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テント泊山行術2020年版 〜睡眠編〜
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PEAKS 編集部
- 2020年08月19日
INDEX
新型コロナの問題がくすぶり続けるなか、今年はテント泊山行が実現しただけでも幸運だと思いたい。だが無用な我慢をする必要はなく、限られた時間を徹底的に楽しむために、翌日に疲れを残さないテント生活を送ろう。
テント泊の“敵”は主に寒さと濡れだが、いくつかのアイデアとテクニックを覚えていれば、格段に対処しやすくなる。僕がとくにおすすめしたいテクは、寝袋の足元をレインジャケットで防水する方法だ。
よほどの悪天候でない限り、数日使い続けていても足元をドライに保つことができるばかりか、寝袋の防水カバーは持っていかずにすむので、荷物の軽量化にも繋がる。来年はもっとリラックスして山を楽しめるようにと祈りながら、安眠につきたいものだ。
~明日のために心地よく眠る~
今年は人数制限が行なわれるテント場が多く、そのぶんだけ夜はひっそりとしているに違いない。異例の状況でテント生活を送ることになるが、これも人生経験のひとつである。こうなれば思い切って楽しみたい。
寝袋の“重ね着”で寒い夜を乗り切る
寝袋には「対応温度」の目安があり、それに従って目的の山域に合うものを選ぶ。高山用、低山用、真冬用などと使い分けるのが理想だが、いくつも揃えるとお金がいくらあっても足りない。そのときは薄手の寝袋を複数持ち、状況に合わせて重ねて使い、保温力を上下させるという手段もある。僕は複数の寝袋を組み合わせるだけではなく、保温性をアップするシーツを合わせることも多い。
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結露や雨水で寝袋を濡らさないいくつかのアイデア
人によっては“必携”装備としているのが、寝袋用の防水カバーだ。しかし、僕自身はそれほど重要視していない。テントの防水性さえしっかりしていれば、寝袋が濡れるのは足先くらい。それも結露によるものなので大して濡れず、下のような防水方法を知っていれば、あまり必要とは思えないのだ。
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テント内の濡れモノは、バックパックカバーの中へ
雨の日に厄介なのは、水に濡れたレインウエアやゲイターの保管だ。適当にテント内に置いておくと寝袋や着替えに水分が移行し、不快な思いをする。それに対処する簡単な方法は、水分を落とし切ったパックカバーの中に濡れものをまとめてしまうことだ。湿度100%に近い雨の日は、テント内にモノを干してもどうせ乾かないのだから。
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寝る前のひと手間で前室のブーツをドライに保つ
晴れていたはずなのに、テントの前室に置いていた登山靴がいつのまにか内側まで濡れていた、という話を僕はよく聞く。これは夜間にフライシートの裏に生じた結露が風などの影響で登山靴内部に降り注いだ結果。そんな理由にさえ気づけば、対処法は簡単。登山靴の開口部の上にシートやレジ袋をかけるだけだ。寝る前にはお忘れなく。
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“着替え”を使ってさわやかな枕で眠る
不必要ともいえるが、“あれば快適”な装備が枕だ。軽量なアウトドア用は表面が硬く、湿気も吸い取ってくれないが、着替えを枕カバー代わりに被せれば、使い心地は一気にアップ。単純な方法だが、汗ばむ夏は効果がある。
レジ袋があれば、ヘッドランプがランタンに
枕と同様にランタンも“あれば便利”という道具だ。テント内で本を読んだり、地図を眺めたりするのが好きな僕は持っていく機会が多いが、ヘッドランプにレジ袋を被せれば予想以上に明るい簡易的ランタンとして使える。ヘッドランプは使えなくなってしまうわけだが……。
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大事なものには“蓄光”ロープや塗料を付ける
夜のテント内は、月明かりがなければ漆黒だ。ひとたび就寝すると、もう一度起きたときに必要なものを探しにくいので、僕はスマートフォンやヘッドランプに蓄光(夜光)性のロープを付けている。便利だよ!
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高橋庄太郎
山岳/アウトドアライター。1年をとおして山に向かい、宿泊はもっぱらテント泊。著書に『トレッキング実践学 改訂版』(小社刊)、『テント泊登山の基本』(山と溪谷社)などがあり、8月にはNHK BSプレミアムで放映される“テント泊”をテーマにした新しい番組に出演することも決まっている。
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PROFILE
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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