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アウトドアショップの歴史といま

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History of the Outdoor Stores

ドイツの大型店「グローブトロッター」は、その圧倒的な品揃えで人気を博している。現在、同国内で17店舗を展開中。

近代登山の発祥は、18世紀後半にアルプス最高峰のモンブランが登頂されたことによって始まったとされている。当時、専用の道具はまだ存在せず、登山家たちはウールの下着や上着を幾重にも重ね、足元は農作業や林業に関わる人たちが履いていたワークブーツという出で立ちである。

手には、鍬やツルハシをもとに作ったアルペンストックやアイスアックス(ピッケル)を持ち、氷河での滑り止めとして作ったクランポン(アイゼン)を靴底に装着して、より困難な高峰へと挑むようになっていった。

こうした登攀用具は、英国貴族を中心とした登山者から依頼され、アルプス山麓の小さな村で鍛冶業を営む職人たちによって作られていった。

ドイツ北部の都市・ミュンヘンに構える「グローブトロッター」。

時は流れ、二度の大戦が終結すると、生活にも余裕が生まれレジャーとしての登山を楽しむ人が出てくる。1950年代以降には、欧米をはじめ、日本でも登山ブームが巻き起こり、登山用品店が次々と開店する。

そのきっかけは、’53年に英国隊のエドモントヒラリーとテンジン・ノルゲイによって成し遂げられた、世界最高峰のエベレスト登頂とされている。日本でも、’56年に槇有恒率いる日本隊がマナスル峰の登頂を果たしたことから、第一次登山ブームが巻き起こった。

登山への玄関口がある列車の駅は登山客であふれ、足の踏み場もないほどの混雑を見せるほどだった。

地上4階建ての広い店内には、降雨時の状況を再現するレインウエア専用のレインチャンバー、登山靴の試し履きをするための簡易トレイルなどの施設が充実する。

当時、日本国内の登山用品店は限られており、登山者たちはスポーツ用品店の一角に置かれた登山靴やバックパック(リュックサック)を羨望の眼差しで眺めた。

専門店が充実する都市部でも品物は受注生産で、客がオーダーしてから作る仕組みだ。現在全国に30店舗以上を展開する「石井スポーツ」が誕生したのも同じころ。’50(昭和25)年に東京・新大久保で登山とスキー用品の製造販売を始め、’64(昭和39)年に株式会社化。

全米随一の名店として親しまれたが、2012年に閉店した「マーモット・マウンテンワークス」。
オンラインショッピングが全盛の時代にあって、同店のような老舗店が次々と閉店に追い込まれているのも現実だ。

全国で44店舗を展開する好日山荘の創業は’24(大正13)年と、国内ではもっとも古くから営業する登山専門店であろう。一方、個性豊かな個人経営の店も、登山ブーム以降に数多く開店した。

こうした状況にブレーキがかかったのが、’90年代の景気低迷期のアウトドアバブル崩壊であろう。
経営者の高齢化を理由に、営業を終える店も増えていった。そうしたなかで勢いをつけたのが、体験型施設などの趣向を凝らした大型店舗だ。

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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