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雪山登山で注意することと対策を徹底解説!

おなじみの山でも無雪期とはまったく違う顔を見せる冬期の山々。安全に楽しむために必要なギアを揃えること以外に気をつけておくべき事柄を山岳ガイドの水野隆信さんに解説してもらった。

文◉水野隆信 Text by Takanobu Mizuno
イラスト◉尚味 Illustration by Naomi
出典◉PEAKS 2019年12月号 No.121 

無雪期登山とは環境も対応もまったく違うと心得よ!

雪山登山は出発前準備で7割が決まると心得よ。

靴下は新品を用意すること。シューズのフィッティングは新品の靴下で行なっているはずなので、パイルがへたった靴下では、微妙な違和感の原因になってしまうのと保温性にも影響する。また登山スタート前に装備を整える時間をしっかり確保すること。

ウエア、バックパックのベルト、シューレースの緩みはもちろん、クランポンの装着確認もしっかりと。ウエアは出発時の状態より寒くなることはないということを頭に入れてレイヤリングをしよう。

決めた時間以内での行動が鉄則。

登山届の提出は当たり前、また決めた時間以内での行動が鉄則。たとえば上高地から横尾までの3時間の予定が3時間3分だったというように遅れが分単位でも撤退の判断を。

時間は山行では取り返すことはできないので、公共交通機関が大幅に遅れたり、マイカーでも渋滞に巻き込まれるなどして登山口まで予定通りにたどり着けない場合もあきらめる。

メガネ類には曇り止めを施しておくこと。

視力が悪くてメガネを掛けている人は必ず、家を出る前にメガネに曇り止めを施しておこう。歩きながら拭いたり、はずして拭いたりなどは歩行の注意力が落ちるので非常に危険。

またそのたびに立ち止まるのも時間のロスになり危険につながる。曇り止めはごく一般的なものでOK。山行が数日に渡る場合は1日ごとに行なう。ゴーグル、サングラス、オーバーグラスにも曇り止め処理をしておこう。

バックパックカバーを使わない防水対策を。

森林限界以上ではバックパックカバーの使用は避けること。稜線に出て風に吹かれると上からバックパックカバーに風が入り込み、カバーがふくらんで体を持っていかれる可能性があるからだ。

また素材がツルツルしているので、休憩中にバックパックを雪上に置いて倒れたときに、傾斜があった場合は滑って落ちていってしまう可能性も。それを追いかけるのは大事故の原因に。防水にはインナードライバッグを活用しよう。

滑るという点でレインウエアの装着も避けたい。雪山ではオールウェザーシェル(スノーウエア)の着用が必須だ。

インナーグローブの予備を常にウエアの内側に忍ばせておくこと。

靴ひもを結び直したりなどでオーバーグローブを外し、インナーグローブで作業、その後そのままオーバーグローブを装着し直すと凍傷になる恐れがある(寒くても多少汗をかいているのでインナーグローブに湿気がこもっているため)。

インナーグローブを外気にさらしてしまったら、お腹に忍ばせておいたものにつけ替えるのが鉄則。外したインナーグローブはお腹であたためて乾かし、オーバーグローブを外すたびに同じことを繰り返す。登山前に同じ装備でつけ替えの練習をしておこう。

中止・撤退のタイミングの見極めは無雪期よりシビアに。

ふもとが天候不良の場合、山の上のほうはもっと荒れているので潔く中止しよう。また森林を歩いていて頭上の木々が揺れているようなら森林限界は吹雪いていると思ったほうがいい。目で見てはっきりと木々が揺れているようなら森林限界を越える前、稜線に出る前に撤退を考えよう。

トラブル時になにをするべきかのマニュアルを作成しておくこと。

トラブル時は気が動転して慌てていることが多いので、まずなにをすればよいのか、電話などをした際に相手になにを伝えるべきかを一覧にしておこう。「①まわりを観察する ②いま何時なのか ③自分は安全なのか」などを順番にメモしておき、トラブル時は自分に言い聞かせるように読み上げよう。

メモは保存袋にいれるのでなく、用紙をパウチしておく方法がおすすめ。パウチしたメモはバックパックのトップリッドやエマージェンシーポーチなどに入れておくといい。

ウエアやジッパーのトラブルには瞬間接着剤が役に立つ。

ジッパーが壊れた、ウエアが破れたときは瞬間接着剤で固定するとよい。とくにジッパーの固定には効果的。また事前にクランポンのストラップの先端を1㎝くらい固めておくと装着時のストレスが軽減する。

山小屋やテントではブーツのインソールは外して乾かしておくこと。

意外と実践している人が少なくて驚くが、シューズの中は汗によってかなり湿気がたまっているので、テント泊で放っておくとかなり危険。必ず外して乾かしておこう。

落とし物に気がついても取りに戻らないこと。

来た道を引き返すことは、時間の遅れに繋がり、焦りのもととなる。また焦った状態での歩行は滑落などの事故の可能性も大きくなる。歩行中や下山後に落とし物に気づいても取りに戻ることはやめよう。

カメラもレンズキャップもスマホもグローブも、登山前に家などで同じ装備で操作と収納のシミュレーションを行ない、一連の動作がスムーズにできるよう、やり方を習得しておくことが大切。

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PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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