも言うべきものを、緻密に結びつけ、改善し、利用する人の人生をポジティブなものにしていく変更を積み重ねている。

結果、それぞれは地味な変更かもしれないが、おそらくアップルユーザーと、AndroidやWindowsユーザーの体験は、さらに大きくかけ離れたものになっていきそうだ。

特にアップルならではの変化として、『リモート時代のコミュケーションの変革』『プライバシー推進(広告ドリブンへの攻撃)』『各デバイスの融合』が挙げられるだろう。

一応、これまでのフォーマット通り、各デバイスの順に発表は行われたが、実は各OSの守備範囲は大きく重なってきており、たとえば、地図アプリの変更であれ、ノートアプリの変更であれ、すべてのデバイスで共通した変化が行われている。ゆえに、ここではまず全体共通の機能について横断的に語り、続いて個別のデバイスでしか影響のないアップデートについて語ろうと思う。

なお、すべてのアップデートについて、デベロッパープレビュー(開発者向けのベータ版)は今日から、パブリックベータ(一般公開のベータ版)は7月、そして正式版は秋からローンチされると発表された。

また、それぞれのOSについて、バージョン番号もあまり強調されなかった。iOS 15、iPadOS 15、watchOS 8という呼称は出てきたが、macOSは『macOS Monterey』としか言われなかった。たぶん、macOS 12 Montereyなのだろうが、明言はされなかった。おそらくバージョン番号が増え過ぎて印象的でなくなったので、徐々にそういう言い方はしなくなっていくのだろう。それぞれの融合も近いのかもしれない。

マップの改善、画像からのテキスト認識を全デバイス共通で

先にも述べたが、多くのデバイスにおいて共通の変更が行われた。

たとえばマップ。

一番遠くにピンチアウトすると、地球全体が見えるGoogle Earthのようなインターフェイスからピンチインで近寄っていくのだが、地図が標高などが反映された非常に見やすい地図になっている。実写に近いわけでも、CGっぽいわけでもないのだが、見やすそうで楽しみだ。運転中の表示も、電車の乗り換え表示なども分かりやすく変更されるようで、対応が楽しみだ。

写真などからテキストを抜き出せるライブテキストの機能も、iPhone、iPad、Macのすべてで共通して使えるようになる機能だ。写真から直接文章をコピペしたり、電話番号をタップして電話したり、Translateの機能を使って翻訳したりできる。

……が、この機能、最初にローンチされる7言語の中に、中国語の繁体字や簡体字はあるのに日本語は入っていない。残念。

FaceTimeがZoomの領域を侵食するかも?

リモートでの活動が重要になった現状を考えてか、FaceTimeとMessageの機能が大幅に強化された。

特にFaceTimeは、通話の質を大きく上げて、実際に話しているのに近い感覚が得られるように努力されている。空間オーディオで、それぞれの声のする方向を区別したり、会話を妨げる周囲の音をオンオフできたり、画面共有、音楽や映像を一緒に楽しむ機能が追加された。Android版やWindows版も用意されるという情報もあるので(原典未確認)、実現すると会話の音質が本当によければ現在Zoomが担っている分野の一部をFaceTimeが占めるようになるかもしれない。

Messageも同様に写真や映像、音楽などをシェアしやすくなり、新しい絵文字も追加される。

非常に注目したいのはフォーカスという機能。これも、iPhone、iPad、Macで横断的に動作するのだが、自分のモードに応じて、通知などをあとでまとめて受け取ったりできる。

仕事をしているのに、雑多な通知が来て集中できなかったり、逆にプライベートモードなのに仕事の通知が気になってしまったりということはないだろうか? それを区別して、不要な通知にわずらわされないようにする仕組み。これは、早く欲しいという人が多いのではないだろうか? Messageなどにおいては、先方にもこのモードが通知され、邪魔をしないように配慮してもらうことができる。

この機能は楽しみ。

さらに鮮明になる、プライバシー領域でのGoogleとの対決姿勢

大きな波紋を呼びそうなのが、プライバシー関連の機能。

Mail Privacy Protectionは、メールの開封通知、IPアドレスのトラッキング、位置情報のトラッキングなどを伏せる。Siriも、一部の機能はローカルで使えるようになったので、情報が家から出て行かないばかりか音声認識のレスポンスもよくなった。

iCloudには新たに2つの機能を追加。ひとつは、パスワードを忘れたりした時に、信頼できる知人を復旧用のアカウントとして指定し、その人からコードを送ってもらうことで、自分のアカウントにログインできるようになるというもの。もうひとつはDigital Legacy……つまりデジタル遺産プログラム。自分が死んだ後に、自分の写真や、メール、メモなどを引き継ぐ人を指定できる。

さらに追加された機能を含めて、iCloud+というサービスが始まる。この中のPrivate Relayはプライバシーを保ったままインターネットを使うためのサービス。なんと、トラフィックをすべて暗号化して伝え、たとえば検索(おそらくGoogleで)したとしても、利用者の情報は一切先方に渡らないというもの。これはかなり本気でGoogleと戦うつもりだ。

さらに、『メールを非公開』はweb上のフォームに書き込む時用のメールアドレスを生成する機能。ちゃんとiCloudに転送はされるが、そのアドレスはいつでも消してしまえるし、追跡されない。

iPhoneのWalletに鍵と身分証明書が

さて、ここからは各デバイスに特化された機能のうち、特に注目を集めそうなものをご紹介しよう。

まず、iPhone。

iPhoneで注目したいのはWalletだろう。

Walletに鍵を入れられるようになった。これで対応していれば、自宅の鍵、会社の鍵、ホテルの鍵、クルマの鍵などをiPhoneに読み込み、iPhoneをタッチするだけで解錠できるようになる。また、Walletには身分証も読み込めるようになるという。このあたり、どういう機能で行政側の対応がどうなるのかはこれから調べねばならないが、ますます『iPhoneさえ持っていれはOK』になりそうだ。

より多機能に、使いやすくなるiPad

iPadは、iPhoneと同じようなウィジェットのアプリアイコンとの混在が可能になったのがビッグトピック。たとえば、仕事用のホーム画面、趣味用のホーム画面、リラックスタイム用のホーム画面……と分けて作ると便利そうだ。AppライブラリもiPhone同様使えるようになる。

マルチタスク機能も従来より便利なった。従来のマルチタスクは独特のジェスチャーを習得しないと使いこなすのが難しかったが、今回はマルチタスク用のメニューや『シェルフ』が画面に表示されるので、ジェスチャーがわからなくても、それをタップするだけでマルチタスクを使うことができるようになった。

ノート機能もさらに便利になった。アップルペンシルで画面の右下からフリックアップすると、いつでもノートが表示できてすぐに利用できる。これは便利になりそう。

プログラミングを学ぶためにも、iPadは最高のデバイスになる。Swift Playgroundsは最高のプログラミング学習アプリだが、従来はiPadでプログラミングを学んでもMacを買わないとプログラミングを実践することができなかった。しかし、これからはiPadでSwift UIを使ってプログラミングを作り、Apple Storeに提出することさえできるようになった。これは特に教育関連において大変革だ。

Macのマウスで、横にあるiPadも操作

Macの驚きの機能はユニバーサルコントロール。

 

なんと、Macの横にiPadを置いた時、Macのインターフェイス(つまりマウスやトラックパッド)を使って、横に置いたiPadまで操作できるのだ。おそらくContinuity関連の機能を使うのだが、デモではマウスカーソルがMacから飛び出してiPadの画面に移っていた。これは、上手く動作すればとても便利になりそうだ。

また、iPhoneやiPadで使えたショートカットもMacで使えるようになる。Automatorも使えるので、連携してさまざまな作業を自動化することができるようになるという。

また、新たにMacにもローパワーモードが追加されるようだ。これはアプルシリコン用の機能かもしれない。

Apple Watchのデータで、診察も改善

Apple Watchはヘルスケアデバイスとしてさらに進化を続ける。

iPhoneのヘルスケアアプリは、健康診断の数値を取り込んだり、その変化から体調の変化などを通知したりできるようになる。さらに、多くのデータを医療機関と共有し、実際に診察に役立てたりすることができるようになりそうだ。また、ファミリーでも共有できるようになるので、離れた所にいる親の変化を感じたりもできるようになる。

呼吸アプリも大きく改善され、さらにマインドフルネスに関するアプリも追加される。ワークアウトには太極拳が追加され、スリープのログもさらに強化される。

より生活にフィットして、プライバシー侵害とは対決姿勢が鮮烈に

ざっくりと、全体の変化を追ってみたが、アップデートが非常に多岐に渡り、我々の生活を大きく変えそうだということがご理解いだだけたろうか?

各デバイスの連携はさらに深まり、GoogleやAmazonなどに対してプライバシーデータで商売させないようにする姿勢がより強くなった。リモートワークの生活を改善するサービスが強化され、Apple Watchはさらに我々の健康な生活をサポートしてくれる。

秋にこれらのOSが使えるようになるのが楽しみだ。

 

(村上タクタ)

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PROFILE

村上 タクタ

flick! / 編集長

村上 タクタ

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

村上 タクタの記事一覧

デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。

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