雪山装備に必要なギア一覧|装備を整えて新しい体験への一歩を踏み出そう!
PEAKS 編集部
- 2020年11月09日
INDEX
白銀の世界に包まれた冬山は夏とは違ったすばらしさがある。雪山ならではの装備は多いが、どれも耐久性が高いので、そろえてしまえば長く使い込める。装備を整え、新しい体験への一歩を踏み出そう。
文◉栗山ちほ Text by Chiho Kuriyama
写真◉後藤武久 Photo by Takehisa Goto
出典◉PEAKS 2016年12月号 No.85
TREKKING POLE
【トレッキングポール】
アプローチの際や、アイスアックが必要ない場所ではトレッキングポールを使って歩く。ほかにもスノーシューで歩くときやラッセル時など、トレッキングポールの活用場面は意外と多い。
夏山のトレッキングポールを雪山で使用しても問題ないが、バスケットは輪が大きな雪山用に付け替えておくこと。小さなリングのままでは、ポールが雪に深く刺さって使いにくいからだ。伸縮部分やグリップが凍結しにくい冬季対応モデルもある。
雪山用のバスケットは輪が大きく、ポールを付いても深く埋まらないようになっている。出かける前に交換しておこう。
WINTER BOOTS
【ウインターブーツ】
ウインターブーツは断熱性や保温性が高く、ソールやアッパーが硬く堅牢にできている。雪上を歩き続けるので、防水性もかなり高い。雪が入り込みにくいハイカットタイプで、ゲイターをブーツの上に着ければさらに雪に強くなる。
つま先とカカトにクランポンを装着するためのコバが付き、シャンクの剛性も高く、爪を立てながら傾斜を歩いても安定するように造られている。冬季は厚手のソックスを履くので、それを考慮してゆとりあるサイズを選ぼう。
ワンタッチのクランポンなら前後に、セミワンタッチなら後ろにブーツのコバがあれば装着することができる。
BACKPACK
【バックパック】
雪山用のバックパックは、アバランチギアを入れる収納スペースがあるものや、アイスアックスホルダー、スノーシューを装着するストラップなど、必要装備を装着できるよう造られており、バックパネルは通気性よりも保温性が重視されている。
岩や木にひっかかりにくいスリムなタイプで、滑落時に体を反転させるなど身動きが取りやすいものが多い。雪山は装備が増えるため、夏よりも1.5 ~ 2倍ほど荷物が増える。それを踏まえ、ゆとりある容量を選びたい。
CRAMPON
【クランポン】
硬く引き締まった雪や凍結斜面を歩くときはクランポンが必須。爪の数は4本、6本、8本、10本、12本とあるが、本格的な雪山登山ならかならず10 ~ 12本爪を用意すること。クランポンはブーツとの相性があるので、購入の際は使用するブーツにきちんと装着できるか確認したい。
山へ出かける前にサイズ調節を済ませ、携行時はすぐ取り出せるところに収納を。爪が鋭く、むき出しで持ち運ぶとほかの荷物を傷つけてしまう。携行時はケースに入れておこう。
クランポンの鋭い刃先を雪や氷に噛ませ、転倒やスリップ、滑落するのを防ぐ。爪数が多いほどグリップ性が高い。
AVALANCHE BEACON
【アバランチビーコン】
アバランチビーコンは、小型の電波送受信装置。雪崩で埋没した人を迅速かつ確実に見つけ出すため、緊急時に最重要となるアバランチギアだ。入山時はスイッチを入れ、電波を送信状態に設定する。ホルスターで体に巻きつけ、行動中は肌身離さず常に身につけておく。
埋没者を探すときはビーコンを受信に切り替え、要救助者が送信する電波を手がかりに埋没位置を特定する。行動をともにするメンバー全員で携行していることが重要となる。
ICE AXE
【アイスアックス(ピッケル)】
アイスアックスは硬い雪面や凍った傾斜を登高するとき必要になる。ラッセルや急斜面を登るときは雪に刺して手がかりにする杖としても役立ち、凍った斜面ではブレードでカッティングして足場を作る。
滑落したときはピックを刺して制動するなど、雪山では欠かせない重要なアイテムだ。未使用時はバックパックに装着して持ち運ぶ。町中や電車移動など人の多い場所では鋭利な部分をむきだしにせず、カバーを取り付けて安全面に配慮するのがマナー。
PROBE
【プローブ】
プローブはゾンデ棒とも呼ばれ、重要なアバランチギアのひとつ。雪崩で埋没した人の位置をアバランチビーコンで特定したら、プローブを雪に刺して要救助者が埋まっている場所を確認し、それから掘り出す。
伸ばすと3mほどの長さになるが、折りたためば40~50㎝ほどのサイズに。バックパックにコンパクトに収納でき、素材も軽量にできている。尾根や山頂に出たとき、プローブを使って雪庇の上に立っていないか確認することもある。
SHOVEL
【ショベル】
雪崩遭遇時に埋没者を掘り出す救助アイテム。アバランチギアの一種だが、雪洞を掘ったり、雪で食卓用のテーブルを作ったり、雪上にテントを張るときに設営地をならしたり、あるとなにかと役立つ。
グリップ形状はT型、D型、L型があり、ミトンや5本指などグローブタイプを踏まえながら握りやすさを考えたい。アルミ製はポリカーボネイト製より強度が高く、硬い雪にも強い。シャフトは取り外し式や収納式がある。
SNOW SHOES & WAKAN
【スノーシュー&ワカン】
雪が深く、比較的平坦な地形を移動するときは、スノーシューやワカンを利用すると便利。
スノーシューは浮力が高く、ツボ足では埋まってしまう深雪でもスムーズに進んでいける。
ワカンは蹴り込みながら歩け、クランポンを装着したままでも履けるため、ちょっとした傾斜まで対応可能だ。雪が引き締まった急な斜面はクランポン、それ以外はスノーシューやワカンを活用するなど、地形に合わせて装備を使いわけながら歩くといいだろう。
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
-
文◉栗山ちほ Text by Chiho Kuriyama
写真◉後藤武久 Photo by Takehisa Goto
SHARE
PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。