山で食べたい基本の炭水化物(米・麺・パン)4変化レシピ
PEAKS 編集部
- 2021年03月10日
INDEX
アルファ化米、ラーメン、パン。山ご飯の基本食材である3つの炭水化物に、少しだけ手を加えて、さらにおいしく味わうヒントを紹介しよう。まずは1食だけでも導入してみると、食べ飽きたあの味も新鮮に感じるぞ。
文◉池田 圭 Text by Kei Ikeda
写真◉宇佐美博之 Photo by Hiroyuki Usami
出典◉PEAKSアーカイブ ソロトレッキング
- 難易度アイコンの目安
★……超簡単。だれでもできます。 ★★…切って鍋に入れるだけ、などなど作業はほぼ手間いらず。
★★★…ちょっとひと手間。 ★★★★…料理好き向き。家で練習してから出かけるのが無難。 - 分量はすべて1人前。調理時間はアルファ化米が戻っている状態からの調理時間で計算
アルファ化米をおいしく食べるコツ
ご存知のとおり、アルファ化米はお米のフリーズドライである。フリーズドライに油分を入れるのは難しいため、アルファ化米もただ戻すだけではパサパサ感が残ってしまう。調理時には少し油分を補うことを意識して使うことが、美味しく食べるポイントだ。またリゾットや雑炊にする際は、スープの中に入れて煮ながら戻すと味を吸い込んで美味。お湯を入れて待つより、調理ついでにアルファ化米も煮ながら戻すことで、調理時間も短縮できる。
rice:1 香ばしい香りが食欲を刺激する
バター焼おにぎりα
調理時間:5分/難易度:★★☆☆
行動中や夜のうちに戻した冷たいアルファ化米は焼きおにぎりにするのがおすすめ。味付きのアルファ化米を使ってもうまい! バターはチューブタイプが便利。
材料
- 韓国海苔 2枚
- 大葉(シソ) 2枚
- バター 1かけ(10g)
- しょう油 小さじ1(5㎖)
作り方
❶アルファ化米が戻ったら、おにぎり型に握る。ひとつ分の量ずつアルファ化米の袋に入れて、上から握ると手が汚れない。
❷フライパンにアルミホイルを敷き、中火でバターを溶かす。バターが溶けたらおにぎりを入れ、焦げ目がつくまで焼き、しょう油を垂らす。
❸大葉と韓国海苔で巻いて完成。
rice:2 朝でもサラッと食べられる
アサトマリゾット
調理時間:5分/難易度:★★☆☆
材料を切ったら、フライパンに沸かしたお湯へ次々に入れるだけの簡単レシピ。お好みで、トマトペーストをコンソメにしてみたり、味噌汁にしたりもあり。
材料
- アサリ缶ミニ 1缶
- アスパラ 1本
- トマトピューレ 1袋
- とろけるチーズ 1枚
- 塩 ひとつまみ(味を見ながら)
- ブラックペッパー 少々
- 水 120㎖
作り方
❶アスパラを斜め切りにする。薄く切った方が、火がすぐにとおる。
❷フライパンにお湯を沸かし、アスパラ、アサリ缶を入れる。
❸アスパラに火がとおったら、トマトピューレを入れて溶かし、戻しておいたアルファ化米を入れる。煮ながら戻してもOK。
❹最後に塩で味を整え、とろけるチーズ、ブラックペッパーをのせて完成。
rice:3 ラーメン×炒飯は好相性!
ラーメンタマゴ炒飯
調理時間:5分/難易度:★★☆☆
味付けはラーメンの粉末スープを活用。一気に入れると味が濃くなるので味見をしながら足そう。残ったら食後にスープを作るとフライパンもきれいになる。
材料
- 卵 1個
- ハム 1枚
- 長ネギ 10㎝ほど
- 棒ラーメンの粉末スープ 1袋
- ゴマ油 大さじ1(15㎖)
- 塩 少々
作り方
❶フライパンにゴマ油を入れ、温まったら細切りにしたハム、細かく切った長ネギを加えて炒める。
❷別の器でよくといておいた卵を、フライパンに加える。
❸戻しておいたアルファ化米を卵の上に加える。卵にまだ火がとおっていないうちに素早く加えることがポイント。
❹炒めながら全体を混ぜ、味を見ながら棒ラーメンの粉末スープを加える。塩気が足りなければ、最後に塩で味を整える。
rice:4 おやきのような新食感
おやき風ライスキッシュ
調理時間:7分/難易度:★★★★
カレー味の米粉お好み焼きといえば、イメージがしやすいだろうか。フタをして弱火でじっくり火を通そう。冷めてもおいしいので、行動食にしても◎。
材料
- 卵 1個
- 玉ネギ 1/4個
- ミックスビーンズ 1袋
- ソーセージ 1本
- カレー粉 小さじ1(5g)
- 粉チーズ 大さじ1(15g)
- オリーブオイル 大さじ1(15g)
- 塩 ひとつまみ(3g)
- ブラックペッパー ひとつまみ(3g)
作り方
❶オイル5gを敷いたフライパンで、輪切りにしたソーセージとミックスビーンズ、みじん切りにした玉ネギを炒める。
❷戻しておいたアルファ化米1/2袋に❶の具材、卵、すべての調味料を入れて、袋の中で混ぜる。
❸残りのオイル(10g)をフライパンで熱し、❷の中身を成型しながらフタをして両面焼く。裏返すときはフタを使うと便利。
❹両面にこんがり焦げ目がついたら完成。
棒ラーメンをおいしく食べるコツ
まず、たっぷりのお湯で茹でることが、棒ラーメンをおいしく食べるコツ。さらに水に余裕があるなら、茹で汁とスープを別のお湯で作るだけで味が格段に変わってくる。いつもとひと味違う食べ方を試したいなら、焼きそばや油素麺のように炒めて使うのもおすすめ。さらに、ぜひ試してほしいのが、茹でた麺を冷水でしめる方法だ。ヌメりをしっかりと洗い流すと、臭みが抜けてまったく別の麺のようになる。つけ麺や冷やし中華としてどうぞ。
POINT.1
調味料は1回分ずつ小分けに
調味料がいくつか必要なレシピの場合は、事前に使うものをラップでひとつにまとめておくと調理時に楽。液体調味料も使うものを小分けボトルに混ぜておこう。ひとつにまとめれば、余計なボトルをいくつも持っていく必要がない。
POINT.2
なるべくフライパンひとつで済ます
「煮」「焼き」を同時進行する場合はむずかしいが、段取りと手順をよく考えれば、フライパンひとつで大抵の料理は作ることができる。油っぽいものや粘度のあるソースの料理を作ったときは、最後にスープを作ると後片付けの手間が減って楽だ。
noodle:1 パスタ代わりにラーメンもあり
ナポリラーメン
調理時間:5分/難易度:★★☆☆
パスタ代わりにラーメンを使えば、茹で時間がずっと短く済む。具材と混ぜ合わせるときに火が入るので、表記の茹で時間よりも少し早めにあげるといい。
材料
- 玉ネギ 1/4個
- ソーセージ 2本
- マッシュルーム 1袋
- オリーブオイル 大さじ1(15g)
- ケチャップ 1袋
- 塩コショウ ひとつまみ(3g)
作り方
❶玉ネギとソーセージを薄切りにする。
❷オイルを入れて熱したフライパンで、❶の具材とマッシュルームを炒める。
❸麺が茹で上がったら、❷のフライパンに加える。ケチャップを入れ、全体を混ぜる。塩コショウで味を整えて完成。焦げ目をつけてもうまい。
noodle:2 煮干しも麺もカリカリに!
カリカリ煮干しの油素麺
調理時間:5分/難易度:★★★☆
初めに多めの油で煮干しをしっかり揚げ焼きすると、魚の匂いが気にならなくなる。麺を入れたらあまり動かさず、同様に揚げ焼きするイメージで。
材料
- 煮干し ひとつかみ
- 長ネギ 10㎝くらい
- ゴマ油 大さじ1(15g)
- ゴマ 小さじ1(5g)
- カツオ節 半袋 鷹の爪 1本
- 塩 ひとつまみ(3g)
- コショウ ひとつまみ(3g)
作り方
❶中火でゴマ油をフライパンで熱し、煮干しと鷹の爪を揚げ炒めにする。焦げないよう、火加減に要注意。
❷斜め切りにした長ネギも加える。
❸茹で上がった麺も加え、全体に油がなじむように炒めながら混ぜる。
❹塩コショウで味を整えたら、仕上げにカツオ節とゴマを振りかけて完成。塩気は煮干しの味にもよるので、味をみながら足していくといい。
noodle:3 手間をかける価値は十二分
冷やし棒中華
調理時間:5分/難易度:★★☆☆
水場があるテント場に泊まるならぜひ。麺を茹でたら、水で一度しめるのがコツ。ヌメリをしっかり落とすと、見違えるほどおいしくなるので手間を惜しまないで。
材料
- ハム 2枚
- 錦糸卵 1/3袋
- ミニトマト 3個
- キュウリ 1/3本
- (タレ) しょうゆ 大さじ1 酢 大さじ2
- ゴマ油 小さじ1/2 砂糖 小さじ1/2
作り方
❶ハムとキュウリを細切りに、ミニトマトは1/4に切る。
❷茹で上がった麺をザルにあげ、水で締め、水気をよく切る。ヌメりをよく洗い流すように意識する。
❸麺を器に盛り、その上に具材を飾り、あらかじめ混ぜ合わせてきた調味料を全体にまわしかけて完成。
noodle:4 茹で汁のトロみを活用しよう
スーラー棒タンメン
調理時間:7分/難易度:★★☆☆
麺を茹でた際のトロみを、そのまま利用するレシピ。トロみがあるので冷めづらい。調味料は、事前にすべてひとつのボトルに混ぜておくとお手軽だ。
材料
- 卵 1個
- シイタケ 1個
- 長ネギ 1/5本
- タケノコの水煮 1/3袋
- ハム 2枚 酢 大さじ1
- しょうゆ 小さじ1
- ラー油 小さじ1/2
- 塩コショウ 少々
作り方
❶シイタケは薄くスライス、長ネギは輪切り、ハムは細切りにする。
❷鍋にお湯を沸かし、❶の具材と麺、タケノコの水煮を入れて煮る。
❸別の容器でよく溶いた卵を全体に回しかける。フタをして蒸らす。卵に火が入るくらいに麺が茹で上がるよう、時間の読みがカギ。
❹あらかじめ混ぜておいた調味料を鍋に加える。酢が飛んでしまうので、調味料は一番最後に加えること。塩コショウで味を整えて完成。
パンをおいしく食べるコツ
戻す手間や時間がかからず、茹でるためのお湯も必要ない。食べたいときにすぐ食べられるパンは、山でもっと注目されてもいい食材だ。オリーブオイルでも、バターでも、ベーコンやチーズから出る油でもいい。油分を足すことを意識すると、より美味しく食べられる。また、パンを具材のひとつと捉えると使い道は広がる。日本の食材でいえば、クルマ麩のようにオイルやスープを吸わせる使い方を意識すると山でも使いやすい。
POINT.3
潰れたパンでも問題なし
パッキングの際に、どうしてもパンは潰れてしまいがちだが、使い勝手と味にはなんの問題もないのでお気になさらず。ちなみに、某大学山岳部では、カステラをギュウギュウに潰して丸めた「カステラボール」なる伝統の行動食があるそう。
POINT.4
小分け調味料を活用しよう
少しだからと余計な調味料をいろいろ持つと、結果的に結構な重量になりかねない。調味料は、意外なものまで小分けにされたものが売っているので探してみよう。普段、弁当や惣菜などに付いてくるものも山用に保管しておくといい。
bread:1 マヨとソースをかけるだけで、あら、不思議!
たこ焼き風スティック
調理時間:5分/難易度:★☆☆☆
パンを焼いて、調味料をかけるだけ。それだけなのに、なぜか不思議とたこ焼きの風味がするレシピ。急いで食べたければ、パンを焼かなくてもOK。
材料
- ソース 1袋
- マヨネーズ 2袋
- カツオ節 1/2袋
- 青ノリ 少々
- 桜エビ ひとつまみ
- 紅ショウガ 1袋
作り方
❶パンを1㎝ほどの厚さのスティック状にカットする。
❷フライパンで焦げ目がつくまで素焼きする。
❸器にパンを盛ったら、マヨネーズ、ソースを全体にかける。カツオ節、青ノリ、桜エビを振り、紅ショウガを飾って完成。ソースやマヨネーズは小分けのものが便利。紅ショウガがあるとよりたこ焼き風になるので、常温保存ができる牛丼店の持ち帰り用のものを使ってみよう。
bread:2 ホットサンドメーカーがなくてもできるんです
お手軽ホットツナサンド
調理時間:5分/難易度:★★☆☆
フォークとフライパンがあればホットサンドが作れる。挟む具材はなんでもいいが、油分のある具材がおすすめ。半分に切らなければ、そのまま行動食にもなる。
材料
- ツナ 1缶
- コーン 1/5缶
- クリームチーズ 1個
- キャベツ 葉っぱ1枚分
- マヨネーズ 2袋
- 塩 ひとつまみ(3g)
- コショウ ひとつまみ(3g)
作り方
❶パンの耳を落とす。
❷キャベツをザク切りにし、パン以外のすべての材料(調味料も)といっしょに混ぜる。
❸耳を落としたパンの真ん中に❷を載せる。パンの端が1㎝くらい余るのを目安に。
❹上からパンをもう一枚重ね、端の部分をスポークなどで潰す。表から1周潰し終わったら、裏返してもう一周。
❺フライパンで焼き目をつけて完成。弱火でゆっくり焼くと中まで温かくなる。
bread:3 油を吸った熱々のパンを具材と考える
熱々キノコパンスープ
調理時間:5分/難易度:★★☆☆
パンは少し多めの油で揚げ焼きにすると美味しい。大きなクルトンを作るようなイメージで。コンソメ代わりにお好みのカップスープを入れるとさらにお手軽だ。
材料
- シメジ 1/4房
- マッシュルーム 1袋
- コンソメキューブ 1個
- オリーブオイル 大さじ1
- ローズマリー ひとつまみ(あればでOK)
- コショウ ひとつまみ(3g)
- 水 150㎖
作り方
❶フライパンにオリーブオイルを敷き、2㎝角の四角に切ったパンを焼き、取り出しておく。
❷同じフライパンにお湯(150㎖)を沸かし、スライスしたシイタケ、手で割いたシメジ、マッシュルームを加える。一煮立ちしてきたら、コンソメキューブを加えて、味を見ながら塩コショウで整える。
❸❷のスープを❶のパンにかける。最後にローズマリーを散らして(あればでOK)完成。
bread:4 山でこれを食べたら超贅沢!
オープンアップルパイ
調理時間:7分/難易度:★★★☆
具材を細かく切り、順番に火を入れるだけ。カリカリのパン、しんなりしたリンゴ、シャキッとしたカシューナッツと、食感の違いを楽しめる贅沢山デザート。
材料
- リンゴ 1/4個
- レーズン 15粒くらい
- カシューナッツ 5粒くらい
- バター ひとかけ
- シナモンシュガー お好みで
- ハチミツ 好きなだけ
作り方
❶まず、リンゴとパンをレーズンと同じくらいの大きさに揃えて切る。
❷フライパンでパンを素焼きして皿に盛る。
❸同じフライパンにバターをとかし、カットしたリンゴ、レーズン、砕いたカシューナッツを弱火で炒める。リンゴがしんなりしてきたらOK。
❹❸をパンの上にかける。仕上げに、全体にシナモンシュガーとハチミツをかけて完成。
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文◉池田 圭 Text by Kei Ikeda
写真◉宇佐美博之 Photo by Hiroyuki Usami
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。