【火】〜半袖短パン天狗〜|ユーコンカワイの山岳妖怪図鑑
ユーコンカワイ
- 2020年08月11日
あなたは登山中に不思議な人に出会ったり、 説明のつかない怪奇現象に遭遇したことがないだろうか? それらはすべて“山岳妖怪”たちの仕業である。 ここでは彼らの生態、そして不意に 出くわしてしまった際の対処法を、 令和の陰陽師ことユーコンカワイが解説していく。
半袖短パン天狗
登山とは厳しい環境下で行なうもの。登山者は適切なウエアをレイヤリングし、万全の装備で山に挑む。そして森林限界を越えて風や寒さが厳しくなるころ、ストイックに眉間にしわを寄せながら「いよいよ過酷な戦いが始まるぞ!」と気合いを入れ直す。そんなとき、突然その登山者の前に「半袖短パン天狗」は姿を現す。
その風貌は「あれ? なに? コンビニ行って来たの? え、寒くないの?」と、思わずカトちゃんばりの二度見をかましてしまうほどの無防備さ。赤ら顔で鼻が高いその姿は一見するとただの陽気なアメリカ人に見えるが、じつは平安末期から生息が確認されている日本の妖怪。
その割にはハンバーガーとプロテインが好物。皮膚は人間の2倍の厚さを誇り、雪が降っていようと岩場だろうと短パンで平気だ。たまに長ズボンを穿くときもあるが基本ジーンズ。スニーカーだろうと平気で岩場を登っていく。たまに女の天狗もいるが、タンクトップにショートパンツという「もう着なくていいじゃん」ってくらいの防御力で稜線を闊歩している。
基本的に人に悪さはしてこないが、この妖怪を見ると「気合い入れて重装備で登ってる自分がアホらしくなってきた……」「そりゃこいつらにゃオリンピックで勝てねえよ……」と妙に自虐的な気分にさせられるので注意が必要だ。
- 主な生息地:富士山
- 口癖:ワッツ ゴゥイン オン!(キー高め)
- 危険度 ★★☆☆☆
- 迷惑度 ★☆☆☆☆
- ひょうきん度 ★★★★☆
- マクドナル度 ★★★★★
一般的対処法
出会ってしまったらとりあえず「よう、わっつあっぷ」という呪文を唱えよう。すると笑顔になって「あいむどぅーいんぐっど」と返してくれるぞ。あとは基本的に「あいあむニンジャ」とでも言っておけば大概喜んでくれる。
ツウな対処法
寒さに自信がある人はいっそふんどし一丁になって大和魂で対抗してみよう。ただし素人がそれをやると簡単に死んでしまう。必ず事前に男塾に入塾して、何回死んでも蘇生できる能力を身につけてからやるようにしよう。
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PROFILE
PEAKS / ライター・イラストレーター
ユーコンカワイ
旅とロマンを愛するフリーランスライター&イラストレーター&遊び人。最近では岐阜県山県市で地域おこし活動をしつつ、本質的な遊び方や生き方を模索している。個人ブログ「股旅ベース」で様々な情報を発信中。http://yukonkawai.com/
旅とロマンを愛するフリーランスライター&イラストレーター&遊び人。最近では岐阜県山県市で地域おこし活動をしつつ、本質的な遊び方や生き方を模索している。個人ブログ「股旅ベース」で様々な情報を発信中。http://yukonkawai.com/