高橋庄太郎が検証!フューチャーライトとゴアテックスモデルの使用感の違いとは?
PEAKS 編集部
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防水透湿性とともに通気性をもつフューチャーライト。高度な防水透湿性に加えて、耐久性も高いゴアテックス。両者それぞれの個性を頭のなかでは理解できても、実際にはどれほど違うのか? 低山の木々がやっと芽吹き始めた3月から「FLスーパーヘイズジャケット」と「クライムライトジャケット」とのふたつのウエアを何度か屋外で試してみた。
だが気温はまだ低く、ただ着て歩いているだけではそれほど汗をかかない。そこで重めの荷物を背負い、スピード感をもって山中を進んでみる。今回の撮影時は小雨混じりの天気だったが、おかげで気持ちよい汗をかくことができた。
蒸れに強いフューチャーライト
顔に汗が流れるほど歩いたときに調子がよいのは、フューチャーライトを使ったFLスーパーヘイズジャケットだ。汗によってウエア内部はいったんは蒸れるが、その蒸れは非常に迅速に薄れていく。さすが通気性をもつ素材である。風が強い場所ではひんやりとした感覚すらあり、蒸し暑さが極まる夏場には大きな効果を発揮しそうだ。脇腹のポケットがベンチレーターとしても機能し、ますます蒸れが少ない。
FLスーパーヘイズジャケットは、外界とウエア内部を“ほどよく”仕切っているという印象だ。暖かい時期にアクティブに行動したいときは言うまでもなく、肌寒い季節や天気のいいときにウインドシェル代わりに使うのもおすすめできる。
悪天候でも安心なゴアテックス
一方、クライムライトジャケットもウエア内部の湿気をすみやかに排出してくれた。やはりゴアテックスの透湿性は間違いがない。しかし、その“すみやかさ”は通気性をもっているFLスーパーヘイズジャケットのほうが少し上のように感じるのは否めない。
だが、悪天時はクライムライトジャケットの安心感には得難いものがあった。生地に張りがあることもあり、雨の圧力を受けてもウエアが肌に張り付かず、隙間を生みやすい。そのために通気性がなくてもウエア内部には一定の空気が漂い、蒸れが強くなることはないのだ。そして壁のように雨を確実に遮る効果は高く、水分をまったく浸透させないのがありがたい。
クライムライトジャケットは、外界とウエア内部を“完全”に仕切る力をもっている。通気性がないということは、寒い時期などに内部へインサレーションを着込んだときに体温を守る効果が高いということでもあり、防寒力を高める働きももっているわけだ。これからの暖かさが増していく時期に忘れがちだが、寒い季節の活躍も期待していい。
予想どおり、フューチャーライトのウエアは温かい季節に向き、蒸し暑さの軽減効果は高い。低山をスピーディに行動したいときなどには出動回数が多くなりそうだ。だが、悪天候に遭遇しそうな高山ではゴアテックスのウエアが安心。自分が好きな山や歩き方を考えれば、自然と選ぶべきものは見えてきそうだ。
フューチャーライト採用モデル
これからますます暑くなってくると、フューチャーライトのよさが発揮される。
FLスーパーヘイズジャケット
フューチャーライトを使用した製品のなかでも今期を代表するモデル。20Dという非常に薄い生地はストレッチ素材で、体の動きを妨げず、体の動きに追従する。表地、裏地ともにリサイクル素材が使われている
- 価格:¥39,000
- サイズ:S 〜 XL
- カラー:TNFレモン×ブラック、他3色
- 重量:365g(L)
FLスーパーヘイズアノラック
フューチャーライトのしなやかさをもっとも体感できる!
FLスーパーヘイズジャケットのプルオーバータイプ。サイドには長いファスナーが付けられていて、脱ぎ着がしやすい。腹部には大きなカンガルーポケットがデザインされ、フロントファスナーが短いぶん着心地もしなやかだ
- 価格:¥38,000
- サイズ:S 〜 XL
- カラー:クリアレイクブルー×ブラック、他2色
- 重量:315g(L)
FLドリズルジャケット
通気性と強度が融合する汎用性高いモデル
フューチャーライトを使ったジャケットのなかでは厚みのある生地になっているため傷みにくく、ハードな状況でも安心して使える。フロントはファスナーの上を左右からフラップで覆う構造になっており、防水性を高めている
- 価格:¥27,000
- サイズ:S 〜 XL
- カラー:ニュートープ、他5色
- 重量:415g(L)
ゴアテックス採用モデル
山では不安定な天気は当たり前。ゴアテックスの安心感は間違いない。
クライムライトジャケット
ゴアテックスを使用した同社の定番的レインウエア。素材は20Dと薄手だが、裏地にマイクログリッドバッカーを採用するなど、耐久性は充分に考えられている。生地は硬めでも行動中に腕上げがしやすい設計だ
- 価格:¥30,000
- サイズ:S 〜 XL
- カラー:ケルプタン、他5色
- 重量:270g(L)
オールマウンテンジャケット
ラインナップ中もっとも高い頑丈さで残雪期にも対応
雨だけではなく、まだ肌寒い残雪期の登山も想定に入れたハードシェル的な一着。厚みがあって丈夫な70Dの生地を使っているが、裏地を凹凸が少ないCニットにすることで予想以上に柔らかな着心地を得ている
- 価格:¥46,000
- サイズ:S 〜 XL
- カラー:TNFレモン、他3色
- 重量:490g(L)
クラウドジャケット
幅広い用途にピッタリで軽さも備えるモデル
ゴアテックスのなかでも携行性と軽量性に優れ、裏地を張っていないパックライトといわれる素材を使用。胸元にはショルダーハーネスと干渉しないポケットがつけられ、バックパックを背負ったときでも使いやすい
- 価格:¥27,000
- サイズ:S 〜 XL
- カラー:バンブーイエロー、他4色
- 重量:320g(L)
問:ゴールドウインカスタマーサービスセンター フリーダイヤル:0120-307-560 www.goldwin.co.jp/tnf
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文:高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真:加戸昭太郎、廣瀬友春 Photo by Shotaro Kato, Tomoharu Hirose
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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