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山で寒くて眠れないときに自力で身体を温める方法

寝袋の保温力が足りず、寒くて眠れずに何度も起きてしまった。そんな経験がある人は多いはずだ。その解決策として、巷では筋トレや湯たんぽを使う方法が囁かれているが、はたして効果はあるのか? サーモグラフィーを使って、噂の真相を実験してみた。

文◉吉澤英晃 Text by Hideaki Yoshizawa
写真◉猪俣慎吾 Photo by Shingo Inomata
出典◉PEAKS 2018年9月号 No.106

ライターの吉澤英晃がチャレンジ!

予想以上に外気温が低下してしまい、寝袋の保温力が足りずに寒くて寝付けない。このような辛い状況を経験したことはあるはずだ。寝袋の中で身体を丸めて、頭まですっぽりフードで覆い、首元を締めてもまだ寒い。

こうなると夜が明けるのをじっと待つしか方法がないと思いがちだが、腕立てや腹筋などの筋トレを行なったり、カイロや湯たんぽといった道具を使用したりすると、体を温めることができるのだ。

たしかに、これらの方法を実践すると、体温の上昇を実感することができる。しかし、実際にどの程度まで温度が上がっているのか、具体的な数値を示すデータは見たことがなかった。そこで今回は、体温を撮影できるスマホアプリを使用して、運動する方法と道具を使う方法で、どれくらい体が温まるのか実験してみた。

するとどうだろう。局所的に部位が温まる方法もあれば、効率的に全身の体温を上昇させることができる術もあることが判明した。これさえ知っておけば、瞬時に体温を上昇させることが可能になり、寒くて寝付けないという状況を回避できるようになる。

いずれの方法も、寝袋に入る前、入ってから寝袋が温まるまで、時間が経って体が冷えてしまったときなどに試すと効果的だ。さまざまな方法の実験結果をまとめたので、ぜひチェックしてもらいたい。どれもが簡単に実践できる方法なので、次の山行からさっそく試してみよう。

通常の状態

特別な運動をせずに道具を使って加温もしていない、ニュートラルな体温を撮影した。白い部分の体温がもっとも高く、左のグラデーションに沿って、白→赤→オレンジ→黄色→緑→青と温度が変わる。

効果的な運動は?

実験では腹筋がもっとも効果的な体を温める運動といえる結果になった。その他の筋トレでも部分的に体は温かくなったが、全身の体温が上昇するまでには至らず。また、寝袋から出る必要があるので、外気の影響を受けてしまうデメリットも。しかし、腹筋なら寝袋に入ったまま試せるため、寝袋内の温度も効率よく高めることができる。

CASE.01/運動する

腹筋

寝袋に入ったままできる現実的な方法が腹筋だ。こちらも30 回してから撮影してみると、全身の体温が上昇しているのがわかる。これは期待以上の結果が得られた。だれもがすぐに実践できるおすすめの方法だ。

スクワット

スクワットの回数は30 回。太ももなどの大きな筋肉を動かすと体が温まると聞いていたが、期待していたほど体温の上昇にはつながらず。これは予想外の結果となった。

走る

寒い寒いとつぶやきながら、約1分間、小刻みに走ってみた。結果を見ると全体的にじわっと体温が上昇している。これはいちばん疲れない運動なので、お手軽感がある。

腕立て伏せ

腕立て伏せを30回してみた。これがもっとも上半身が温まった感覚があり、撮影してみると確かに顔や胸の体温が上昇しているのがわかる。しかし、残念ながら下半身まで温める効果はないようだ。

CASE.02/あったかアイテムを活用

湯たんぽ

ナルゲンボトルに湯を入れると湯たんぽとして使用することができる。直接肌に触れると低温火傷になる危険性があるので注意が必要だ。実際に使用するときは、靴下やタオルなどで包むようにしよう。

足先の温度が上昇しているのが分かる。しかし、やはり局所的にしか加温されず、全身を温めることはできなかった。

つま先が冷えて眠れないときには効果的といえる。

鼠径部に湯たんぽを挟む方法も試してみた。太ももの内側を中心に体温が上昇しているのが確認できる。

つま先を温めるよりも全身が温まった感覚があった。

ダウンブーティ

保温のために靴下を用意するなら、軽くてコンパクトになるダウンブーティを選択肢に入れてもいいだろう。

足首まで覆うことができるため、広範囲にわたって足を温めることができるのだ。

カイロ(オイル式)

オイルを使用して発熱するカイロ。最大24時間も暖かさをキープできる。繰り返して使えるので、環境に優しいエコなアイテムでもある。

ジャケットの左胸ポケットに入れて横になってみた。

心臓部分にカイロを当てると血液が温まり、結果として体温が上昇すると聞いていたが、たしかに左胸を中心に上半身が温まっているのがわかる。

アイテムを使うなら?

どのアイテムにも持続性があり、高い温度で体を温めることができるポイントは、運動にはないメリットだ。

足先が冷える人には湯たんぽやダウンブーティがおすすめできるし、上半身を温めたいときは、鼠径部に湯たんぽを挟むか、カイロを使うとよいだろう。そのなかでももっとも長く発熱するカイロは、冬山などで体を温めたい場合におすすめできる。

燃料=食事もきちんと取ろう

発熱するためには材料が必要

体温を上昇させるには、外から加温するほかに、内側から熱を作り出す方法がある。この、体の内部から発熱するために欠かせないのがエネルギーだ。これは食料から得ることができる。

おもに砂糖、油などを摂取すると、それらがエネルギーとなって体内で熱が作られるのだ。具体的には、温かい飲み物といっしょにチョコレートなどカロリーが高い食品を食べると体温の上昇に効果的だ。

出典

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PEAKS 編集部

PEAKS 編集部

装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

PEAKS 編集部の記事一覧

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