「五竜山荘」北アルプスの山小屋完全ガイド
PEAKS 編集部
- 2018年03月06日
INDEX
登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!
後立山連峰中間地点のベース
日本百名山の五竜岳と白岳の間にあり、五竜岳登頂の拠点となる五竜山荘。
山頂へは約1時間で、頂上からは後立山最難峰である鹿島槍ヶ岳が姿を現す。山荘へは遠見尾根、八方尾根からいずれもゴンドラを利用して、約6時間の行程だ。そのためまずは五竜山荘で1泊し、鹿島槍ヶ岳方面への縦走の基点とする場合が多く、シーズン中は多くの宿泊客でにぎわっている。
しかし、その営業は難しい。稜線上の小屋のため、とくに水の確保がいちばんの課題となっている。近くに水場はなく、天水や雪渓の水を頼りにしている。
そのため、小屋では入口横にある外の水場のみ飲用可能となっていて、1リットル100円で販売されている。その不便さを補うためか、売店のドリンク類は充実している。縦走中で水を切らしてしまった登山者にとってもこの小屋は救いだ。
ここから五竜岳へ無事登頂したならば、受付横にある「日本百名山五竜岳 登頂認定証」をゲットしていこう。小屋のスタッフが考案したそうで、五竜山荘の捺印付きだ。宿泊記念にぜひ1枚手に入れたい。
五竜山荘のおすすめベスト3
五竜岳は、男らしいごつごつとした山容が特徴の日本百名山のうちのひとつだ。北アルプスのなかでも比較的歩きやすい後立山連峰だが、ここから鹿島槍に向かって縦走する場合は一気にレベルアップ、本格登山の縦走となってくる。とくに五竜岳〜鹿島槍ヶ岳間には、日本三大キレットである「八峰キレット」という難所が待ち受けている。自分の力量を充分に理解したうえで挑戦しよう。コースを進むにつれて、だんだんと剱・立山連峰の景色が目の前にせまってくる。遠くに北アルプスの名峰を見ながら歩くことができるのが、まさに後立山縦走の醍醐味ともいえよう。
五竜山荘はお土産が特徴的だ。とくに「山が好き酒が好き」Tシャツは、周辺の山小屋スタッフにも人気のお土産だとか。このTシャツ目当てに五竜山荘へ登ってくる人もいるというからその人気ぶりがうかがえる。バックプリントの「山が好き酒が好き」というフレーズに山ヤは心を揺さぶられるのかも知れない。
No.1 五竜岳への眺望
五竜岳登頂の拠点となる山荘から、五竜岳頂上へは約1時間。山頂からは白馬岳はもちろん、後立山一の難峰鹿島槍ヶ岳も見渡せる。ここから鹿島槍ヶ岳へ向かう場合は、余裕を持った日程を組むことが必要だ。
No.2 山ヤの心をくすぐるウワサのお土産
五竜山荘限定Tシャツは山小屋関係者にも人気。「山が好き 酒が好き」のプリントがいい味を出していて、山ヤゴコロをくすぐるのです。
No.3 水場はないけれど……
稜線上の小屋のため、水は貴重な資源。トイレの手洗い場では水が出ないかわりに、おしぼりを設置。登山者にストレスを感じさせないありがたい工夫だ。
館内施設
調理場が見通せる食堂
スタッフが調理している姿を見ながら、できたての料理を食べることができる食堂。書棚もあり、ゆったり過ごすことができる。
女性にうれしい更衣室
かいこ部屋に宿泊する女性に配慮し、女子トイレには簡易更衣室が併設されている。
自炊もOK
ゆったり広々とした自炊室。水が出ない場合、食堂入口の水差しを使うことができる。
乾燥室あります
部屋の中央にストーブが設置された乾燥室。濡れたものはここで乾かすことができる。
味のある受付
受付は、手作り感たっぷりで味がある。お土産のほか山荘の見取り図、五竜岳大展望図などが飾られている。
食事
朝食
焼き鮭、きのこの和え物、漬物、梅干、のり、ご飯、味噌汁のスタンダードな朝食。ふんわり焼いた卵焼きには具がたくさん入っている。
夕食
夕食は食欲をそそるボリュームたっぷりの名物カレーライス。福神漬けとラッキョウはご自由に!デザートにフルーツつき。
お土産・売店
水場がないため、飲み物やお酒の種類は豊富。名物五竜Tシャツのほか、木彫りの登山靴キーホルダーやオリジナル後立山五竜手ぬぐいなど、五竜限定のお土産が充実している。
部屋
1階は大人数でも収容可能なかいこ部屋、2階は畳部屋になっている。人気のある小屋なので、かいこ部屋の壁には「混雑時の寝方」を指示する紙が貼られているので参考にしよう。
洗面所・トイレ
五竜山荘の水は天水。飲用水は食堂か、小屋外に設置されている水道を利用する(1L 100円)。
トイレは男女別でぼっとん式のバイオトイレを採用。
テント場
テント場は小屋横にあり、稜線の風をよけられ安全な場所がわかるよう、ある程度整地されている。
DATA
設営数:30張
利用料:1,000円/人
水場:小屋
トイレ:なし
地面:砂利
小屋からの時間:すぐ
「五竜山荘(ごりゅうさんそう)」の基本情報
設備
テント場:あり
水場:あり
個室:なし
自炊室:あり
乾燥室:あり
お風呂:なし
生ビール:なし
営業期間
6月中旬〜10月中旬
電話・電波
ドコモ:通話困難な場合が多い
au:通話不可
ソフトバンク:通話不可
公衆電話:なし
収容人数
300人
標高
2,490m
宿泊料金
1泊2食:9,800円
素泊まり:6,800円
お弁当:1,100円
連絡先
0261-72-2002
www.hakuba-sanso.co.jp
※2018年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。
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- CREDIT :
- テキスト/渡辺幸雄 森山憲一 写真/宮田幸司 仁田慎吾 野口祐一 後藤武久 宮上晃一 渡辺幸雄 杉村 航 新井和也 井上大助 森山憲一 高橋庄太郎 岡野朋之 亀田正人 梶山 正 三宅 岳 内田 修 矢島慎一 加戸昭太郎 星野秀樹 西田省三 太田孝則 中村成勝 泥谷範幸 大森千歳 宇津木昌樹 山小屋提供
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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