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スノーシーズンにおけるウエアリングの流儀

小誌にも登場し、登山シーンで活躍する5人のプロたち。それぞれ自身が好む山での活動において、いったいどういう視点でウエア選びをしているのか? そんな気になる疑問を活動内容別に紹介しよう。

文◉高橋庄太郎、山畑理絵、村石太郎 Text by Shotaro Takahashi, Rie Yamahata, Taro Muraishi
写真◉加戸昭太郎、矢島真一、杉村 航 Photo by Shotaro Kato, Shinichi Yajima, Wataru Sugimura
出典◉PEAKS 2017年11月号 No.96

活動内容により選び方はさまざまだからこそプロたちの着眼点に注目。

〝雪山テント泊山行〞

「動けばやたらと暑く、止まれば極端に寒い……。そんな体質に合わせて」

1.高橋庄太郎

山岳/アウトドアライター。1年の半分以上はフィールドへ。現場の状況に合わせて道具をテストしつつ、四季を通じて日本中の山を楽しんでいる。著書に『山道具 選び方、使い方』(小社刊)など。

積雪期の寒い山は温かなウエアを着ていなければ「ただそこにいるだけで死ぬ」という状況。とくに体を動かしていないと雪山の寒さはハンパなく、無雪期とは比較にならないほど過酷です。正直なところ、寒いのが苦手な僕は、温かな夏のことを懐しみながら雪の山を歩いていたりして……。

もちろん雪山なりの楽しさがあるので冬も山に入りますし、しかも寒いのが嫌いな以上にキャンプが好きなので、昼以上に寒い夜を野外のテントの中ですごしていたりします。
だから、冬のウエアに求めるのは第一に保温性になります。

保温性とは当たり前すぎる言葉のようですが、僕はほかの人以上に寒さに弱いんです!
それなのに、僕は少し体を動かすだけでも、冬もたくさんの汗をかいてしまいます。つまり動いていると、冬でもけっこう暑いというわけ。体温調整の機能という面ではダメな体だと思います。

僕の大量の汗を発散させるには、防水性のハードシェルの透湿性ではなかなか追いつかず、僕の最近の冬山の行動着は、もっぱらソフトシェル。その下はベースレイヤー1枚のことが多く、冬のレイヤリングなのに、たった2枚。

強風や降雪で寒い場合はソフトシェルの上にハードシェルを着て、3枚のレイヤリングにします。ソフトシェルはアウターにも使えるミドルレイヤーの仲間ではありますが、中綿が入ったものや起毛素材といったいかにもミドルレイヤーらしいミドルレイヤーはあまり使うことがないので、ちょっと変わったレイヤリングかもしれません。

だけど、テント泊時はとにかく寒さを感じるため、ベースレイヤーの上にミドルレイヤーをプラスし、ダウンジャケットは薄手と厚手を2枚重ね。行動中の薄着っぷりとは正反対で、その極端な厚着には自分でも驚きます。でも、僕にとってはこれがいいんです。

〝雪山小屋泊山行〞

「ただだれかの真似をするのではなく、自分の体感的なモノサシを大切に」

2.山畑理絵

3年前にスキーの楽しさに開眼し、雪山に通う日数が増加したアウトドアライター。日帰りからテント泊、トレラン、ボルダリングなど四季を通じてフィールド三昧だが、寒さだけはどうもニガテ。

ウエアを選ぶ際のキーワードは、自分にとっていかに〝ストレスフリーにできるかどうか〞です。最初は少しのストレスだったとしても、1日中行動していれば何時間も続くことになりますよね。

わたしはパワーではなくメンタルで歩くタイプで、ストレスが疲労に直結しやすい。なので、できる限り精神的苦労のない環境を作る努力をしています。サイズ感、動きやすさ、使い勝手などいろいろありますが、なかでも敏感なのが保温性。寒さに対してはとくに苦痛を感じやすく、保温性だけは絶対に犠牲にしたくないので、防寒対策は常に念頭においています(冬に限らず1年通して心掛けていることでもあります)。

もちろん、荷物が少しでも軽いにことに越したことはないのですが、過去に軽さを追求しすぎて保温性を二の次にしてしまったたことで、「寒くて寒くてどうしようもない! 全然楽しくない!」という経験から、防寒対策には過敏になりました。多少重くなってかさばったとしても、寒くてしんどい思いはしたくない……。

もちろん雪山に足を運ぶ時点で、寒さを100%感じないのは無理なこと。でも、不快感を軽減させる対策は、アイテム選びである程度はカバーできると思うんです。
登山ウエアは年々進化し、どんどん快適で多機能になっています。

なので、マニュアルや他人の意見は参考程度にしておいて、新しい製品にはアンテナを張るようにしています。
「自分だったら?」を常に意識していたら、シンデレラフィットならぬ、シンデレラチョイスに出合うことも増えました。

体感温度は、人それぞれ。なので、これまでの経験と感覚を頼りにトライ&エラーを繰り返しながら、いまも自分のベストを模索している最中です。あーだこーだレイヤリングのことを考えているのも、自分にとってはなかなか楽しい時間なんですよね。

〝冬期低山ハイキング〞

「目立たず小ぎれいに! 見た目が落ち着いているウール製品を多様」

3.森 勝

ブログ「自転車とアウトドアライフ」にて、ハイキングやアウトドア小道具情報を発信し続ける人気ブロガー。早い、近い、安いの3拍子揃った低山にこだわり、イベントの案内役なども務めている。

暇さえあれば裏山を歩いているボクの晩秋から冬季の楽しみは、紅葉の具合を見計らって地図には載っていない道を探しだしたり、落葉したあとは双眼鏡で山肌を眺め、地形を調べ、降雪後には足跡で人が入ったかどうかを調べたりして歩くこと。

こうしたときは、少し歩いてはメモをとるため、汗ダクにはならない。だが、泥混じりの雪の斜面や倒木の間を這いずり回って歩くことが多い。それにハイカーがほとんど来ないような山間の集落を歩くことになるため、一番大切にしていることは、不審者と思われないようにあまり目立たず小奇麗なウエアを着ることが重要だったりする。

だから、一般的なアウトドアウエアに比べて見た目が落ち着いているウール製品をベースレイヤーからミドルレイヤー、アウターまでと多用している。汚れが落ちやすく、汗冷えしにくい。さらに着心地がよく、乾燥肌も防いでくれるのもありがたい。焚き火でも安心できるし、消臭効果も抜群だ。

普段着もほぼウール製品ですごしていて、多くを山着と兼用している。いつも着ているウエアを羽織って、そのまま山にも街にも行ける。そう感じているので、ウールがもう少し擦れや引っ掛けに強ければいいのにとも思う。こうした短所を補ってくれるウールと化繊の混紡素材に期待している。

また、ハイキングイベントでの案内役をしているのだが、低山の難所では、両手でしっかりと木や岩をつかんで、お尻や膝、肘を使えば、大抵の場所は安全に行動できる。しかし、みんな高価なアウトドアウエアを汚したくないと考えるのだろう。安全性よりも、ウエアを大切にしながら行動している人が多いように感じている。

こうした姿から、歩いているだけで汚れが落ちていく自助クリーニング機能のあるウエアなんてできないかなぁ~と思っている。

〝冬期アルパインクライミング〞

「細かなディテールにも注目し、ウエアといえども「ギア」の目線で」

4.平野応典

東京・四谷の「山の店デナリ」のオーナー。冬期登攀やクライミングなど“岩と氷”に強く、ツウ好みの品ぞろえで、ほかの店とは一線を画している。そのギア類への知識には業界人も一目置いている。

アルパイン系ギア中心のショップのオーナーという職業柄、山のウエアは服というよりも「ギア」の目線で選ぶことが多いんです。もちろん自分の好みの色やブランドはありますが、見た目のファッション性よりも素材の性能やエルゴミックなデザインなどの使い勝手を重視しています。

たとえば、冬のアウタージャケットはベンチレーションが必須。
体を動かし続けてオーバーヒートする前に最小限の動きで温度調整ができます。
また、オーバーパンツならブーツやクランポンをつけたままでも簡単に脱ぎ着できる、サイドがフルオープンするタイプ。

さらに、腰の位置にフラップがついていれば不用意に雪が入り込まず、ベンチレーターとしても使いやすくなります。過度な熱が抜けるので、こうなると春先まで快適なんです。

個人的にビレイジャケットはフロントのファスナーがダブルになっていることがマスト。下側のジッパーを少し開けば、ビレイループがすぐに使えますから。
「寒ければ着て、暑ければ脱ぐ」、「濡らさない」。単純なことですが、冬期登攀やアイスクライミングの現場では都合よく着たり脱いだりできない場面も多くて、かいた汗はビレイ中にしっかり冷えます。

そのうえ冬はあらゆる動作がグローブでの作業で煩わしい……。
そんなとき、「このジャケットのベンチレーションのジッパー、開けやすいイイ位置にあるなぁ~」とか、「このベースレイヤーの裏地のグリッド、汗冷え感少なっ!」とか、使えば使うほど作り手の明確なコンセプトが伝わってくるウエアは、僕にとってはもはや「ギア」なんです。

「機能美」にこそ道具の価値はあり、それを反映したウエアを単に服として着るにはもったいない。そんな使い込むほどにそのすばらしさを感じられる、こだわりの1着を僕は選んでいます。

〝スキーツーリング〞

「僕のウエアリングは、ベースレイヤーを2枚重ねにした4レイヤー仕様」

5.村石太郎

本誌の人気連載「野外道具探訪記」でもおなじみのアウトドアライター。一年の半分はスキーツーリング&スノーボーディングへ、もう半分の夏は北アラスカへと思いを馳せている。

冬でも、夏でも、僕のウエアリングの基本はベースレイヤー2枚にハードシェル1枚。そこに気温に応じてミドルレイヤーをプラスする4レイヤー仕様だ。厳冬季にスキーを使って出掛けるときならば、メリノウール製のアンダーウエア2枚を重ね、化繊中綿のインシュレーションを着て行動を開始する。

ハードシェルジャケットは、稜線に出て風が強まったときや、滑走時になってはじめて羽織る。
3月中旬ごろからの春スキーシーズンには、インシュレーションをハードフェイスフリースに変更して、季節の変化とともに厚みを薄くしている。

ちなみに、グリーンシーズンには、2枚重ねのベースレイヤーのうえに軽量なウィンドシェルを羽織り、レインウエアを着るのは降雨時などに限られる。また、いずれのミドルレイヤーも、暑いと感じたらすぐに脱ぐことは共通する。

なぜ、ベースレイヤーを2枚重ねにするのかというと、それが単純に調子いいからなのだ。山のなかでの行動中は、真夏であっても肌寒いと感じるとき、真冬であっても暑いと感じるときがある。

こうした温度変化があるなかで、不快さを感じない幅が広く、上に羽織ったり脱いだりを繰り返す必要性がもっとも少ないと感じるためなのだ。
たとえば、寒風がピューッと吹いたとき、1枚のベースレイヤーでは寒く感じる。しかし、2枚重ねにすることで、ある程度の風は気にならなくなる。

なお、ベースレイヤーを含め、肌に触れるものはすべてメリノウール製品にしているが、これも単に心地良いと思うからだ。
こうした感覚は、それぞれの体質や好みによっても異なる。だれにでもすすめられるものはない。

だから、ぜひとも自身が一番心地良いと思うウエアリングを見つけていただきたい。

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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