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「雲ノ平山荘」北アルプスの山小屋完全ガイド

登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし!

北アルプスの奥深くに鎮座する

たどり着くまでが困難なことと、溶岩で形作られた台地に高山植物が自生する環境の特異な点から、日本最後の秘境と呼ばれる雲ノ平。この広々とした台地に突然現れる、他のどこにも似ていない個性的な山小屋が雲ノ平山荘だ。一度は訪れてみたい憧れとして、ここの名を上げる登山者も多い。

2010年に、築50年を超えた小屋を基礎から組み直して大幅なリニューアルが行なわれたため、設備はきれいで快適だ。

個性的な建築様式は先代のものを引き継ぎつつ、木の温もりと香りに包まれた山小屋に生まれ変わった。小屋の随所に小屋主の伊藤二朗さんのこだわりが見える。「山登りだけでなく、泊まること自体を楽しんでもらえるような山小屋にしたい」との、伊藤さんの言葉どおり、食事をはじめ、スタッフのホスピタリティもすばらしい。つい長居したくなってしまう雰囲気がここにはある。

小屋の周りには、ハイマツと高山植物で構成されたまるで庭園のような不思議な風景が広がっている。その独特な風景を楽しみつつ、小屋に腰を据えて山での時間を味わいたい。

こうして、建てられました

2010年に行なわれた改築作業の一部をお見せしよう。

まず、資材をヘリで運び、深い雪を掘り進むところから作業はスタートする。

湿度で小屋が傷むのを防ぐために、しっかりとした基礎を作り、木材をパズルのように組み上げていく。雲ノ平山荘に使われているのは、水に強く、腐りにくいヒバやクリ、カラマツ。組み上げる際に金具をほぼ使っていないことも、この小屋ならではのこだわりだ。

理想の小屋にするために、これ以降も毎年のように手が入れられている。大変な時間と労力のうえに山小屋は作られているのだ。

資材や大工など、必要な物と人はすべてヘリで運搬。作業は雪深い時期からスタートし、いまも細かい手直しが続けられている。

館内施設

秘境・雲ノ平

北アルプスの最深部に位置し、どの登山口からも当日中にたどり着くことが困難なため、日本最後の秘境と呼ばれる雲ノ平に建つ。

談話スペース

鼻をくすぐる木の香りが心地いい談話スペース。ランプシェードは国産のヴィンテージもの。

居心地抜群の食堂

明るい光がさしこみ、眺望も抜群の食堂。バーコーナーでは輸入物ワインなども販売。食事時間以外は談話スペースとして利用可。

こだわりの手作りスピーカー

レコードラックも手作り。どちらも驚きのクオリティだ。小屋主の伊藤二朗さんが選ぶさまざまなジャンルの音が静かに響く。

食事

なるべく冷凍食品を使わないよう考案された、肉や魚、野菜たっぷりの石狩鍋が夕食のメイン。夏場でも夜はかなり冷え込む北アルプスにぴったりのメニューで、宿泊者同士の会話も弾む。ラーメン、カレー、やきそばなど、シンプルだけれどもこだわりを感じる昼食も美味。

お土産・売店

お土産はTシャツ、手ぬぐい、ピンバッジなどオーソドックスな品揃え。デザインはやはりシンプルだがこだわりを感じる仕上がり。

洗面所・トイレ

バイオトイレを採用し、雨水を利用した簡易水洗タイプなので、清潔なのがうれしい。土地柄、水はとても貴重なため、飲むための水は天水を浄化して販売している。

部屋

寝室は2階と3階。ログハウスのような室内は、日中は外の光が入って居心地がよい。窓の近くであれば、寝ながらにして星空を眺められる。

3階部分は天井が低いが、宿泊客が多いときはここも利用。

テント場

テント場はトイレと水場あり。小屋から離れているので、事前のチェックインをお忘れなく。

DATA
設営数:100張
利用料金:1,000円/人
水場:あり
小屋からの時間:徒歩20分

 

「雲ノ平山荘(くものだいらさんそう)」の基本情報

設備

テン場:あり
水場:あり
個室:なし
自炊室:あり
乾燥室:あり
お風呂:なし
生ビール:なし

営業期間

7月上旬〜10月上旬

電話・電波

ドコモ:通話不可
au:通話不可
ソフトバンク:通話不可
公衆電話:なし

収容人数

70人

標高

2,600m

宿泊料金

1泊2食:¥10,000
素泊まり:¥6,000
お弁当:¥1,100

連絡先

070-3937-3980
http://kumonodaira.net/kumonodaira/

※2018年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。

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PROFILE

PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

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