フォトグラファーの技を拝見! 濡れからカメラを守るテクニック
PEAKS 編集部
- 2020年08月08日
登山につきものである雨からどうカメラ機材を守るかも、経験豊かなフォトグラファーの腕の見せどころ。小誌や、その他登山専門誌で活躍中のプロにそのノウハウをお聞きしました!
杉村 航さんの場合
夏はバリエーションルートや沢登り、冬は山岳スキーやクライミング……。通年山で活動し、専門誌やメーカーカタログで作品を発表。長野県在住。
防水性の高い機材とレインカバーを合わせる
「愛用はモンベルのカメラレインカバー。レンズ長120㎜くらいまでに対応する一眼レフ専用の防水カバーで、ドローコードでカメラを包み込む構造です。そのほか吸水タオルやシャワーキャップも併用しますが、もともと防水性の高いボディ、レンズを使っているのでそれほど水濡れの心配はしていません。
完全に雨天用なら、ニコンのAW1と1 NIKKOR AW 11-27.5㎜ F3.5-5.6の組み合わせ。ただ防水性が高いカメラはそのぶん湿気にも弱いので、3年に一度は買い替えや基板交換も必要。修理代を考えてカメラを選ぶことも大事だと思いますよ」
田渕睦深さんの場合
ライフスタイル誌を中心に、ポートレートや自然の風景などをおもに撮影。また定期的に山へ訪れ、登山専門誌で作品を掲載。神奈川県在住。
防水性能を重視し自転車用バッグを活用
「山で雨が降るなか移動するときは、モンベルのドライシートバッグ10 をよく使います。じつは自転車用なんですが、ロールトップ型の完全防水仕様。カメラ本体のほかレンズやタオルも入り、簡単な沢の撮影や泥の上でも気兼ねなく地面に置けるのも利点。
首や肩から下げるにははやや大きいので長い山行や厳しい道には向かないですが、防水性は抜群だし、撮らないときはバックパックに丸ごと収納可。雨のときは機材は出さないのが一番ですが、これに傘やポンチョを併用するなどしてシーンに対応させます」
小雨時は、手ぬぐいやタオル+シャワーキャップの上からポンチョなどを重ね着して対応している。
岡野朋之さんの場合
長期山岳縦走など山の撮影はもとより、スタジオでの商品撮影やポートレートなどまで、ジャンル問わず国内外で幅広く活動。東京都在住実戦主義写真塾。
素早いスタンバイと防水性は相反するもの
「これまで長年雨対策で試行錯誤してきましたが、現在は防水スタッフバッグを下から履かせてバックパックの胸ストラップで留めるというシンプルな方法をとっています。上から水が少しずつ入るのは否めませんが、ここぞのときに素早く撮れる状態にスタンバイすることと防水性とは相反すると割り切っています。
ひどく濡れてしまったら乾いた手ぬぐいで拭いて乾燥剤といっしょに密閉袋へ入れておきますが、それも気休め。いろんな苦肉の策を経て、いま画期的な防水システムを自作中。完成したらちょっとやそっとじゃ濡れないものになる予定です!」
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
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文◉福瀧智子 Text by Tomoko Fukutaki
イラスト◉塚野 浩 Illustration by Ko Tsukano
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。