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【月】キノコはまさに木の子どもなのです|タキザーさんちの親子登山《やまいく》

おもいきり子どもを自然のなかで遊ばせたい。 と子育てにいそしむタキザーさんが、せっせと親子で山に行くうちに、 子どもから教えられた新たな登山の楽しみ。 そんな経験や発見を通し、親子登山の魅力を伝えます。

文・写真◉滝沢守生 Text&Photo by Morio Takizawa
出典◉PEAKS 2012年11月号 No.36

キノコはまさに木の子どもなのです

いよいよ待ちに待った秋山シーズンの到来です。わが家にとって、秋山の最大の楽しみといえば、なんといってもキノコ狩りです。秋晴れのさわやかな青空のもと、紅葉に彩られた山々を、サクサクと歩きながら、そこかしこに顔を出しているかわいらしい山の恵みたちをみんなで探します。

見つけることができれば、いいおみやげになるのですから、これほど楽しいことはありません。そこは、やはり花よりダンゴ。これからの季節、山にはキノコや木の実をはじめとした、山の幸がいっぱいです。なかでもキノコは、食べておいしいのはもちろん、その愛くるしい姿かたちやメルヘン的なキャラクターが、子どもの興味を引くようで、見つけるたびに、「ここにもあるよ、あそこにもあった」とうるさいくらいに教えてくれます。

キノコ狩りのポイントは、いかにしておいしいキノコを効率よく見つけられるか。ひとりの目よりもふたりの目、まさに人海戦術が効果的です。その点、わが家には子どもが3人もいるので、貴重な戦力として重宝しています。さらには、子どものほうが、大人よりも視線が低いせいなのか、大人だと気づかないようなところに生えているキノコもよく見つけてくれるのです。

しかし、家族でキノコ狩りというと、皆いちように「毒キノコは大丈夫なの?」と言われます。もちろん多少の勉強は必要ですが、一度覚えてしまえば、川で魚をとるよりも、木の実をとるよりも簡単で、どんな小さな子どもでもとることができるのが、キノコ狩りのいいところです。日本には約3000種類のキノコがあるといわれています。しかもそのほとんどは、食毒が不明のキノコであり、わが家では、それらを総称して「ブーブー・キノコ」と名付けています。

これで、覚えるべきキノコは約10分の1程度になります。キノコ狩りに行くからといって、なにもすべてを覚える必要はありません。キノコはまさに木の子どもです。そこにどんな木が生えているのかによって、生えるキノコは決まってきます。

そこの森が、カラマツやトウヒといった針葉樹なのか、ブナやミズナラといった広葉樹なのか、さらには、地面から生えているのか、倒木から生えているのか、などなど、条件がさらにしぼられていくと、そこに生えるべきキノコは自ずと限られてきます。最終的には、その場に生えている5、6種類ほどのキノコが見分けられれば充分です。

ルールは「わからないキノコは、たとえおいしそうでも絶対にとらない」。ここが食い意地のはった大人と子どもの決定的な違いです。子どもは教えられた通り、ちゃんと同じキノコを探していきます。しかし大人は「なんだかうまそうだ」とか、「あれと似ているからいけるんじゃないか」といった欲に負け、余計なものまでとってしまいます。そうなるとあとの祭りです。

キノコはどこにどんな状態で生えているかが見分けるうえで重要ですので、一度とってカゴに入れてしまうと変色したり、折れたりして原型がわからなくなってしまい、もし毒キノコが混在していたとしても、気づかずに調理してしまうのです。それに引き換え、子どもは素直で邪念がありません。言ってしまえば、子どものほうが、大人よりも正確にキノコを見分けることができるようです。

食べものを自分の手でとるというよろこびは、本能的なもので、幼い子どもでも驚くべき集中力を発揮して真剣に探します。そうやって、キノコを通して、幼いながらも自分の手でとった自然の恵みを食べ、森を知り、山を知り、自然を知っていくのです。

ところが、悲しいことに、そんなささやかな楽しみも3・11を境に奪われてしまった地方の人がいます。これまで、食毒を見分ければよかったキノコ狩りも、放射能という恐るべき毒に汚染されてしまった山では、どうしようもできないのです。子どもたちに、この世紀末的な事態をどうやって説明すればよいのか、私自身、いまだに答えは出ていません。

キノコ狩りの注意点

キノコ狩りをする際は、充分な知識と経験が必要です。また、キノコを勝手にとってはいけない場所もたくさんあるので注意が必要です。私有地や山の恵を生業とする地元の入会地、また国立公園内などでは絶対に採取しないでください。キノコ狩りが許された場所でも、入山のための鑑札が必要な場合もあります。

今回の子どもと行くおすすめ山ルート

日光・切込湖&刈込湖

日本でも有数の紅葉の名所でもある日光は、秋ともなれば、おおぜいの観光客を迎える。しかし、このコースは日光の奥に位置しているため、とても静かで、贅沢な紅葉を独り占めできる楽しいハイキングコースだ。

湯元から道標に従って、よく整備された道を進むと、コースは大きなアップダウンもなく、やがて神秘的な深い蒼色をした切込、刈込と呼ばれるふたつの湖に出合う。

そしてさらに進むとコース上の最高地点山王峠へと登り、そこから下山口の光徳牧場へ下っていく。光徳牧場では、のどかに馬や牛が放牧され、下山口の売店では新鮮な牛乳で作られたソフトクリームが売っているので、子どもたちへのご褒美となるにちがいない。

湯元温泉〜(1時間)〜刈込湖〜(1時間30分)〜山王峠〜(1時間)〜光徳〜(30分)〜光徳入口
*逆路からでも行けるが、湯元からのほうが登りは少ない。

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PROFILE

滝沢守生

PEAKS / ヨンロクニ代表

滝沢守生

ウラヤマからヒマラヤまで、長年にわたり国内外で登山活動を展開。山岳専門出版社勤務を経て独立。現在はアウトドアや登山の雑誌・書籍の編集、野外イベントの企画制作を行う。 

滝沢守生の記事一覧

ウラヤマからヒマラヤまで、長年にわたり国内外で登山活動を展開。山岳専門出版社勤務を経て独立。現在はアウトドアや登山の雑誌・書籍の編集、野外イベントの企画制作を行う。 

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