近日発表のiOS 15.4で、マスク着用時にFace ID使用可能に。セキュリティは高いまま
- 2022年02月02日
※この記事は、未公開のバージョンのiOSについて記述しています。この記事で試用しているiOSはエンジニア用サイトにアップされたベータ版で、今後変更される可能性があります。開発者向けベータには守秘義務が課せられていますが、この記事は特別な許可を得て試用して執筆しています。
マスクをしたまま、Face IDが利用可能に
Face IDは便利な仕組みだが、公の場ではマスクを外せない現状では不便だ。Apple Payの決済のたびにマスクをズラすか、パスコードを入れなければならない状況というのは、不本意なものだった。
しかし、近日公開されるiOS 15.4で、我々はその不自由から解放される。iOS 15.4で『マスク着用時にFace IDを使用』という機能が追加されるのだ。実際に筆者もiOS 15.4 Developer Beta(19E5209h)をインストールして試してみたが、マスクをしたままでも、従来と同じような速度で快適にFace ID認証を行うことができた。
(一部表現が英語のままなのは、開発者向けベータだから。これらの表示や機能はローンチまでに変更されると思われる)
筆者は人の顔を覚えるのが苦手で、社内でもマスクをしたままの知人に挨拶されても、誰か分からないということが往々にしてある(笑)しかし、iOS 15.4をインストールされたiPhoneは、マスクをしたままの人の顔を、私より確実に目の周辺のデータだけで見分けられるようだ。
セキュリティレベルを担保するため、iPhone 12以降のみで可能
Face IDはiPhone Xから搭載されいているが、今回のアップデートはiPhone 12以降のTrue Depthカメラを必要とする。
True Depthカメラは赤外線のドットを照射し、顔の立体的な形状を把握する(だから当然のことながら写真では認証できない)。目の回りだけという限られた情報で違いを区別する新しい機能には、iPhone 12(=A14 Bionic)以降のチップを必要とするのだ。同機に搭載されたニューラルエンジンの一部(Secure Enclaveの中で暗号化され保護されている)が、深度マップと赤外線イメージを数学的モデルに変換し、そのモデルを登録済みの顔もデータと照合する。
この高性能化により、これまでのFace IDと同様に、無作為に選ばれた他人がマスク着用時のFace IDで本体のロックを解除できる確率は、容姿がひとつだけ登録されている場合、およそ100万分の1だという。
また、さらなる安全強化策として、Face IDを試せるのは5回までとなっている。認証に5回失敗した場合には、パスコードの入力が必要になる。
iOS 15.4は、近日中にみなさんも使えるようになるはずだ。
楽しみに待とう。
(村上タクタ)
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PROFILE
flick! / 編集長
村上 タクタ
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。
デジタルガジェットとウェブサービスの雑誌『フリック!』の編集長。バイク雑誌、ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌を作って今に至る。作った雑誌は600冊以上。旅行、キャンプ、クルマ、絵画、カメラ……も好き。2児の父。