ベストな靴下を手に入れよう!一歩先のソックス選び
PEAKS 編集部
- 2020年10月26日
INDEX
シューズと同様に、靴下も用途別にさまざまなモデルが存在する。まずは基本となるタイプを確認して、それからディテールにこだわると良い。細かい役割や特徴をチェックして、ベストな靴下を手に入れよう。
文◉吉澤英晃 Text by Hideaki Yoshizawa
写真◉熊原美惠 Photo by Yoshie Kumahara
出典◉PEAKS 2019年6月号 No.115
足とシューズを繋ぐ、縁の下の力持ち
用途に合う最適な靴下を手に入れる
シューズと同様に、靴下も足元に欠かせない重要なアイテムだ。
担う役割は、主に靴擦れ防止、吸汗速乾、衝撃吸収の3つがある。この基本的な役割のほかに、用途に応じて通気性や保温性、耐久性などが必要になってくる。快適に行動するためには、目的に合った靴下を履くことが大切だ。
靴下は用途に合わせて4つのタイプに分けることができる。ランニング向け、ライトハイキング向け、トレッキング向け、そしてインナー用だ。ランニング向けは、通気性、吸汗速乾性、耐久性に優れている。ライトハイキング向けはクッション性に通気性もある。
トレッキング向けになると、今度はクッション性や保温性が重要になる。インナー用は靴下の下に履くことで役目を果たしてくれる。
基本となるタイプを確認したら、次はディテールにこだわってみよう。化学繊維やウールといった素材の違いや、5本指といったつま先の形状、立体感を生み出す縫製方法などで、じつにさまざまな種類が店頭には並んでいる。
そして最後に、防水ソックスや速乾性に特化したもの、紙繊維で作られる靴下やネオプレン製のモデルなどといった、特色のある靴下を紹介する。
用途に合ったタイプを確認して、好みに応じたディテールを把握すれば、最適な靴下が選べるはずだ。
基本のタイプ
1.ランニング向き
大量の汗をハイスピードで処理する吸汗速乾性と通気性、激しい動きを想定した耐久性を備えている。カフは短く、生地厚は薄い。クッション性はないものもある。靴の中で靴下がズレない滑り止め付きも存在する。
C3fit/アーチサポートクォーターソックス
問:ゴールドウイン
足裏の縦アーチと横アーチをクロステーピングでしっかりサポート。土踏まずのばねの役割による推進力を長時間維持してくれる。
2.ライトハイキング向き
軽い荷物とやわらかい靴で楽しむライトな登山には、適度なクッション性がある靴下がオススメ。クッション性は足裏にあれば十分だ。
甲の部分にメッシュパネルがあるものは通気性がいい。カフはクルー丈が多くなる。
スマートウール/PhDアウトドアライトクルー
つま先からカカトにかけてクッション性を備えるライトハイク用ソックス。甲部分のメッシュパネルにより通気性にも優れている。
3.トレッキング向き
重視するのはクッション性と保温性。剛性が高い登山靴を履くことになるので、裏地すべてがパイル編みでクッション性に優れるモデルがいい。このパイルによって生地が厚くなると保温性が高くなり、冬山にも対応できる。
ダーンタフ/マウンテニアリング マイクロクルー エクストラクッション
問:エイアンドエフ
通常のソックスと比べて約7倍もの耐摩耗耐久性を備えている。その自信から、通常使用の穴あきは新品に交換してくれる生涯保証付き。
足とシューズを繋ぐ、縁の下の力持ち上のトレッキング向きはソックス全体、下のライトハイキング向きは主に足裏部分がパイル編みに。
4.インナー用
吸汗速乾性がある靴下と合わせることで、その機能を十分に発揮するモデル。水を弾く素材で作られたものは足をドライに保ってくれる。5本指の形状で、指と指の間に発生した汗を吸い上げるものもある。
ファイントラック/スキンメッシュ ソックスレギュラー
問:ファイントラック
撥水性のある生地で作られており、吸汗速乾性の靴下を重ねることで足を常にドライに保ってくれる。靴擦れを軽減する効果もある。
ディテール
1.素材
素材は主に、化学繊維、ウール、そして化学繊維とウールを撚り合わせたハイブリッドの3種類に分けられる。それぞれの素材が、吸汗速乾性、保温性、耐久性において強みと弱みを持っている。まずは特徴を把握しよう。その上で、目的のアクティビティに合ったものを選ぶと良い。
ブリッジデイル/トレッカー
問:マジックマウンテン
ウールに化学繊維を巻き付けたハイブリッド素材を使用。ウールの保温性と化繊の速乾性を併せ持つ。
モンベル/WIC.トレッキングソックス
問:モンベル
独自素材ウイックロンを使い、クッション性に優れた靴下。化学繊維は耐久性と吸汗速乾性に優れている。
ポイント6/ハイキングミックスドストライプミディアムクルー
問:サンウエスト
防臭性、調湿性、保温性に優れるウールを使用。厳選したファインメリノウールを使い肌触りが良い。
2.つま先の形状
5本指すべてを覆うラウンドタイプが一般的だが、手袋のような5本指タイプや、2本指タイプも存在する。指が自由に動かせるとバランスが取りやすくなり、グリップ力が高まるメリットがある。
インジンジ/アウトドアミッドウェイト クルー
問:ケンコー社
ウールを混紡したアウトドア向けの5本指ソックス。足裏がパイル編みになっておりクッション性がある特色のあるソックス。
ヤマチューン/アウトドアミディアムアーチクルー2トウ クルーレングス
問:ヤマチューン
足裏の前後で分割したサポーター構造により足の疲れを軽減。クルー丈なので一年中使用できる。
3.縫製
縫製にこだわり立体的に作られる靴下はフィット感に優れる。商品写真のようなヒールカップは、履いた瞬間にカカトをすっぽり収めてくれるのだ。この立体感はディテールの写真で確認できるY字の縫製から生み出されている。
フィッツ/ヘビーエクスペディションブーツ
問:ケンコー社
立体縫製にこだわり抜群のフィット感を提供。裏地すべてが厚みのあるパイル編みでクッション性と保温性に優れる。
4.滑り止め
足裏に滑り止めを備える靴下はランニング向けモデルに多い。滑り止めがあることによって靴下が靴の中でズレることが軽減されるので、グリップ力が高くなるのだ。靴との一体感が高まるので、バランスも取りやすくなる。
サロモン/スピードプロ
問:サロモン コールセンター
冷却効果と摩擦軽減機能に特化した靴下。足裏に配置された吸盤状の滑り止めが靴内部での足のズレを防いでくれる。
5.左右の作り
多くの靴下は2枚とも同じ形をしているが、実際の足は左右で違う形をしている。そこに着目して、左足と右足で形が異なる靴下がある。抜群のフィット感と、履き心地の良さが特徴だ。
キャラバン/RLメリノ・トレック
問:キャラバン
左右非対称の形状で履き心地が良く、フィット感も良好だ。そのわりに締め付け感がないので、ストレスなく長時間履くことができる。
R×L/ワイルドウール
問:アールエル
世界初の左右非対称の靴下を生み出したメーカーの最新モデル。メリノウールにコーデュラナイロンを混紡。従来品から耐久性が7倍に。
6.アーチサポート
土踏まずの形状をキープしてくれる機能がアーチサポートだ。これがあると長時間の歩行でも足裏が疲れにくくなる。さらに土踏まずのバネによる推進力も維持してくれるのでランニングシーンにも効果的だ。
コロンビア/アシュレイコーンロングソックス
問:コロンビアスポーツウェアジャパン
脚の形状に合うようにシェイプする特殊な編み方でフィット感は抜群。甲部分はメッシュで通気性に優れるので無積雪期におすすめ。
ザ・ノース・フェイス/トレッキングパイルマウンテンクルー
問:ゴールドウイン
保温性とクッション性に優れる全パイル編み。内側のループは履いたときに爪に引っ掛からないようカットされている。
特色のあるソックス
1.防水
レインウエアのように防水透湿素材を使用した完全防水ソックスがある。この靴下を履けば、靴に防水機能がなくても悪天候時に快適に行動できるようになる。保温性が高いので冬のハイキングや雪上ランニングなどにもオススメだ。
シールスキンズ/ソフトタッチミッドソック
問:ナガトモ・トレーディング
元祖防水ソックスメーカーの新モデル。表地は耐久性が高く、さらに内側にエコな竹繊維を使用することで、抗菌性、調湿性にも優れている。
デクシェル/ウルトラドライスポーツ
問:キャラバン
2010年に上海で誕生した新鋭メーカーの防水ソックス。履き口の内側にゴムを配置し、カフからの水の浸入も防ぐ仕様となっている。
2.紙素材
紙をメイン素材に使った靴下も存在する。主に速乾性や消臭性に優れており、耐久性が高くて丈夫な点も特徴だ。この素材は、とくにすばやい吸汗速乾性と高い耐久性が求められるランニング用に使用されていることが多い。
イトイエックス/ランニングソックス
問:イトイエックス
5本指 セミロング問イトイエックス抜群の吸湿速乾性が特徴の和紙の靴下。主素材にはマニラ麻。表面にある無数の穴が空気を取り込み、歩くたび汗を押し出してムレを解消する。
C3fit/ペーパーファイバーアーチサポートショートソックス
問:ゴールドウイン
紙繊維のドライ感と摩耗強度に加えて、足裏のアーチサポート、つま先やカカト部分のクッション性など、充実の機能を備えている。
3.超速乾
足に発生した汗は皮膚をふやかし、マメや靴擦れを誘発する。それを防ぐために吸汗速乾性を高め
たのが超速乾ソックスだ。ナイロンやウールなどの靴下と比べて何十倍もの速乾性がある。
ドライマックス/マキシマムプロテクショントレイルラン1/4クルーソック
問:ロータス
ウルトラマラソンなどの長距離レースを想定して高い耐久性を備えている。厚手の生地なのでウィンターシーズンにも使用可能。
4.ネオプレン
ネオプレン素材の靴下は保温性が高い。そのため、足が常に冷たい水に浸かっている沢登りをする沢ヤに愛用者が多い。最近では雪山登山のインナーソックスとして使う登山者もいる。
モンベル/ライトネオプレン ソックス
問:モンベル
0.5㎜の極薄ゴム素材を使用。ストレッチ性に優れているのでフィット感が良く、縫い目を平らにした作りで履き心地も良好だ。
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文◉吉澤英晃 Text by Hideaki Yoshizawa
写真◉熊原美惠 Photo by Yoshie Kumahara
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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