テント泊山行術2020年版 〜調理とトイレ編〜
PEAKS 編集部
- 2020年08月20日
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この夏はどこのテント場が開放され、飲み水の確保やトイレの使用はできるのか? 次第に山小屋からの発信は増えているものの、現場に到着してから対応しなければいけない問題も多発しそうだ。
いつもは利用できる水場が使えないことも想定し、いざというときは池の水さえ飲み水にできる浄水器を持ち歩き、トイレが開いていない場所では携帯トイレの使用も僕は視野に入れている。携帯トイレは多めに用意すべきだろう。
今年は新型コロナウィルスの感染を避けるため、グループ山行でも各自がソロテントを利用することが推奨されている。荷物はかなりの重量増になりそうだが、仕方あるまい。
〜キャンプでもソーシャルディスタンス〜
グループ山行であっても調理器具はそれぞれが持参し、食事のときはソーシャルディスタンスが望ましい。なんだか寂しい気持ちにもなるが、安全のためには我慢しなければならない。山に行けるだけマシだと考えよう。
ウォーターキャリーは“大きめ”を併用する
閉鎖された山小屋がある山域に入る場合、飲み水の入手がうまくいかず、水不足になる可能性がある。確実に補給できる場所ではたっぷりとキープしておくべきだ。そのために大型のウォーターキャリーを用意。これまでは日中の行動用に2ℓ程度の水で足りていた人でも、夕食・朝食の分まで倍以上の量を持ち運べるようにすると安心だ。
不確かな水場では“浄水器”を活用しよう
今年は例年のようには水場が適切に管理されていない可能性があり、不届きな登山者がおかしな場所をトイレとして使っている可能性もある……。そこで活躍するのが浄水器。僕はこれまで北海道の山などでは寄生虫のエキノコックス対策のためにいつも使っていたが、今年は本州の山でも活用しようと考えている。
“カセットガスボンベ”タイプもけっこう使える
今年は難易度が高い日本アルプスなどは諦め、安全度が増す低山に向かう人も多くなりそうだ。低山は高山より気圧が高いので、山では一般的なOD缶(半球形のガスカートリッジ)ではなく、CB缶(卓上コンロにも使うカセットボンベタイプ)でも十分。OD缶よりも安価なので、今年に限らず僕はこのところ多用し始めている。
テント内を立体的に使える軽量テーブルが便利!
非常に個人的な興味と嗜好ではあるのだが、僕がいま探し続けているのが軽量なテーブル。テント内を立体的に使うことができ、飲み物を入れたカップも安定して置くことができる。心地よいテント泊生活の相棒にしたいのである。重量100gを切った製品も登場しているので、テント内で快適にすごしたい人にはおすすめしておきたい。
いざというときはテント内でも……。いまや必携! 携帯トイレ
今年は例年以上に携帯トイレを使う機会が増えるかもしれない。近くに隠れる場所があればそこで使えばいいが、状況によっては“テント内”ということもあり得る。今年はソロテントを使うことが推奨されているため、心理的な問題はともかく、“やりやすい”とはいえそうだ。使用後は持ち帰り、適切な方法で処理しよう。
嫌な臭いを放つゴミは飲用ボトル内に入れる
夏場は食品系のゴミはすぐに異臭を放ち始める。食品用保存袋に入れれば、ある程度は安心だが、なにかの拍子に穴が空くと大変なことになる。しかし、飲料用の広口ボトルをゴミ入れにすれば、問題は解決。口をしっかりと閉めれば、汁気が多い食品系のゴミでも安全だ。少々重いのが難点だが、こういうボトルの使い方もアリ。
高橋庄太郎
山岳/アウトドアライター。1年をとおして山に向かい、宿泊はもっぱらテント泊。著書に『トレッキング実践学 改訂版』(小社刊)、『テント泊登山の基本』(山と溪谷社)などがあり、8月にはNHK BSプレミアムで放映される“テント泊”をテーマにした新しい番組に出演することも決まっている。
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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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