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ポーラテックアルファ×ミレー|“呼吸する中綿”と呼ばれるアクティブインシュレーション素材とは

適度な保温力を維持しながら、高い通気性で行動中のオーバーヒートを防ぐ中綿素材、ポーラテックアルファ。この注目のアクティブインシュレーション素材を使って、ミレーはどんなウエアを、どう仕上げたのか。この秋の新製品「アルファライトスウェットジャケット」を軸に開発チームに取材した。

文◉寺倉 力 Text by Chikara Terakura
写真◉落合明人 Photo by Akito Ochiai

インシュレーション ペアリングという新発想

もともとミレーは、ミドルレイヤーに相当するウエアを豊富に取り揃えるブランドである。「サーマル(保温)レイヤー」という機能にフォーカスした呼び方をしているが、トレッキングからクライミング、山岳スキーに至るまで、幅広いアウトドアアクティビティと季節やコンディションに応じた適材適所な選択ができるラインナップが用意されている。

そのなかで、今回秋冬向けに新登場した「アルファライトスウェットジャケット」は、保温性と通気性のバランスに優れたポーラテックアルファを中綿に使った薄手のミドルレイヤー。化繊中綿ながらも高い通気性があることで行動中も熱が籠もることなく、つねに適切な保温性をキープしてくれる、いわゆる「アクティブインシュレーション」と呼ばれる一着だ。

ミレー/アルファライトスウェットジャケット

高い通気性と適度な保温性をもつポーラテックアルファ素材の特徴を最大限に発揮させたジャケット。 アクティブインシュレーションウエアとしてはめずらしく、クルーネックモデルもある。

  • ¥19,800
  • サイズ:XS~XL
  • カラー:ヘザーグレイ、ノワール
  • 重量:380g(L)※重量は編集部調べ
左右にハンドウォーマーポケットを設け、スウェットパーカの気軽な使い勝手や着心地を再現している
裏地もポーラテックアルファの特徴を活かせる通気性に優れた生地を採用。また、吸汗速乾性をもたせている点も大きな特徴だ

ポーラテックアルファを使ったミレーのミドルレイヤーとしてはほかにコアな山岳スキーツーリングに特化したアルパインデザインのフーディがあるが、今回の新製品はより幅広い用途向けで、あらゆる秋冬レイヤリングのベースになる性格のものになっている。

さらにいえば、ミレーが今季から秋冬向けに提案している「インシュレーションペアリング」という考え方がまずあって、その基本となるウエアとして開発されたという経緯がある。ミレーのシニアブランドマネージャーの櫻井久男さんはこう説明してくれた。

「じつは、これには気候変動の問題が大きく影響しています。最近はとんでもないドカ雪が降る年もあれば、昨冬のように暖冬になることもある。その差があまりにも極端じゃないですか。そこで、予測できないこれからの時代の天候変化に対応するために考えたのが、インシュレーションペアリングという発想です。

これはサーマルレイヤーを1枚で完結させるのではなく、ペアで使うことで予測できない天候変化に対応しようというものです。その点ミレーには豊富な種類のサーマルレイヤーがあるので、それらと組み合わせるベースとなる一着として開発したのが今回の製品で、その際、通気性と温度調節性に優れたポーラテックアルファを素材に選んだ、という流れになります」

アルファライトスウェットジャケットの生みの親、ミレーのシニアブランドマネージャーの櫻井久男さん。日本企画の商品開発で陣頭指揮を執り、本国の商品とラインナップを整えている

たしかに櫻井さんの言うように、寒い時期のミドルレイヤー2枚使いというやりかたは理に叶っているように思える。真冬だからと山で保温力のある厚手のダウンやフリースを着込んで動くよりは、中厚や薄手のミドルレイヤーのほうがなにかと使い勝手がいいし、温度や湿度の調整も容易だ。

そうしたミドルレイヤーを複数使ったレイヤリングを以前から実践してきたのが、ミレーのテクニカルアドバイザーであり国際山岳ガイドの棚橋靖さんだ。これまでも状況に応じて、とくに厳冬期にはさまざまなミドルレイヤーを2枚から3枚重ね着してきたという。

ミレーのテクニカルアドバイザーを務める国際山岳ガイドの棚橋靖さん。すでに、昨冬の段階から開発中のアルファライトスウェットジャケットを着てフィールドテストを繰り返してきた

それは冬場は氷雪のバリエーションルートかアイスクライミングのガイドが多いという仕事の性格も大きい。アプローチでは1、2時間ほど雪のなかを歩き、岩稜や氷壁に取り付いてからも時間の多くは登ってくるゲストのビレイに費やされる。そうしたストップ&ゴーを繰り返す1日だけに、寒さをしのぐこと以上に重要なのが、汗処理の問題だった。行動中に汗をかけば、体を冷やすことに直結するからだ。棚橋さんはこう言う。

「大事なのはなるべく汗をかかないようにすること。それを心がけてきました。だから行動するときはいつも薄手のミドルレイヤーを重ね着しています。クライミング中は脱ぎ着できないので、多少暑かったり寒かったりしても、そのまま行動しなければなりません。なので、できるだけ着たまま動けるように天気や気温のようすをみながら内側を調整するわけです」

「軽くてしなやかで、フィットはややゆったり目。予想以上に気持ちのいい着心地だった」と棚橋さんは第一印象を語る

そんな棚橋さんに新製品のアルファライトスウェットジャケットについて聞いてみた。

「今年は暖冬で八ヶ岳でも例年のようには冷え込まなかったこともあって、アウターを脱いで行動することも多かったのです。やはり、通気性が高く、かいた汗を外に出してくれる素材はいいですよね。赤岳の山頂でも快適でしたし、山小屋の中でもこのジャケットを着ていましたし、オールシーズンで使えそうだなと思いましたね」

通気性と保温性に加えて吸汗速乾性ももたせた

インシュレーション素材とは、ダウン製品のように保温力のある中綿を薄手の生地で包んだものだ。中綿にはダウンや化繊、ハイブリッドなど、それぞれ機能の異なるさまざまな素材がある。

そのなかでポーラテックアルファに使われているのは、ポリエステルの起毛繊維、つまりフリースだ。毛足を短く揃えた極薄のフリースは適度に保温力があり、ネット状に開いた編み目は空気をよく通す。さらにダウンや化繊中綿のように高密度の表地・裏地を使用する必要がないので、そこに通気性のある生地を採用できる。これが高い通気性を誇る「呼吸する中綿」と呼ばれる理由だ。

冬は八ヶ岳のバリエーションやアイスクライミングのガイドが多くなるという。左はアルファライトスウェットジャケットを着て、2月の赤岳山頂に立った棚橋さん。気温もそれほど低くなく、シェルを脱いでの行動でも快適だったという

また、ダウンや化繊中綿のような抜群の保温力が期待できるわけではないが、体の熱を適度に維持して適度に通気するため、行動している最中は暑すぎず、寒すぎないという快適な温度帯を保つことができる。そうしてウエア内のムレや、オーバーヒートによる体力消耗を防ぐという意味でも、このポーラテックアルファのメリットは大きく、熱心なアクティビストたちから圧倒的に支持されているという理由もうなずける。

「もともと、びしょ濡れになっても着たまま乾かせる通気中綿素材を、というアメリカ特殊部隊のリクエストから生まれた素材ですから、まさしく究極のアウトドア素材といってもいいわけですね」

と櫻井さん。さまざまな中綿素材を検討するなかで、やはり通気の点でポーラテックアルファの右に出るものはなかったという。厳密にいえば、裏地を取り去ったポーラテックアルファダイレクトもあるが、すでにミレーでは製品化されたものが存在していることもあって、裏地を使う通常のアルファを採用したという。

その表地には、ミレーのオリジナル素材であるドライナミックエアメッシュが採用されている。これは小さな穴のあいた通気性抜群な薄手のポリエステル100%生地で、2019年のスポーツ見本市「イスポ」でアワードを受賞した素材だ。

右の白い生地がポーラテックアルファ。この極薄フリース構造が通気を促し、余分な熱を溜め込まない。黒い生地は通気性と吸汗速乾性が高く、強度もあるミレーオリジナル素材で、表の生地に使われている

「ポーラテックアルファの表地・裏地には2㏄以上の通気度のあるものが推奨されています。いわゆるウインドシェルのような生地が多いんですよ。でも、この素材は穴の開いたニット生地なので、比較にならないほどの通気量があります。普通、こうしたニット構造の生地だと引き裂きや破断強度が上がらないので、表地としては使いにくいんです。

そこに強度を持たせながらも、抜群の通気を維持したことがイスポでのアワード受賞に繋がりました。また、これはもともとTシャツの生地として開発されたものなので、バックパックを背負っても問題ないほど強度も十分ですし、さらには吸汗速乾性がある。これもほかにない大きなメリット。普通のハイロフトフリースや中綿ジャケットには吸汗速乾性はありませんからね」

幅広いレイヤリングに対応する中綿素材

もうひとつ、この新製品のユニークな点はクルーネックモデルも用意されている点だ。中綿の入ったインシュレーションウエアとしてはほかに例がなく、どちらかというとカジュアルな使い方が似合いそうな一着である。

「イメージとしてはコットンのパーカやトレーナーです。ざっくりした着心地で、肌寒い季節には手放せないアイテムですよね。でも、あれを山で着る人はいませんが、この商品ならガチの登山でも十分機能的。これ1枚で街から山頂まで1日中着ていられますし、そのまま寝袋に入って眠ってもいいわけです。

もちろん、登山中心に使うならフルジップのジャケットモデルが最適です。シンプルなデザインなので街で普段使いしても心地良く着られます。夏山や秋の登山ではベースレイヤーの上にこれ1枚を単体で着て、冬になれば、中厚のインシュレーションを上に重ね着する。そうした多彩なレイヤリングのベースとして、通年で使える一着になっています」

ミレーが新たに提案しているインシュレーションの重ね方をカスタマイズするという考え方。それにはポーラテックアルファは欠かせない素材だと櫻井さんは言う。ムレを抑える通気性と、濡れても失わない保温力に速乾性を備える中綿素材は、温度や湿度の調整が容易で、長く着たままで快適さを維持してくれる。その性能はミドルレイヤー同士の重ね着にも十分効果的だということだ。

単体で着るだけではなく、重ねて着るのも効果的。それはアクティブインシュレーションの新しい一面といえるかもしれない。

ポーラテックアルファ

「呼吸する中綿」と呼ばれるアクティブインシュレーション素材。通気性が高く、適度な保温力があり、濡れに強く、乾きが早く、軽量で、コンパクトになる化繊中綿。行動中の余分な熱を溜め込むことなく、ほどよい温度と快適性をキープし続けてくれる。もともとはアメリカの特殊部隊が必要としたスペックを高い次元で実現するために開発された経緯から、素材名は部隊のコードネーム「アルファ」にちなんでいる。

掲載アイテムを中心にポーラテック素材使用のウエアを特別展示!

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さかいやスポーツウエア館

  • 東京都千代田区神保町2-48
  • 営業時間:11:00~20:00 (元旦を除き年中無休)
  • TEL.03-3626-0432

問:エスシーティージャパン(素材) TEL.03-5436-6380 www.challenge-21c.co.jp
問:ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン(商品) TEL.03-6417-0492 www.millet.jp

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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