「立山室堂山荘」北アルプスの山小屋完全ガイド
PEAKS 編集部
- 2018年03月23日
INDEX
登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!
日本で一番古い山小屋
立山室堂ターミナルより歩いて約10分。周辺の山小屋とは少し離れ、立山の主峰雄山のふもとに位置するのが、立山室堂山荘だ。現存する日本最古の山小屋として有名であり、立山信仰の発展をずっと見守ってきた小屋でもある。
立山開山伝説で有名な「玉殿の岩屋」や雄山山頂にある「雄山神社」も近いことから、まさにここが立山信仰の中心地であったことが実感できる。
周辺の山小屋と大きく違うのは、小屋の水源だ。立山室堂山荘では、4〜8月までは地獄谷から、9〜11月までは浄土沢から水を引いている。そのため近隣の山小屋同様、風呂はあるが温泉ではなく、この豊富な水を沸かしたものとなっている。
立山の水は「立山玉殿の湧水」とも呼ばれ、名水百選に選ばれるほど、その水質は評価されている。その水を使って作られる小屋の食事は、とてもおいしいと評判が高い。
メニューは日替わりで変わることがほとんどで、その日の宿泊人数によっても変わってくる。富山県産のおいしいお米は立山の水で炊いており、女将さんが考案する手作りのおかずにもピッタリだ。
立山室堂山荘のおすすめベスト2
「立山室堂」は、立山室堂山荘の隣にあり、現存する日本最古の山小屋だ。現在は国の重要文化財に指定されているものの、20年ほど前までは「室堂山荘」として実際に使われていたという。館内は1992〜1994年に解体調査されたあと、当時の姿に復元された。現在、小屋内は展示室として一般開放されているため、宿泊客以外でも、入口にある協力金箱に寄付をすれば、入館できる。立山信仰の歴史に触れる貴重な機会なので、近隣まで来た際には帰りのバスの時間と相談し、ぜひ訪れてみてほしい。
本館には、男性用大浴場(1階)、女性用大浴場(2階)が完備されている。立山室堂山荘の風呂は、温泉ではないものの、室堂近辺にある水源を利用して沸かしたもので、なんともゼイタクな気分にひたることができる。洗い場も広く、夜になると大きな窓辺から満点の星空が望めることもあるとか。立山信仰の本拠地、山の恵みの水で、疲れた体もキレイさっぱり洗い流して下山したい。
立山信仰の歴史に触れる
現存する日本最古の山小屋で、「室」とは宿泊所という意味があり、「堂」は宗教施設を示すもので「室堂」はその両方の役割を合わせ持ったもの。1995年に国の重要文化財に指定された。
小屋の隣には展示室があり、入口で協力金を支払えばだれでも観覧することができる。立山における信仰や民族の歴史を知るいい機会。
立山が一望できる展望風呂
室堂山荘のお風呂は温泉ではなく、室堂近辺からの豊富な水源をもとに沸かしたもの。洗い場にはシャンプー、ボディソープ、ドライヤーが常設されている。700円で日帰り入浴も可能だ。
館内施設
ターミナルから約10分
室堂近辺には山小屋が多いが、山荘は少し離れた雄山のふもと。小屋までは遊歩道をたどっていこう。
別荘のような食堂
食堂にはワイドテレビがあり、まるでレストランのよう。15時までは昼食のオーダーも可能だ。
吹き抜けの先には……
1階にある食堂は2階まで吹き抜け。そして2階の吹き抜けの先には、談話室がある。
ということで談話室
談話室の壁には写真が展示され、ソファと本棚があり、なんともゼイタクな雰囲気だ。
乾燥室あり
春と秋のスキー客を意識し、スノーブーツなどが置けるスペースが。登山客には充分な広さだ。
食事
朝食
スクランブルエッグとハム、サラダ、焼き魚、ホウレンソウのゴマ和え、漬物、小鉢。デザートに大きなオレンジ付き。
夕食
この日のメニューは鳥の唐揚げ、春巻き、サラダ、田楽味噌大根、枝豆……とおかずの種類がたっぷりで、ボリューム満点。
お土産・売店
受付横には売店が。通常のお菓子などはもちろん、カッパやザックカバーなど登山道具も扱っている。レジ横にはアイスクリームも販売しているので、お風呂あがりにおひとついかが?
部屋
山荘内は縦に長く、A、B、C棟の順に並んでいる。B・C棟には、それぞれ10畳・7畳の個室がある。
部屋は清潔で過ごしやすく、雄山が一望できる場所も(写真はB-101号室)。
予約時に希望すれば浴衣などのレンタルも可能だ。
洗面所・トイレ
水道の水は飲用することができる。トイレは男女別で水洗式。トイレの窓から見える景色もバツグンで、ここがトイレなのがもったいなくなるほどだ。
「立山室堂山荘(たてやまむろどうさんそう)」の基本情報
設備
テント場:なし
水場:あり
個室:あり
自炊室:あり
乾燥室:あり
お風呂:あり
生ビール:あり
営業期間
4月中旬~11月下旬
電話・電波
ドコモ:良好
au:良好
ソフトバンク:良好
公衆電話:あり
収容人数
200人
標高
2,450m
宿泊料金
1泊2食:9,720円
素泊まり:6,480円
お弁当:1,080円
連絡先
076-463-1228
www.murodou.co.jp
※2018年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
- テキスト/渡辺幸雄 森山憲一 写真/宮田幸司 仁田慎吾 野口祐一 後藤武久 宮上晃一 渡辺幸雄 杉村 航 新井和也 井上大助 森山憲一 高橋庄太郎 岡野朋之 亀田正人 梶山 正 三宅 岳 内田 修 矢島慎一 加戸昭太郎 星野秀樹 西田省三 太田孝則 中村成勝 泥谷範幸 大森千歳 宇津木昌樹 山小屋提供
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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