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冬期山行ウエア談義「ミッドレイヤー&インシュレーション」

アウターシェルに続いて、次のテーマはミドルレイヤーとインシュレーション。雪山山行テント泊、同ワンデイ・山小屋泊、冬期登攀、スキーツーリング、低山ハイクといったそれぞれの立場から、各分野のエキスパートたちの興味深い話がここでもまた続出!

文◉山本晃市 Text by Koichi Yamamoto(DO Mt.BOOK)
写真◉高橋郁子 Photo by Ikuko Takahashi
出典◉PEAKS 2017年11月号 No.96

SPECIAL TALK SESSION

座談会メンバー

高橋庄太郎(雪山テント泊山行)、山畑理絵(雪山小屋泊山行)、森 勝(冬期低山ハイキング)、平野応典(冬期アルパインクライミング)、村石太郎(スキーツーリング)

――ミドルレイヤー、中間着についても担当の立場から役割や特徴をまずはお話しください。

高橋 ぼくの場合はアウターにソフトシェルを使い、その内側にインシュレーション系のミドルレイヤーはあまり使わないんです。ソフトシェルの下にベースレイヤー。必要時はソフトシェルの上にハードシェルを着て、ソフトシェルをミドルレイヤーにする。基本的にはいつも暑いと思って歩いているので、ミドルレイヤーで保温するという発想自体がないんです。

村石 ソフトシェルは、ミドルレイヤーという使い方もできますよね。ソフトシェルはハードフェイスのフリース。ですので、ミドルレイヤーでもある。

テント泊防寒着と考えると、やはりダウン。【高橋】

高橋 アウターがいちばん外側に着るものという文字通りの定義でいえば、ぼくにとってのソフトシェルは、通常はアウター。同時に、その上にハードシェルを着れば、言葉的にはミドルレイヤーということになる。言葉が難しい。

平野 アウターシェルとベースレイヤーの間はデッドエア層だから、普通は保温機能をもっているものを選ぶ。冷たい空気がぶつかったときにアウターの下が直接ベースレイヤーだとやはり寒い。
高橋 そう、ソフトシェルだけでは、止まったときにすごく寒くなる。ただ、歩いていれば問題ない。

――では、ミドルレイヤーで重視する機能はなんでしょうか?

山畑 私は寒がりなので、多少重くてもとにかく寒くないと感じるようなものを選びます。軽さを意識するあまり保温性を犠牲にしてストレスを感じたくない。ミドルレイヤーに限らずですが、自分にとってストレスがないかどうかを常に重視しています。

厳冬期は保温性、それ以外は通気性・防風性のバランスを重視。【村石】

森 ぼくは3つのタイプを使い分けています。ベストタイプとマイクロフリース、ジッパー付きのウールシャツでピタっとしたもの。フリースは汗だくになると匂いが気になる。電車に乗るときも下山したままのウエアのことが多いので。できるだけ匂いが気にならないもので、着用しないときは小さくなるものがいい。

平野 ぼくはベストがマスト。体幹を常に暖めたい。人間の大事な部分である内臓を、エンジンを早く暖めるようなイメージで、ベースレイヤーの上にベスト。体からの同じ熱源量で暖めることを考えると、暖房効率は長袖タイプよりもベストのほうがいい。

村石 シーズンを大きく分けて、厳冬期のパウダー狙い、3月中~下旬以降のふたつとすると、前者ではリフトアクセスの場合が多いので厚手のフリース、後者ではハードフェイスフリース、つまりソフトシェルを着ます。厳冬期は、完全にロフトの高いもの、保温性を優先します。一方3月は、シェルを着たときの暖かさと着ていないときの通気性・防風性のバランスを重視しています。

平野 フリース以外の素材のものが出てはきましたが、やはりミドルレイヤーではフリースが王道。フリースのなかでもロフト高の差だとかハードフェイスなのか、そのあたりで好みが分かれますよね。

多少重くても、とにかく寒くないと感じるものを選びます。【山畑】

高橋 暑がりというのもあって、ミドルレイヤーとしてフリースは、ほとんどぼくは着ない。
森 ぼくは寒がりなので、アウターを着ない場合は普通のフリースでは無理。ハードフェイスフリースを多用しています。

平野 ところで、インシュレーションはダウン派、化繊派?
山畑 昨シーズンから化繊派です。最近は化繊の進化が著しく、かさばらずにコンパクト、それでいてダウンのように暖かいものもある。

高橋 夏は化繊、冬はダウンが多いです。
村石 ぼくは逆。冬化繊、夏ダウン。夏はインシュレーションを着て行動することがまずないので。

高橋  ぼくは、高所のテント泊のときに着ることが多い。テントの中が結露していたり、雨が降っていたりすることもあるから夏は濡れる。だから夏は化繊。冬は凍っているから濡れないんですね。

山畑 化繊は濡れに強いし、重ね着したときもダウンのようなモコモコ感がないので見た目もスッキリ。ですので、最近は冬も化繊を持っていくことが増えました。
平野 冬は化繊ですが、軽いし小さくなるから夏ダウン。いまは撥水ダウンがあるから、かなり快適。

森 ぼくも夏がダウンで、冬に化繊。低山の場合はとにかくがんばってお昼までに山頂へ行く。そこで昼食。低山では山頂だけが開けていることが多いし、景色もいい。ただ、それだと真冬はランチの間に完全に体が冷え切ってしまう。そのまま下山して、途中で汗をかいてもみんなに待ってもらいたくないので、脱ぎたくないんです。それで冬は化繊を選んでます。

できるだけ匂いが気にならないもの、かつ小さくなるもの。【森】

平野 夏のインシュレーションって、濡れない前提じゃないですか。いずれにしても、状況に応じて、現場に適した使い分けですよね。
村石 確かに、夏山でも雨が続くとわかっていれば化繊を使いますね。それと冬の場合は気温もある。氷点下20℃を越すとダウンかな。

平野 アプローチがあまりにも長いときなどは間違いなくダウンを持っていきます。同程度の暖かさで考えると化繊より軽いですから。

――もし最初にひとつ買うなら?

村石 化繊かな。多少水に濡れても気にならないし、軽くて暖かい。汎用性が高いですよね。
平野 冬山ならやはり化繊ですね。穴が空いても中綿が出てこないし。
村石 とくにシェルの下に着ることを考えると、どうしても汗が放出されないので化繊ですよね。

山畑 化繊です。重ね着にも対応しやすいという点で化繊に1票。
高橋 テント場に到着してから着ると想定すると歩いているときは着ないので行動中の汗や雪による濡れは気にならない。テント泊防寒着と考えると、やはりダウンがよいのでは?

平野 化繊のメリットももちろんある。ただ、重量バランスと収納性、暖かさを考えれば断然ダウンですね。すべて、状況次第ですよ。

――選ぶうえでのアドバイスをお願いできますか。

平野 ダブダブしないもの、フィット感の高いものですね。狭すぎず、広すぎず。上にアウターを着ることが前提のアイテムですから。
村石 アクティビティに応じた厚み、素材。ただ、なかなかマッチしたものを見つけて選び出すこと自体が難しいのですけれど。

森 ボイルドウールもいい。タウンユース的な感覚で使えますし。それから、裏生地の肌触りの良さも重視したいですね。
平野  化繊は4日目ぐらいから心が折れてくる。冷たさをどうしても感じてしまう。一方、ウールは5日から6日は大丈夫。やはり天然素材はすばらしい。ただ、重い。生地面積が大きくなると、どうしても重くなる。

高橋 それから、フードのあるなし。レイヤリングをする際、これはけっこう重要。フードを3枚ぐらい重ねている人がたまにいて、じゃまじゃないのかな、と(笑)。

重量とコンパクトさ、このバランスを考えての選択。【平野】

平野 フード・オン・フード・オン・フードね(笑)。
高橋 たとえばソフトシェルをミドルレイヤーとして着てる場合はソフトシェルはフードのないものを選ぶ。フードがいくつも重なると、重ね着しにくいので。こういう点も少し考えると、レイヤリングがよりしやすくなると思います。

村石 スキーの場合は全部フードがあってもいい。どの段階でも頭を守れるので。ロケーションやアクティビティによっても、ニーズは異なりますよね。
森 仕事柄いろいろなショップに行くのですが、アウトドアプロダクトとしては、フードがあったほうがよく売れるそうです。

平野 ベース、あるいはいちばん外側にもってくるのが、やはりごわつき感はないよね。それから洗濯回数が多くなると、痛みどころがないように見えても、実際にはロフト高が落ちて、暖かさがどうしても低減する。ですので、やはり化繊のほうが汎用性は高い。

村石 軽いし、動きやすい。インシュレーションはやはり化繊がオススメ。もちろん暖かさだけでいえばダウンですが。
平野 重量とコンパクトさ、このバランスを考えての選択ですね。

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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