2020年 グリーンシーズンに使いたいシングルウォールテント7選
PEAKS 編集部
- 2020年09月18日
INDEX
山の醍醐味を味わえるのは、夜の雰囲気をダイレクトに感じられるテント泊。初心者向けタイプから、経験者が次に選びたいものまで、新製品を中心にセレクトした。
文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉後藤武久 Photo by Takehisa Goto
出典◉PEAKS 2020年4月号 No.125
「経験者にオススメのシングルウォールタイプ」
テント選びは、その構造と特徴を知ることから始まる。最重要点は、テント本体(インナーテント)の外側に雨除けのフライシートが付くかどうか? 付くものは「ダブルウォール」タイプと呼ばれ、悪天候時も使いやすく、出入り口の前に“前室”というシューズなどを置ける土間のようなスペースも得られるのがメリットだ。
それに対し、テント自体に防水性を持たせてフライシートを省いたものが「シングルウォール」タイプ。基本的には前室がないので雨が吹き込みやすいが、大きさのわりに軽量で設営しやすいものが多い。ただしシングルは内部の結露なども多くて扱いにくいので、初心者にはダブルのほうがおすすめだ。
またテントにポールを組み合わせただけで立体化するのが「自立型」で、ペグを打って固定しないと形にならないのが「非自立型」。一般的に自立型のほうが使用するポールが長くて重くなりがちだが、自立型は設営する場所を選ばないので、テント泊に慣れていない人でも安心だ。一方、非自立型は地面に石が多い高山などではペグが刺さらず、苦労することが多い。
その他、広さ、通気性、防水性、耐久性、重量、収納性などもチェックして、自分好みのテントを見つけていってほしい。
シックスムーンデザインズ/ルナーソロ
トレッキングポール1本だけで設営でき重量たった710g!
- 最小重量:0.71kg
- 収容人数:1人
- 問:アウトドアギアマニアックス
正面は全面的にメッシュ素材が使われ、サイドと奥の下部にも帯状にメッシュが使われている。メインとなる生地に防水性を託し、結露と蒸れは通気性で防ぐという発想のテントだ。出入り口近くのコードを引っ張るとテントにテンションがかかるユニークで便利な構造。設営にはトレッキングポール1本を使う。
ビッグスカイ/ウィスプ1P
メッシュの生地をたっぷり使い、夏の蒸し暑さを軽減。
- 最小重量:0.67kg
- 収容人数:1人
- 問:ロータス
トレッキングポールなどで設営でき、人間ひとりが横たわれ、最低限の荷物を置けるだけのスペース。背を伸ばして座れる場所も限られている。だが重量は足元のポール含めて665gだけで、荷物の軽量化を突き詰めたい人に向いている。フロアは斜めに変形した独特な形状で、どのように使うか考えるのもおもしろい。
MSR/アドバンスプロ2
必要な機能以外はそぎ落とし、強靭でタフな仕様に開発。
- 最小重量:1.3kg
- 収容人数:2人
- 問:モチヅキ
2枚のマットを置けば内部がほぼ埋まる、2人用としては最低限の大きさ。だが一方をスリーブ式に、もう一方を吊り下げ式にしてポールとテントを短時間で組み合わせられるようにしたり、悪天候時はベンチレーターを隙間なく閉じられるようにしたりと、細部すべてが実戦的。極限の状態でも活躍する力を持っている。
ファイントラック/カミナモノポール1
ポール1本で設営するシンプルでミニマルなシェルター。
- 最小重量:0.77kg
- 収容人数:1人
- 問:ファイントラック
テントの4隅をペグで固定してから、スリーブ1本のポールを差し込むだけで、立体化。シンプルな構造で軽量なだけではなく、悪天候時でも設営時間が短時間で済む。透湿性の生地で結露を抑えつつ、背後にはベンチレーターも取り付け、蒸れを防ぐ。テンションがかかりやすい部分は補強され、強度も十分だ。
サマヤ/サマヤ2.5
惜しげなく高価な素材と技術を使った注目株。
- 最小重量:1.5kg
- 収容人数:2人
- 問:スタティックブルーム
青い生地は防水透湿素材、シルバーの部分は強靭で軽量なダイニーマ素材。価格も高い高機能な素材を部分で使い分け、荷物とともに2人が余裕をもって横たわれるサイズで1.5㎏という軽量さを実現している。3本のポールで立体化されたテントは、シンプルで華奢なタイプが多いシングルウォールタイプのなかでは異彩を放っている。
ライペン/ライズ1
シンプルさを極め、1㎏を切る超軽量モデルに。
- 最小重量:0.98kg
- 収容人数:1人
- 問:アライテント
防水性が高い生地に加え、縫い目も処理され、悪天候に対応。それだけに気密性が高く、上下に付け分けたベンチレーターで換気を促す構造だ。シンプルなシングルウォールタイプゆえに前室部分は作られないが、状況や好みに応じて別売りのフライシートを組み合わせれば、一般的なダブルウォールタイプのように使うことも可能である。
ヘリテイジ/クロスオーバードーム〈2G〉
つぶれにくいベンチレーターもあり、つねに新鮮な空気を確保。
- 最小重量:0.63g
- 収容人数:1~2人
- 問:ヘリテイジ
日本発の超軽量シェルターとして評価が高いクロスオーバードームが、新素材を使うことで耐水性と透湿性を上げ、しかもより軽量になり、〈2G〉として新登場。通気性を持たせた生地は収納時にすばやく空気を逃し、撤収のスピードも上げられる。前室がほしい場合は、別売りのフロントフライを取り付けることもできる。
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- PEAKS
- CREDIT :
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文◉高橋庄太郎 Text by Shotaro Takahashi
写真◉後藤武久 Photo by Takehisa Goto
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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