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ポーラテックネオシェル×ティートンブロス|驚異のストレッチ性を備え通気で汗蒸れを軽減する防水透湿素材

北米からのリクエストに応えるかたちで、春のロングツーリングに最適なパンツをリリースしたティートンブロス。通気性をもち、十分な耐水圧があり、長時間にわたって穿き続けてもストレスを感じない。その素材に起用したのは、ポーラテックが新開発したネオシェルのスーパーストレッチバージョンだった。

意外と少ないツーリング向けのスキーパンツ

ティートンブロスの「セラックパンツ」は、スキーツーリング向けに開発されたニューモデルである。ハイクアップでの機能性や使い勝手を重視した太すぎず、細すぎないシルエットを基本に、比較的温暖な春時期にも使いやすいよう通気性が高く、なおかつ雨が降ることも想定した十分な耐水圧をもち、さらに長時間にわたって行動してもストレスを感じさせない柔軟性をもつ。

考えてみれば、そうした長時間のスキーツアーに特化してデザインされたバックカントリー仕様のスキーパンツ自体、そう多くはない。では、実際に春の残雪期のロングスキーツーリングでなにを着用しているかといえば、たとえば真冬用のシェルパンツに薄手のタイツを合わせるか、あるいはトレッキング用の薄手シェルパンツを持ち出すこともあるだろう。

強いていえば、スキーモ(山岳スキーレース)のアスリートが着用しているような薄手のストレッチパンツが機能的に一番マッチしているのだが、体にジャストフィットしたいかにもランナー仕様のルックスで滑るには、まだ抵抗がある人もいるだろう。

「じつはこの秋冬の新製品であるセラックパンツの開発がスタートした理由も、それに近い事情がきっかけだったんです」と語るのは、ティートンブロスの鈴木紀行さんだ。

ティートンブロスのファウンダーにして商品開発デザイナーの鈴木紀行さん。世界に先駆けて ネオシェルニットバッカーを共同開発するなど、ポーラテック社と密接な連携を維持している

「始まりはアメリカからのリクエストでした。いまアメリカではかつてないほどツーリングスキー志向が高まっています。けれども、ヨーロッパブランドのスキーツーリング用パンツは、あまりにピチピチで穿くにはちょっと抵抗があるし、普段のデイツーリングで使うには使い勝手が悪い部分がある。

そこで、雪が安定する春から使え、長時間ハイクしても暑くならず、動きやすく、そして細すぎず、太すぎもしないツーリングパンツがほしいと。それがティートンブロスのアメリカマーケットを受け持つパートナーとポーラテック社からのリクエストだったんです。

以前はアメリカにもそうしたツアースキーに適したスキーパンツがあったようですが、いまはブランド自体がなくなっている。そこでウチで作ってくれないかと言われたのが始まりです。もちろん、日本でも春にはツーリングスキーが人気ですよね。そこで使えるものを作りたいという気持ちもあって、開発を始めたというわけです」

ティートンブロスとポーラテックは、これまで綿密なリレーションシップを築いてきた。新たな素材としてネオシェルが開発されると、それをいち早くウエアに取り入れ、さらには通気性と柔軟性を高めたネオシェルニットバッカーは、世界に先駆けて両社が共同開発した素材だ。高温多湿な夏季から、冬には連日のように豪雪が降り積もる日本の四季は、アウトドア用素材開発にとって格好の条件が揃っていたのだ。

今回のセラックパンツの素材もまた、そうした関係性を維持してきたポーラテック社からもたらされたものだった。

従来のネオシェルを大きく上回るストレッチ性をもつスーパーストレッチ。そのうえヒザ周りはトレッキングパンツから応用した工夫が凝らされている

「ポーラテックが提案してくれた素材が、このスーパーストレッチ仕様のネオシェルでした。よく伸びるポリウレタンメンブレンと裏地のニットバッカーはそのままに、表地にこれまでにない伸びを実現したストレッチナイロンを合わせてある。ツーリングスキーでは滑る以上に歩きの比重が高いじゃないですか。歩くときにほんのわずかでもパンツにストレスがあると、それが長時間になれば疲労の蓄積になりますからね」

防水透湿性シェル素材とは思えないほどしなやかでよく伸びるストレッチ性は、このツーリングパンツの大きなアドバンテージだ。もちろん、ネオシェルの耐水性のレギュレーションは満たしているため、雨に見舞われる機会も増えてくる春という季節にもいい。その一方で、生地自体はそこそこしっかりした厚みがある。春のロングツアー用といえば、生地を薄くしてクールダウン効果を狙うのが一般的だが、このパンツはあえてそれをしていない。「ウチのTBパンツなどに比べるとやや厚めの印象をもたれることが多いのですが、生地の目付自体はそれほど重くはありません。

ただ、それでも比較的厚めの生地を選んだ理由は、パンツはちょっと厚いほうがいい、と口を揃えるガイドたちの意見を重視したからです。耐久性ですね。やはり薄いと破れる可能性が高くなりますから、長いツアーでは安心しきれない部分があるんですね。ただし、通気性はTBパンツよりも高く設定されています。春先に使うから暑くなる要素を排除するためにビブではなくパンツなんです」

長時間のシール登行からクライムアップまでを想定

太すぎず、細すぎないこのツーリングパンツは、ディテールもまた考え抜かれたものだった。まずは、ウエストは圧迫感のない太目のウェビングにラダーフックで微調整する仕様。これならベルトやショルダーベルトも必要ない。

左腰には止水ファスナー付きのコインポケット。太腿両サイドには、腰からヒザ上まで開く大型のベンチレーション付き。片側にはアバランチトランシーバーの収納を想定したマチ付きポケットがあり、マップなどの収納にも便利な位置だ。角が立って擦れる部分はスーパーファブリックで補強し、外側にマチを設けることで、歩行中も脚に干渉しない位置に納まるようにデザインされている。TBパンツにも共通するティートンブロスの独自仕様だ。

裾周りは耐磨耗性に優れたスーパーファブリックで補強するとともに、登山靴からツアーブーツ、スキー&スノーボードブーツまで、あらゆる雪上のアクティビティで利用するほとんどのブーツに対応できるよう、スナップボタンとファスナーによって裾幅は3段階に調整できる。

ロングツーリング向けにデザインされたスキーパンツ。太腿ポケットはアバランチトランシーバー収納を想定したループ付き。脚の動きに干渉しない位置に納まる設計だ

ティートンブロスのバックカントリー用パンツのなかでは、もっとも裾を絞り込んだ設定は、クランポンの出番が多くなる春時期を想定したものだ。さらには、急斜面の登攀を含んだクライム&ライドを想定し、内股側のスーパーファブリック製クランポンガードは、裾からヒザ下あたりといった高めの位置に配置されている。これは急斜面で足を高く上げたときなど、クランポンの爪をひっかけやすい状況に対応したもので、強く滑らかな表面は不要なクランポンの引っかかりを軽減させてくれる。

さらに隠れた工夫としては、表面の縫い目を排除したヒザ周りの立体処理だ。ヒザの立体裁断にはさまざまな方法があるが、ヒザを立体的に立ち上げるために何本かのカッティングラインや縫い目が入ってくるのが一般的だ。だが、歩くたびにこすれるヒザ頭にステッチがあることは、足運びにストレスを与えることになる。そう考えたティートンブロスでは、前身頃と後身頃の長さを絶妙に変えて縫い合わせることで、前面のボリュームを増すことに成功している。これがストレスフリーのトレッキングパンツで培われたティートンブロス独自の技術である。

行動範囲や行動時期まで広げる可能性のある一本

このセラックパンツをテストしたのが、ティートンブロスを愛用するガイドの立本明広である。立本は厳冬期の北海道でテント泊スキーツアーを実践するほど経験豊富なスキーガイド。「今年はコロナの影響で春のスキーツーリングの機会が限られたため、インプレッションとしては十分ではないかもしれませんが……」と言いながらも、こう語ってくれた。

北海道で山岳ガイドオフィス「ノルテ」を主宰する立本明広さん。グリーンランドやアリューシャン遠征や南極観測隊経験もある本格派。厳冬期北海道でテント泊スキーツアーも実践中

「セラックパンツを使ったのはそれほど多くなかったのですが、2月上旬の檜枝岐での1泊2日のテント泊ツアーに、春の北海道のデイツーリングと、1泊2日のテント泊ツアーくらいかな。まずはなにより、やわらなかストレッチ素材による穿き心地の良さですね。まるでジャージを穿いてるような感覚でストレスフリー。長時間穿き続けても苦にならないし、1泊2日のテント泊ツアーでは、最初から最後まで穿きっぱなし。

普通、真冬のテント泊ではシェルパンツを穿いたままシュラフに入ることが多いのですが、まさにジャージ感覚だからそんなときも快適でしたね。自分は真冬から春までずっとビブタイプを愛用してきたんですが、やはりビブがないと涼しいし体温調整もしやすい。春以降のツーリングに新たな選択肢が加わったという感覚です」

普段はビブスタイルのパンツを愛用しているという立本さん。セラックパンツはビブではないが、長い時間着用していてもストレスがなく、「ジャージ感覚で穿ける」のも大きなメリットだという

ロングツアー向けにデザインされたこのセラックパンツは、使用を春時期に特定しているわけでもない。厳冬期でも比較的天気が安定していれば十分快適に使えるし、実際、立本は厳冬期の檜枝岐村のテント泊で使っている。要はコンディションと目的によって判断すればいいということだ。

さて、もともとポーラテックネオシェルは、通気性とストレッチ性に特徴のある防水透湿素材だった。今回、新たにセラックパンツに採用されたスーパーストレッチ仕様の素材は、通気性もストレッチ性もそれを大きく上回るものだ。ならば「ネオシェル・スーパーストレッチ」的な新たな素材名が与えられてしかるべきだとは思うが、あくまでも素材名は一貫して「ネオシェル」なのだそうだ。まあ、それはともかくも、素材のアップデートは私たちの行動範囲や行動時期まで広げる可能性がある。この新しいネオシェルもそのひとつなのだ。

ポーラテックネオシェル

耐水圧と通気性を高度にバランスさせた防水透湿性シェル素材。多孔質のポリウレタン系メンブレンの働きで、高い耐水圧を維持しながら通気性を備え、行動中のウエア内の蒸れを抑えてくれる。また、メンブレン自体がよくストレッチする素材のため、ストレッチの表地裏地と合わせることで防水透湿素材とは思えない柔軟性を発揮。カサカサした衣擦れ音も少なく、やわらかでしなやかな着心地を約束してくれる

ティートンブロス/セラックパンツ

素材のアップデートは私たちの行動範囲や行動時期まで広げてくれる

ティートンブロスの新製品。温暖な春のロングツアーを想定したスキーツアー向けパンツ。高いストレッチ性能によって脚にストレスを与えず、細すぎず太すぎないシルエットが汎用性を高めている

  • 価格:¥50,000
  • サイズ:S ~ XL
  • カラー:ガンメタル
  • 重量:700g(M)
メンブレンの入った防水透湿性素材とは思えないほど、よくストレッチする
3段階に調整できる裾はクランポン着用時も余分なバタ付き感を抑えてくれる

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さかいやスポーツウエア館

  • 東京都千代田区神保町2-48
  • 営業時間:11:00~20:00 (元旦を除き年中無休)
  • TEL.03-3626-0432

問:エスシーティージャパン(素材) TEL.03-5436-6380 www.challenge-21c.co.jp
問:ティートンブロス(商品) www.teton-bros.com

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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