ScanSnapに在宅勤務に最適な書棚にスッと収まるコンパクトモデルiX1300登場!
- 2021年10月05日
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夢にまで見たS1300iの後継機種が登場!
10年程前に筆者が最初に買ったScanSnapがS1300だった。
当時のフラッグシップモデルS1500より、コンパクトなボディで、スキャン速度に差はあったが、それでも表裏をスキャンしてくれたから、大量にデジタル化したいわけではない私には好都合だった。
以来、そのS1300、そして後継であるS1300iのさらなる後継機種を、ずっと要望してきたが、その夢がやっとかなった。新型『ScanSnap iX1300』、本日10月5日発表。そして10月8日発売である。
価格は3万5300円(税込)。
ずーっと、意見を言い続けてきた私の意見が聞き届けられたのである(多分(笑))。これは嬉しい。
ちょっと先にお預かりしていたので、さっそくレビューをお届けしよう。
まずは、私の往年の愛機、S1300と記念写真(笑)ごらんのようにちょっと立派なボディになっている。
専用プロセッサーを積んだモデルに進化
名称に『S』が付く古い世代と、『iX』が付く最新の世代の違いは何かというと、iX500登場時に搭載された『GIプロセッサー』というチップを積んでいるかどうかが一番大きい。
それまでは、いわばパソコンの周辺機器だったのが、GIプロセッサーを搭載することで、単独のデバイスとして内部的に画像処理をすることで、単体でスキャンしたり、Wi-Fiを使ったり、タブレットやスマホなどと連携したりできるようになったのである。iX500に始まり、iX100、iX1600、iX1400と繋がってきたこの系譜に、ようやく1300番台の端末が参加することとなったというワケだ。ちなみに、iX1300の資料には『GIプロセッサー』の文字はないから、もしかして同じものが積んであるわけではないのかもしれないが、ともかく高度な処理をするプロセッサーが搭載されている。
ちなみに、S1300iは、USBケーブルを2本繋ぐことで、モバイル環境でも動作可能……という独特の仕組みを持っていたが、iX1300はAC電源が必要。まぁ、いざとなればiX100もあるし、AC電源を取れるモバイルバッテリーもあるということで、そこは重視されるポイントではないだろう。
設置スペースは、紙をスキャンすれば作り出せる
今、注目されるのは、その本棚の本のすき間にすっぽりと収まるようなコンパクトさだろう。
現在の状況下で在宅勤務になって、家で仕事をするにあたって、ScanSnapが欲しいと思っていた人は多いだろう。しかし、展開すると給紙台とトレーがかなりのスペースを取ってしまうiX1600は、高機能とはいえちょっと置き場所に悩む。また、5万2800円(税込)というお値段も、ひとつ決心がいる。
そこに、このコンパクトで、3万5300円(税込)というiX1300の登場である。もう悩むことはない。積もり積もった書類や資料を、iX1300に読み込ませれば、iX1300を置く場所ぐらい簡単に作り出せるはずだ。
スキャン機能の多くはシリーズ共通
このボディ形状を見て、「あれ?」と思ったPFUマニアの人もいることだろう。
そう、サイズ感や一部形状は業務用途のfi-800Rと共通だ。fi-800Rは窓口業務などで使われる業務用のコンパクトスキャナー。おそらく内部コンポーネントの一部などが共通なのだろう。とはいえ、fi-800Rはちょっと前まで税込で10万円以上していたプロモデル(iX1300の登場に前後して、6万6000円(税込)に値下げされている)。耐久性など業務用ならではの部分はコストダウンされていると思われるが、それでもプロモデルと基本が同じというのは安心感が大きい。
スキャナーとしての使い勝手は、ScanSnapシリーズ共通のもの。
iX1600のようなタッチパネルこそないが、パソコンと連携させればさまざまなプロファイルを活用することができる。また、クラウド連携にしておけば、パソコンの電源が入ってない状態でも単体でスキャンできるし、iPadなどのタブレット、iPhoneやAndroidなどのスマホとも連携できる。
iX1600のようなディスプレイがないのは寂しいが、iX1600の時に混乱した人がいたように、『ワンボタンでそれを押せばスキャン』というわかりやすさを歓迎する人は多いだろう。
スキャンしてEvernote、スキャンしてデスクトップに……と、ひとつの機能をずっと使い続ける人は案外多い。多様な機能を使わない人にとっては、このワンボタンは混乱しなくていいとさえいえる。
Uターンスキャンで30枚/分を実現!
前置きが長くなったが、肝心のスキャン機能のお話だ。
スキャン速度は、30枚/分と、一世代前のフラッグシップ(iX1500)と同じ。最新のiX1600(40枚/分)の75%。サイズを超えたパフォーマンスといえるだろう。
また独特なのがUターンスキャンという配紙方式。給紙トレーから読み込まれた紙は180°Uターンして排出される。これにより設置場所の前にスペースが要らないのだ。このサイズ上のメリットは大きい。
これはぜひ動画で見て欲しいのだが(10月7日のフリック!TVでお届けする予定)、吸い込まれた紙が、クルっとUターンして本体上に重なって行く。しかもその部分のトレーはスキャン時に瞬時に引き出され、スキャンが終わったら自動的に収納されるようになっている。
リターンスキャンで硬いカードも読める
また、ユニークなのはリターンスキャン。こちらは、前側から差し込んで、スキャン後ろ側にいったん排出しながら、最終的には戻ってくるという不思議な方式だが、名刺やクレジットカードなどの硬いものをスキャンするのにちょうどいい。これもぜひフリック!TVで動画で見ていただきたいポイント。
また、この前からのスキャンは紙を分離しないので、2つ折り原稿のスキャンも、なんら別途の指示なしで可能となっている。これも便利なポイント。
ご覧のように、前からいったん吸い込んで後ろ側に出し、そしてまた前に戻すという複雑なアクションとなっている。しかし、実現していみるとこれが便利なのだ。
あなたの本棚に、ぴったりフィット
コンパクトなボディ。それにも増して少ない設置面積。スピーディなUターンスキャンと、硬いモノや2つ折りの紙などもスキャンできるリターンスキャンの2種類のスキャンがとても便利。しかも、3万5300円(税込)という価格はインパクトがある。これまで在宅勤務のためにスキャナーが欲しかったけど、買う決心がつかなかった……という人はぜひ購入して欲しい。
10年来の私の希望がかなって、iX1300が登場したことを一緒に祝おう。
(村上タクタ)
(最新刊)
flick! digital 2021年10月号 Vol.120
https://peacs.net/magazines-books/flick-906/
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https://funq.jp/flick/magazines/20164/
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。