赤岳冬山山行アイテム|ライター森山憲一さんのアイテム紹介

冬の八ヶ岳・赤岳に、美濃戸〜赤岳天望荘泊というプランで登る場合の、登山ライター森山憲一さんの装備一覧がこれ。稜線に上がれば、標高は3,000m近く。極寒・強風の天候にも耐えられる装備計画がカギだ。

私の雪山登山基本装備はここにあげたとおり。行く山やルートによって、ジャケットやバックパック、アックスとクランポン、ポールは変わることもあるけれど、ほかは基本変わらない。

テント泊山行のときも、これに寝袋や炊事用具などの宿泊装備が加わるだけ。その場合は、バックパックが50ℓのものに変わる(一般的な雪山テント泊に使うバックパックは60〜70ℓくらいだと思うので、私は荷物を絞りぎみ)。

ウエア編

ここ数年で、大きな変化があったのはミドルレイヤー。通気性が高くてストレッチするインシュレーションウエア(いわゆるアクティブインシュレーション)の登場は、個人的にも革命で、それまではフリースを使っていたところが、すべてこれに置き換わってしまった。

それくらい、アクティブインシュレーションは雪山登山と相性がいい。フリースより軽くて動きやすく、保温性と蒸れにくさは同等で、防風性はフリースよりはるかに上なのだから。雪山で遭遇するほとんどのシーンに対応できるので、これだけで行動していることが多く、シェルの出番も減った。

ミドルレイヤーはアクティブインシュレーション

数年前まではフリースを着ていたのだけど、パタゴニアのナノエア・ライトが出てからは、冬のミドルレイヤーはこれ一択。行く山を問わず着ているし、入山から下山まで着っぱなしで、脱ぐことはほとんどなし。

冬の3,000m級ならゴツめのシェルを選択

モンベルのハードめのシェル「ストリームパーカ」。冬の赤岳に登るならこれをチョイス。かなり硬めな着心地で動きやすくはないのだけど、耐風性がすごくて安心感が高い。厳冬期専用ジャケットという感じ。

パンツは動きやすさ重視でソフトシェルを愛用

パタゴニアのナイフリッジ・パンツ。いわゆるソフトシェルです。ハードシェルのガサガサした履き心地が好きではなくて、これを愛用。ハードシェルよりは落ちるけれど、耐風性や防水性もとくに不満はなし。

ベースレイヤーは ウールを愛用

パタゴニアのキャプリーン・エア。メリノウール混紡素材で、ものすごくやわらかくて乾きも早い。保温性もすごくて、2,000m以下の雪山では暑すぎるほど。

ナノエア・ライトとの相性もばっちりで、ハードな雪山登山では絶対の安心感。首筋がスースーするときは、PEAKS付録のバフを合わせる。これも優れものでヘビーユース。

山小屋内で着る防寒着はダウン

マウンテンイクイップメントのパウダーデュベ90という、300g弱のモデル。ふんわりとした着心地で、軽さのわりにとても暖かく、昔から愛用。行動中に着ることはない。

メイングローブはオールレザー製

行動中にメインで使うのは、モンベルのウイ ンターレザーグローブという、オールレザー +防水加工+ウールライナーのもの。フリク ションがよくて、鎖やアックスが持ちやすい。

下半身もウール+インシュレーションパンツ

以前は、冬期登山ではもっぱらタイツ+シェルだけだったけど、パタゴニアのナノエア・ライト・パンツがすばらしく、最近はすっかりこれも併用中。

中綿入りのパンツなのだが、足の動きを妨げず、暑すぎることもない絶妙な厚さ。アイベックスのバランスボクサーショーツのすばらしさも特筆したい。しかしどちらも超残念ながら廃番。

手袋は場面に応じて複数用意

右は、アプローチなどで使う薄手のフリースグローブ。左は、寒さや濡れが厳しいときに使う防水素材のオーバーグローブ。

サブで持つアクセサリー類

八ヶ岳は積雪が少ないので、雪の侵入防止というより、クランポンの引っかけ防止が目的。長らく使っていなかったけど最近復活。

 

風雪が強いときに使うバラクラバ。パタゴニアの薄手メリノウール製。バラクラバは臭くなりやすいので、ウール製が個人的におすすめ。

予備のグローブとソックスも雪山では重要。とくにグローブは、行動中になくすと窮地に陥るので、予備は必ず持つようにしている。

道具編

技量や人数によって、必要なものや量が大きく変わるので紹介はしていない。赤岳であれば、30mくらいのロープと軽量ハーネスに加え、スリングとカラビナひとり数個ずつを持つのが標準的だと思う。

ビーコンなどの雪崩レスキュー用具も迷うところだが、今回のルートであれば私は省略する。

雪山登山に欠かせない専用ギアたち

クランポンはグリベル・エアーテック。軽くて、歯が短めで岩場が歩きやすいのがチョイスの理由だけど、北アルプスなど積雪が多い山に行くなら別のものを選ぶかな。

アックスは、約20年もののDMMフライ。もともとクライミング用で、赤岳にはやや仰々しすぎるけど、手放せない相棒。ポールはなくてもいいけど、持つなら超軽量のこれ。ヘリノックスFL120。

35ℓ容量のバックパック

愛用のパタゴニア・アセンジョニストパック。これは初代モデル。フロントの赤いベルトは、クランポンを取り付けられるように自分で追加したものであります。

雪山登山の超定番ブーツ

もう私の足と一体化しているくらい気に入っているスポルティバ・ネパールEVO。サイズを攻めすぎたのか、やや冷たいけど、フィットが抜群で、足さばきが軽くなるのだ。

よく使う小物はサコッシュに

小物入れとして必ず持っていくPEAKS付録のサコッシュと財布。これかなり具合がよいのです。スマホは近ごろ地図確認にも多用。行動中はサコッシュをバックパックの中に入れている。

近ごろはヘルメットもよく使います

以前は、クライミング以外では雪山登山といえどヘルメットはかぶらなかったのだけど、これ(ペツル・シロッコ)を入手してからはよく使う。なにしろ帽子のような軽さ!

カメラと地図はショルダーポーチに

バックパックのショルダーベルトに取り付けられるポーチにカメラと地図を収納。ここなら、取り出しがとにかくノーストレス。カメラはリコーGRといういいやつ。印刷用途にも使えるよ。

バックパックの中に入っている小物たち

どんな山行でも必ず持っていく

ファーストエイド&エマージェンシーキットは厳選してコンパクトに。内容物は、ロキソニン、三角巾、滅菌ガーゼ、予備ヘッドランプ&靴紐、ダクトテープなど。

雪山に行くならツエルトは必携

緊急ビバークや遭難のとき、これがあるとないとでは生死を左右するくらい重要。私が使っているのは、ファイントラック・ツエルトⅡ。300gほどでコンパクト。

行方不明になりやすい小物はポーチに

宿泊地で使う身の回りの品などはポーチにひとまとめ。入れているのは、メガネ、歯ブラシ、ウエットティッシュ、予備電池、ライター、日焼け止め。コンパスとヘッドランプは、通常、サコッシュに入れている。夏山では時計の電子コンパスでささっと確認してしまうことが多いが、雪山では精度の高い方向確認が必要になることがあるので、プレートタイプがやっぱり便利。

忘れるとめっちゃ困る重要装備

トレペの携行法にはいろんな流派があるが、芯抜きトイレットペーパーをジップロックに入れるのが自分流。

これも忘れるとめっちゃ困る重要装備

目の強さは個人差があるようで、晴れた雪山でもサングラスなしで歩いている人がいるが、目の弱い自分は、これを忘れたら登山を中止するくらい重要な装備。試着を繰り返して選んだ。

山小屋泊でもテントシューズ

山小屋室内は暖房が効いていて暖かいけれど、板張りの床などでは足が冷たくなることが多いので、テントシューズを持参。快適性が断然アップするのでおすすめです。

水筒は保温ボトルひとつ

先代モデルから使用しているサーモスの山専ボトル。圧倒的な保温力ももちろんありがたいけど、この容量(900㎖)が絶妙で、1日の行動にちょうどよい。山小屋泊ならこれひとつでOK。

ライター 森山憲一プロフィール

登山ライター。雪山登山歴は30年。冬によく行く山域は、八ヶ岳と谷川岳。アイスやアルパインクライミングもよくやっていたが、ここ数シーズンはご無沙汰ぎみ。シャモニに行きたい。

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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