さかいやスポーツの仕入れ業務を密着取材!
PEAKS 編集部
- 2020年07月24日
ショップ店頭に並ぶ商品の仕入れは、通常数カ月~1年前にオーダーされることがほとんどだ。そのための見本市「展示会」に入れるのは、関係者のみ。今回、その貴重な現場取材を行なった!
店舗運営を左右する商品のオーダーはどのように行なわれているのか?
ここがお店づくりのキモのひとつ!
ショップの仕入れ時期は基本的に年2回。それぞれ春夏物と秋冬物の発注がそれにあたる。詳細な時期はいえないが、店頭に並ぶ数カ月~1年前だ。つまり2020年後半に販売されるものは、2019年のはじめにはオーダーをしている。
しかも、基本的に追加オーダーはナシ。つまり、店の売上を左右するジャッジをほぼ一発勝負で下さねばならない。
その仕入れ現場の最前線となるのが「展示会」だ。最終サンプルが一同に集まり、売り場に並べる商品をイメージできるため、全国の目利きたちが訪れる。
会場内は関係者以外立ち入り禁止だが、今回はさかいやスポーツの高橋さんとゴールドウイン販売営業の後藤悠平さんに無理を承知で懇願。なんとか許可をもらって取材を敢行することができたので、さかいやスポーツを例に仕入れの模様をお伝えしたい。
当たり前のことだが、販売店の利益は商品売上の金額からなる。
しかし、しっかりと売れる自信があるものを集めないと販売もむずかしい。山で遊ぶ人がなにを求めているか感じ取ることが専門店の仕入れには重要だ。そのうえで売れる要素を嗅ぎとり、顧客に喜ばれる商品を見極めている。
もし店頭で「おや?」という商品を見つけたらスタッフになぜ仕入れたか尋ねてみてほしい。そこにはきっとおもしろいコメントが隠れているはずだ。
展示会では最終サンプルにて商品を確認する。細かな仕様が変わる段階のためアイテムを掲載するのはNG。撮影も禁止だ(写真左奥に注意書きアリ)。スタッフと見て回れればサンプルの変更点を補足してくれる。その内容を資料(今回はiPad)に書き込み、発注を検討する。
ゴールドウインの場合はブランド・アイテム数ともに膨大なため、1日で全部を見ることは難しい。そういう会社の展示会や、とくに注目のプロダクトがある場合は、事前に何度か「内見会」が行なわれることもある。写真はテントが並んだ区画。これでようやく全体の半分ほど。
ひととおりサンプルを見終わったらいよいよ商談。バイヤー・メーカー営業双方の希望をすり合わせていく。しかし、まだ最終発注ではない。サンプルを見てメーカーサイドに内容を確認し、いったん持ち帰る。
会場によっては飲み物や軽食も用意されている(これがウマい!)。
店に戻ってスタッフと相談。通常はバイヤーのみが展示会へ行くケースが多いが、さかいやスポーツの場合は、時間が取れるスタッフも足を運んでいる。今年の売れ行きや別の人間の視点を取り入れることで、気付かなかった点や迷っていたものなどをクリアにしていくのだ。
最終発注!
「これは!」と思ったものをお客さんが喜んで買ってくれる瞬間を想像して最終発注。追加オーダーは基本的にない。ここでシーズンの売上を出すための仕入れがおおよそ確定する。その金額は想像にお任せするが、店頭在庫のラインナップを参考に計算してみるとおもしろい。
Profile
さかいやスポーツ営業課長/高橋典孝
東京・神田神保町でカテゴリーごとに6店舗を展開する「さかいやスポーツ」のショップマネージャー。最近ではトレランにファストパッキング、テンカラに熱中している。
- Shop Dataさかいやスポーツウェア館
〒101-0051 東京都千代田区神保町2-48
TEL.03-3626-0432
営業時間:11:00~20:00
定休日:1月1日
※2020年2月現在の情報です。営業時間や定休日などは変更となる場合がございますので、お出かけ前にご確認ください。
取り扱い商品比率
トレッキング/40% キャンプ/10% クライミング/10% ランニング/25% スキー&スノーボード カヌー&カヤック&パックラフト フィッシング その他/15%
SHARE
PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。