「奈良田温泉白根館」日本山小屋完全ガイド

登山者にとって快適な山歩きを楽しむための心強い味方、山小屋。館内施設や食事、成り立ちや売店メニューなど、山小屋の膨大な情報を集約しているので、山行計画に役立つこと間違いなし！

農鳥岳への玄関口

南アルプスの麓、清流と小さな湖があるだけといってもいい奈良田温泉にある。1300年ほども前、この地を訪れた孝謙天皇が願掛けをしたところ湧いたと伝えられている温泉は、通称七不思議の湯。この地の言葉は、山梨県の県都である甲府を中心に使われている甲州弁とはかなり趣を異にしていて、独特な文化を守り続けてきた隠れ里の雰囲気が色濃い。アクセスにも時間がかかり、身延線身延駅から地元の早川町が運営する早川町乗合バスで約1時間30分。身延線が走る富士川の谷とは、山ひとつ隔てられていて、東西の交通路は限られてしまうからだ。

ひなびた山里の温泉宿とは思えないような瀟洒な造り。前庭の花々が、温泉の由緒正しさを誇っているかのようだ。とりえは、静寂と温泉だけと、万事に控えめなご主人はいう。それだけに総ひのき風呂の内湯に加えて、石造りと木造りの、それぞれ趣向を凝らした露天風呂と、温泉を心ゆくまで楽しめる仕掛け。湯上りには、心なしか肌がつるつるし、食も進む。その食事には、鹿や猪、場合によっては熊といった野趣満々な獣肉が供され、山の宿らしさを存分に味わえる。

この地の恵みを受けて、存分に腕が振るわれた献立が並ぶ夕食の山人料理。川魚や獣肉をはじめ、山菜やキノコなどの旬の食材も勢ぞろい。手作りこんにゃくも自慢の逸品だ。

宿の玄関。自宅に帰ってきたかのような、温かい雰囲気。

石造り露天風呂。

丸太露天風呂。宿自慢の湯を、ふたつの露天で堪能しよう。

「奈良田温泉白根館（ならたおんせんしらねかん）」の基本情報

設備

テント場：あり
水場：なし
個室：あり
自炊室：なし
乾燥室：なし
お風呂：あり
生ビール：なし

営業期間

通年

電話・電波

ドコモ：良好
au：良好
ソフトバンク：良好
公衆電話：あり

収容人数

35人

標高

825m

宿泊料金

1泊2食：11,500円～
お弁当：600円

連絡先

0556-48-2711
http://www.nukuyu.com/shiranekan/

アクセス

奈良田バス停下車、農鳥岳から7時間

※2015年3月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。