ソロトレッカーのための9つの心得
PEAKS 編集部
- 2020年08月05日
INDEX
はじめての単独行ならばもちろん、つねに単独行だという人も初心に戻って再考を!! ほかに頼る人がいないソロトレッキングだからこそ、ここで紹介する事前準備を心得えたい。
ひとりだからこそ、いつもより入念に!
01.ルートの計画は、いつもより余裕を持った設定をする。
いままで経験したことがないことへの挑戦、見たことがない景色を求めることもいいのだが、単独行では無理な計画は立てないこと。いっしょに行く仲間がいなかった、休日が合う友人が少ないといった理由は理解できる。
だが、自身の経験や体力を考えながら余裕のあるルートと行動時間にするなど、行動中も慎重な行動を心掛けよう。もしもはじめての単独行ならば、以前歩いた場所をもう一度ひとりで歩いてみるのもいいかもしれない。
02.食糧と飲み水は、いつもよりも多めに持つ。
ふたり以上であれば、それぞれが食糧を余分に持っているものだ。とくにチョコレートや飴玉などの行動食は、休憩ごとに友人たちと分けあうことが多い。しかし、ソロでの行動では、当然ながら食べものを分け合う仲間はいない。
万が一事故や怪我をしてビバークを強いられたときの備えとしても、食糧や飲み水は必要量よりも多めに持つことも忘れずに。とくに飲料水は、蓋や穴が開いて漏れてしまうこともあるので容器の予備も備えたい。
03.準備段階で、とくに忘れ物に気をつける。
不用なものは持たず、必要なものはなにひとつとして忘れてはならない。それが登山の鉄則だ。テント泊であればテントポールやペグ、バーナーなどはいうに及ばず、グローブやサングラスなどの小物類も季節や山域によって必要不可欠な場合もでてくる。
単独行ならば、燃料やライターの残量、万が一暗くなってしまったときに備えるヘッドランプは十分にバッテリーが充電されているか、または予備電池を忘れていないか入念に確認してから登山を始めたい。
04.ファーストエイドやリペアキットも入念に。
ソロやパーティでの登山にかかわらず、思わぬ怪我や事故は起こるもの。そのために、絆創膏やガーゼ、消毒液、痛み止めや胃薬といった薬品をまとめたファーストエイドキットを装備に加えるわけだ。
とくに話し相手がいない単独行では気が紛れることがないので、足の痛みなどちょっとした不調でも行動に支障が起こりがちだ。装備の不具合に対処するためのリペアキットも、いつもよりも入念に揃えておきたい。
05.ビバーク装備も忘れずに。
滑落して大怪我をしてしまった。足を骨折して行動ができなくなってしまった。携帯電話もつながらず、救助を呼ぶこともできない。そのような状況では、偶然通りかかったほかの登山者に発見してもらい、救助を要請してもらうほか安全に下山する道はない。
問題は、そうした登山者がいつ、どれだけの時間待ったら見つけてくれるかである。そのときまで、体を冷やさないようにかぶるためのツエルトやエマージェンシーシートなども必ず装備に加えたい。
06.天候の確認も、いつもよりも入念にする。
登山中は、だれもが晴天のなか歩きたいと願うものだ。しかし、すでに予定している計画をキャンセルするのも、なかなか難しい決断である。悪天候下では登山道はぬかるんで歩きにくくなり、雨水が川のように流れているところもある。
視界も悪く、体が冷えるなど体力的にも、精神的にも疲弊してしまうだろう。降雨時には足を滑らせたり、道を間違えたり、事故も起こりやすい。とくに単独行で悪天候が予想されるならば、天気が安定した日程で計画しなおすことも考えたい。
07.登山届の提出を確実に。バックパックパックや着ている服の色なども記入を。
登山届の重要性は、事故が起こってから認識する。だからこそ、単独でなくても毎回提出をして万が一に備えることが大切だ。近年は、登山口で用紙に記入するほか、スマートフォンアプリでも申請ができるので本当に便利になった。
さらにコピーを家族や友人に渡しておけば完璧。装備品などの項目には、レインウエアやバックパックの色も明記しておこう。救助を依頼しなくてはならないときに、これが捜索の重要な手がかりになるのだ。
08.万が一に備えて目立つ服装にする。
通常、ヘリコプターでの捜索は、上空40~50mほどから遭難者を探す。そのときは岩陰や木の陰に隠れないように、なるべく登山道などで待つこと。また、目立つ色のウエアは発見されやすく、ほかの登山者が覚えていてくれるなど重要な目撃情報にもなる。
黒色のウエアは影にしか見えず、上空からの捜索を難しくする。発色のいい赤や黄色、自然界にはない青色も見つけやすいなど、登山ではウエアの色味も機能であると考えたい。
09.携帯電話の充電と予備バッテリーを備える。
いまや携帯電話は、天気予報を確認したり、万が一の緊急時の連絡手段など、登山になくてはならない存在になっている。だからこそ、予備電源としてのバッテリーチャージャーも必須装備なのだ。
ちなみに、エリアにもよるのだが、山中ではやはりNTTドコモの電波がつながりやすい。同社のウェブサイトには「携帯電話がご利用いただける登山道」というページも用意されているので、事前に予定しているルートの電波状況を確認しておくのもいいだろう。
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文◉村石太郎 Text by Taro Muraishi
イラスト◉田中 斉 Illustlation by Hitoshi Tanaka
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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