驚きの軽さを体感できる!美しいパッキングと雨対策
PEAKS 編集部
- 2020年09月01日
道具にアレコレこだわってはいても、バックパックにどう収納するか、つまりパッキングにこだわらなければ、道具とパックがもつ機能をスポイルしてしまう。パッキングの基本を押さえ、雨対策を行ない、美しく収納すれば、驚きの軽さを体感できるだろう。
文◉PONCHO Text by PONCHO
イラスト◉田中 斉 Illustration by Hitoshi Tanaka
ソロトレッキングは“中身”にこそこだわれ!
どんなことにも道理があって、バックパックに山道具を収納するパッキングにも、「パッキング術」なるコツがある。そのゴールは、たとえば総重量15㎏の荷物をそれ以下に感じさせ、少しでも足取りが軽くなるように収納することだ。
その基本は、水や食料、クッカーといった重い物は、できるだけ体=背中側にパッキングし、寝袋やテント、着替え等の軽く、やわらかいものはパックの外側に収納する。すると、バックパックのコンプレッションベルトを引いたときに圧縮され、収納した荷物が内部で動かなくなる。
さらに、重い荷物を背中の中心から腰の上、つまり体の重心に近い位置に収めることで、歩行時にバックパックのブレが軽減され、無駄な疲労を抑制することで足取りが軽くなる。
もちろんコンプレッションベルトだけでなく、ウエストベルト、ショルダーストラップ、トップスタビラザー、チェストベルトを的確に引いて、バックパックと体を一体化させなければ、いくらパッキングを上手くやっても意味はない。
また、山行に雨はつきもの。森のなかであれば木々が雨足を弱め、レインカバーだけでもパック内の濡れを防げる。でも森林限界を越えた場所ではレインカバーだけでなく、パック内に収納したものを個別に防水スタッフサックに、またはまとめて防水ライナーに収納したい。水分という余分な重さを増やさないために!
① 雨の日のテントの撤収方法
まずは、テント以外のすべての荷物をパックに収納。風で飛ばされないように風上側のペグは残し、フライを装着したままポールを抜く。スリーブ式テントは基本どおり、引くのではなく押してポールの接続部が外れないように。
吊り下げ式の場合はフックを外すだけなので簡単。続いて風上側のペグを抜き、素早く本体・フライシートを重ねたまま巻き、収納袋より大きめの防水袋に収納。パック上部かフロントポケットに入れよう。
② 雨が強いときはカバー+内部も防水
パッキングに慣れた人はロールトップのパックを使い、内側をすべてカバーする防水ライナーに荷物を入れるのがいい。まだ慣れてない人は前面が開くパネルローディングのパックを使い、用途別にスタッフサック、防水サックに荷物を入れてスーツケースのように詰めるといい。
取り出す際に迷わず、同じ場所に収納すればパッキングが崩れずに済む。雨天時はカバーも併用。防水ライナーがないときは、サバイバルシ-トで代用も可。
③ 防水と美しいパッキングを両立するには
超軽量なバックパックと道具を背負って山を歩くウルトラライトハイカーは、背面のクッションも排されたパックを使っている。そこでクッション替わりにリジットのスリーピングマットを巻いて収納し、その円の中心部に荷物を入れ、すっきりしたパッキングを行なう。
この方法をUL系以外のパックでも使えば凸凹と荷物が出っ張らず、美しいパッキングが可能だ。しかも荷物を防水ライナーに入れてパッキングすれば水濡れ対策も完璧!
④ 多用途に使えるパッカブルトートバック
パッキングは山行中だけでなく、山への行き帰りにも工夫が必要だ。貴重品等を収納するのにサコッシュやチェストバッグを活用している人も多いだろうが、移動時はパッカブルのトートバッグもあると便利。
温泉に入る際に入浴道具や着替えを収納したり、公共交通機関での移動中にサンダルやリカバリーシューズに履き替えて登山靴を入れたりお土産を持ち帰ったりと、用途はいろいろ。最近では撥水素材の風呂敷もあり、これも便利だ!
⑤ ジップ付き袋を使って小分けに
パッキングで積極的に活用したいのがジッパー付きの保存袋。食料を山行の日程ごとに分けて収納すれば、山行中の食糧計画を立てやすいうえ、食後はゴミ袋にも。不要なパッケージを外しておけばゴミも減らせる。
アルファ米は数袋分をひとつの保存袋にまとめて、その日食べたい分だけをつくるのもあり。空気を抜けばコンパクトにもなる。またジッパー付き保存袋は完全防水ではないが、スマホや電池の水濡れ防止にも役立つだろう。
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文◉PONCHO Text by PONCHO
イラスト◉田中 斉 Illustration by Hitoshi Tanaka
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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