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300馬力のハイパワーなのに、エコで4WD走行も可能!【プジョー3008 GTハイブリッド4】

「自動運転なんて信用できねぇ!」という、昭和生まれのガンコオヤジが自動運転(正確には運転支援)機能搭載のクルマに試乗する連載。第3回はオシャレなフランス車。プジョー3008 GT HYBRID4のレポートをお届けする。

車のアイコンがオーラを発すと運転支援開始!

1台のクルマには数台のパソコンに匹敵するコンピューターが搭載されている……と言われる昨今。特に自動運転に注目しながらデジタルデバイスという側面から自動車をレビューしようというのがこの連載だ。第3回となる今回はプジョーの3008 GT HYBRID4に試乗した。

プジョーといえば、シトロエン、ルノーとともにフランス3大メーカーのうちの一角を担う自動車メーカー。俗に『ネコ足』と呼ばれるしなやかなサスが特徴的な、小型車中心のメーカーだ。

穏やかそうなイメージで語られることも多いが、ラテンの血がそうさせるのか、フランスの人々はかなり飛ばす。田舎道で、後続のクルマがかなり速くて「これは敵わない……」と思って道をゆずると、高齢のご婦人だったりすることもあるぐらい、誰も彼もが華麗な運転テクニックを披露する。そのあたり、やはり車を自分たちで生み出した土地の人たちは違うなぁ……とフランスをレンタカーで走ってると思ったものだ。

大パワー、かつエコを実現するテクノロジー

プジョーの『2』のラインは小型車だが、『3』は昔で言えば1.61.8Lぐらいの大きめのハッチバックのライン。そのあとに02つ続く4ケタの車番はSUVであることを示す。

しかし、最近はハイブリッドやEVも増えたり、小排気量化されターボを搭載したりするので、排気量で車格を語ることもできなくなった。大きめのハッチバックをベースにしたSUVというのが3008という名前から読み取れる情報だ。3008 GT HYBRID4というのはその最上位車種。なんと200馬力を発揮する1.6Lターボに加え、前輪に110馬力、後輪に112馬力のモータを搭載し、合計で最大300馬力を発揮。スポーツカーもそこのけの大パワーの持ち主だが、ハイブリッド車として優れた環境性能を発揮。プラグインHVとしても、4WD車としても走れるという、『全部乗せ』の一台だ。

実際、アクセルを床まで踏むと、強烈な加速が味わえる。しかも、前後輪にモーターパワーを使っているので、レスポンスも極めて俊敏。さらに、そのパワーはモーターを使って巧みに分配されるので、峠道でアクセルを踏んだとしても、車の挙動を乱すわけではなく、ライオンのたくましい四脚よろしくガッチリと路面を捕まえて加速する。

自社のアイコンの周りにグリーンのオーラのようなモノが表示されたら、アダプティブ・クルーズコントロール、レーンキープが動作している。手を放すと注意される。
ルームミラーの裏側にカメラを装備。この他にも車体の各所にカメラやセンサーを備える。実はひそかに、ハイテクの装備満載の車なのだ。
メーターパネルは完全にディスプレイ化されている。表示モードを切り替えると、テック感あふれる演出で表示が切り替わる。見たいものが見られるから視認性も良い。
夜になると、表示が浮かび上がってさらに美しい。グラフィカルな表示は見ていて飽きない。考えてみれば表示は自由なのだから、もっと凝った演出だってできそうだ。

モードごとに表情をまったく変える

『スポーツ』モードの他に、『ハイブリッド』『エレクトリック』『4WD』の合計4つのモードを切り替えられるのだが、それぞれ、まったく別の車じゃないかと思えるほど表情を変えるのがスゴイ。

ハイブリッドにすると、回生ブレーキを巧みに使ってしなやかに好燃費を記録する。十分に充電のある状態でエレクトリックを選択すると、なんと約60kmほどは電動のみでエンジンを始動せずに走行できる。深夜の住宅地などで、静々と走り出すのには最適だ。ただし、通常走行中は、燃費を向上させるために常にEVパワーを積極的に吐き出すので、長距離を走るとたいていバッテリーはほぼ空の状態が続く。あくまで燃費向上が主目的のバッテリーだ。4WDモードは、砂地などでもスタックすることなく平然と走ることができる。4WDの走行モードはさらに細かく設定できて、スノー、マッド、サンドそれぞれの状況に応じた駆動力調整を行う。まったく何でもできる万能っぷりだ。ただし、HYBRID4のお値段はその性能に見合ったもので、595万円~(税込)という、かわいくはないプライスタグを下げる。ドイツ車のようなこれみよがしな高級感は主張せず、カジュアルな外見で秘めたる魅力を持つ……というところもフランス車らしいのだが。

実験的な部分も含めてテクノロジーをどんどん取り込んでいるところが、フランス車の良いところだと思う。大満足の試乗だった。
カーナビの部分はiPhoneを接続してCarPlayとしても使える。これが当然のことながら我々にとってとても便利。
iPhoneのアプリが運転中でも操作やすいように単純化されて表示される。必要な情報が必要なだけ表示される。
各種の道を合わせて、1日で556kmの道を走ったが、消費したガソリンは35.7L。燃費はおよそ15.6km/Lだった。

運転支援は、あくまで運転者中心の技術

この車両の場合も『自動運転』とは言わず『先進運転支援システム』というのだが、周囲の環境をセンシングして先行車についていくことができるアダプティブ・クルーズコントロールと、レーン・ポジショニング・アシストが装備されている。

クルーズコントロール・ボタンを押して、状況が許せばメーターパネル中央の車のグラフィックがオーラを発したようになり、運転支援機能が動作する。この状態では、基本的にハンドル、アクセル、ブレーキを操作をしなくても、先行車の速度に合わせて同じ車線を走り続ける。特徴的なのは車線のまん中ではなく、セットした時の位置をキープしてくれること。横の車線のトラックや壁の位置によっては中央だと怖いこともあるので、これはいい。

ただし、時には修正舵も切らねばならない。制限速度の範囲内であれば新東名のコーナーはクリアしてくれるだろうが、首都高速のコーナーは曲がり切れない可能性もある。あくまで『運転支援』だ。

設定も日本車ほど慎重ではなく、高速道路でなくてもこのモードに入ることができるし、制限速度以上の速度も設定可能だ。あくまで、運転者主体で、車の機能は補助……というのが、フランス車らしい。過保護ではない。

独特の異形小径ステアリングがプジョー独特の運転感覚を演出する。運転しやすいし、メーターパネルも見やすい。
モダンアートのような美しさを持つフレームレスのフロントグリル。ドイツ車のように、偉そうではないが、独自性を主張する。
オールLEDのヘッドライトは、対向車がいなければ、ハイビームになるし、曲がる時にはコーナーランプが点灯する。賢い。
その性能を体験してから見ると、HYBRID4のロゴが非常に誇らしげに見える。ぜひ試乗を。
ライオンの牙をモチーフにしたというフロントのポジションランプと共通した意匠を持つテール。
1.6Lターボエンジンと、前後2系統のモーターという動力系から、合わせて300馬力を発揮する。
右が給油。左には充電ポートを持つ。家で充電できれば約60kmはガソリンを消費せず走れる。
試乗車はオプションのパノラミックサンルーフ装備。後席の視界が広く、明るくなってとてもいい。

こりゃけっこうイイよ!

しかし、百獣の王の猛烈なパワーを満喫し、4WDで砂浜や雪道を満喫した帰りには、ハンドル操作をあるていど委ねて安楽な気分で帰路につけるというのは良い。試乗当日は高速道路、峠、市街地、郊外、砂浜……とさまざまなシチュエーションを約500kmほど走ったがまったく疲れなかった。フレンチテックは、車の万能性を拡張して楽しませてくれるのである。

力量感溢れるスタイルで、車格に対して室内は広い。過去の経験からして、フランスで見ると数倍かっこよく見えるはずだ。
さまざまな質感を組み合わせたモダンなデザインがフランス車ならでは。魅力的だ。
iPhoneはUSB-A to Lightingか、Bluetoothで接続。写真の部分に非接触充電が備わる。
主立った機能はアルミ製のトグルスイッチになっているので、直感的に操作できる。
始動ボタン、シフトレバー、サイドブレーキ、ドライブモードなどの操作系はこちら。
長時間座っても疲れの少ないテップレザー/アルカンタラのシート。シートヒーターも内蔵。
リアシートは大の大人でも十分な広さを持つ。175cmの筆者ではヘッドスペースは少々狭め。

Peugeot 3008 GT HYBRID4(プジョー 3008 GTハイブリッド4)

価格:595万円~(税込)

最廉価モデルの3008 Allure3976000円~(税別)であることを考えると、HYBRID4595万円~という価格は200万円近い上乗せ。しかし、それを十分に埋め合わせるだけの性能、機能があり、この車はHYBRID4がお勧めだと思う。惜しむらくは、約600万円する車だという押し出しと、塗装などの質感には欠けるところ。「その偉ぶらないところがプジョーの魅力なんだ」という人が買うのだろう。

全幅は1,840mm、全高が1,630mmとかなりの車格をキッチリ居住スペースに割り振ってるからかなり広い。
全長は4,450mmとほどほど。ボンネットと荷室を差し引いた居住スペースに大きく割り振られている。

昭和オヤジレビュー

300馬力の大パワーで燃えるもよし、運転制御で楽に走るもよし

1.6Lターボと2基のモーターから産み出される300馬力は、NAエンジンのように心昂ぶる情感は持たないが、代わりに安定した加速性能を持っている。非常に実用的だと思う。技術をこのように使うのか! というところが非常に興味深い。青いライオンの熱烈なファンの気持ちが良く分かった。本題の自動運転の話を忘れるほど、このパワーユニットとパッケージングは興味深く、魅力的だ。

(この記事はフリック!2021年10月号Vol.120掲載の記事を再編、転載したものです)
(フリック!編集部)

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