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登山で体力を温存するためのカラダの使い方

登山の基本は、上りでも下りでもとにかく歩くこと。普段はあまり気にすることのない「歩き方」だが、上手に歩けば疲労が少なく体力を温存できる。

文◉堀内一秀 Text by Kazuhide Horiuchi 
写真◉アラタジュン Photo by Jun Arata
出典◉PEAKS 2017年5月号 No.90

歩き方をいま一度見直して、体力温存。

山に上って頂上で景色を眺めるのは楽しいことだ。しかし、「上りが辛い」「急な下りは怖い」「翌日の筋肉痛が辛い」と、山登りのマイナス面に目を向けて、登山があまり好きになれない、という人もいるかもしれない。

それでは、こうした負の要素を減らすことができたらどうだろう? 登山の楽しさがいっそう大きくなり、より登山を楽しめるようになるのではないだろうか。

登山が運動である以上、ある程疲れるのはやむをえない。しかし歩き方や体の使い方をより省エネに向いたものに変えることで疲労は激減できる。

たとえば初心者がよく口にする「上りでふくらはぎがつる」「下りでひざが痛くなる」。極論してしまえば、これは歩き方が悪い。歩き方が悪い、といわれても、ピンとは来ないかもしれない。

私たちは物心ついたときからいつの間にか自然に歩いているので「歩き方」は十分わかっているつもりになっている。しかし山育ちでもない限りそれは平地の歩き方で、山で疲れにくい歩き方ではない。山には山の、「疲れにくい歩き方」や「体の使い方」がある。

上に登山で使う筋肉をざっと紹介した。歩きながら使っている筋肉を意識し、より疲れにくい歩き方ができるようにトライ&エラーでいろいろ試してみよう。

僧帽筋

腰の中心から、肩・首の後ろに位置し、肩の筋肉を持ち上げる。ここを強化すれば、バックパックを背負ったときの疲れを軽減できる。

大腿四頭筋

太ももの前の部分の筋肉。太ももを引き上げたり膝の関節を動かす役目がある。山の歩行では非常に大きな役割を果たす。

肩甲骨

長時間バックパックを背負って歩くと、固まって動かなくなってしまう。ストレッチでほぐすと血行が良くなり疲れが取れる。

臀筋群ハムストリングス

おしりや太ももの後ろ側の筋肉。登山では、この部分を活用することで足への負担を減らすことができるので、とても重要。

下腿三頭筋

ふくらはぎの筋肉。腿の筋肉に比べて疲れやすいので、とくに上りではここをなるべく使わないように歩くのが疲労を防ぐコツ。

足裏

バランスをとったりショックを吸収したりと、登山では非常に大事な役割を担っている。下山後は入念にストレッチをして疲れを取る。

1 平地

山行中の平地の歩きでは、できるだけ無駄なエネルギーを使わない省エネ歩行を心がけるようにする。エクササイズのウォーキングではカロリー消費を多くするため大きく腕を振り、かかとから着地してつま先で蹴って体を前に進めるが、その反対だと思えばいい。

なので雰囲気としては、ガシガシと歩くのではなく動作を小さく淡々と、そして、進行方向に体重をかけるように歩くことを意識する。体力はあくまで、「ここぞ」というときに使うのだ。

目線

すぐ下の足元ばかりを見る のではなく、少し先を見るような感じで。

腕は振らずに

腕はとくに意識して振る必要はない。

歩幅はいつもより狭く

いつも歩いているよりも歩幅を小さくすると足をフラットに置ける。

足裏は常にフラットに置いていこう

かかとから着地するのではなく、足裏全体が着くように足を置く。

ポールはあくまで補助のつもりでリズミカルに

ポールを使う場合は、推進力を少しだけ補助するような感じで使う。ひじを直角ぐらいにして、ポールを突く場所は体の横から少し前くらい。腕を上げたり遠くを突くようにすると、腕の負担が大きくなり疲労につながる。

<ギモン>腕を組んで歩くのは?

腕を組んで歩くことで重心が安定するのはたしか。さらに腕を不必要に動かさない、という点ではいいのだが、いざというときにバランスを取ったり手をつけないので安全面からはおすすめできない。

<マチガイ>

(左)典型的なエクササイズウォーキングの歩き方。腕を大きく振って歩幅を広く取り、かかと着地で最後はつま先で蹴る。燃費が非常に悪く、疲労が大きくなる歩き方になってしまう。

(右)腕を目一杯伸ばしてポールを遠くに突くと、腕への負担が大きくなる。足の負担を減らす効果より、腕の疲労が溜まるデメリットのほうが大きくなるのでポールを使う意味がなくなってしまう。

2 上り

初心者が口にする上りの困る点でいちばん多いのは、「ふくらはぎがつる」というもの。ももの筋肉に比べてふくらはぎの筋肉は疲れやすいので、なるべく負荷をかけないようにすることが大きなポイントだ。

ふくらはぎがつる人の上り方を見ていると、後ろ足で蹴るようにして体を上に持ち上げている。これではふくらはぎがつるのも無理はない。前足のももの筋肉を使った登り方をぜひともマスターして、苦手な上りを克服しよう。

登るときの重心は常に地面と平行に

重心が大きく上下しないように気をつける。

体重をかけて登ろう

上りの基本は前足。重心を乗せて体を上に上げる感じ。

ここも使おう!

おしりやももの後ろを使えるようになるとさらに楽に。

足で“蹴る”は厳禁

前足に体重を乗せ、後ろ足はそのまま蹴らずにただ前に出す感じ。

長さを短くするため、グリップの下の方を持つ。平地と同じように体の横か少し前に突き、体重はあまりかけない。バランスをとるための補助、くらいの気持ちで、足の動きに合わせてリズミカルに。腕は上げすぎないように注意

ポイント

さらにももへの負担を減らすためには、おしりの筋肉とハムストリングスを使って上るようにする。これができると上りはさらに楽になる。

<マチガイ>

体重を後ろ足に乗せてしまうと、体を持ち上げるために後ろ足を蹴らなくてはならない。これを続けていると、やがてふくらはぎがもたなくなる。

後ろ足で蹴っている歩き方。平地の時と同じように、足は地面に対してフラットに置き、そのまますっと持ちあげるようにする。

前かがみになってポールへの荷重を増やすと、腕への負荷が大きくなる。腕は足ほど負荷に強くないので、余計に疲労がたまる。

<+α>前足荷重で後ろ足の“蹴る”動作をなくす

後ろ足で「蹴る」動作をなくすためには、前足にしっかり体重を乗せる必要がある。踏み台や小さな段差を使って、「蹴らない上り」の練習をしてみよう。前足のももに力を入れ、後ろ足はただ上げるだけにすると、蹴る動作が不要になる。ちょっと練習すればコツはつかめる。

3 下り

山での上りに比べ、下りは楽だと考えている人が少なくない。しかし、本当だろうか? たとえば、登山の翌日足が痛くて階段が下れなくなるのは、下りでの体の使い方がまずいせいだ。

下りとはいっても路面は悪路。そんな状態では、スリップを恐れて腰が引けてしまう人も見かけるが、これはかえって滑りやすくなるばかりか伸ばしきったひざはショックを吸収できず筋肉にダメージを与えてしまう。体への負担が少ない下り方を身につけよう。

上体は後ろに反らさない

基本、荷重は鉛直方向にかける。前傾気味でもいい。

ひざでクッションをつくる

前足のひざは伸ばしきらず、ショックを吸収させる。

歩幅は狭めて下ろう

歩幅が広いとショックを吸収しきれずひざを痛める。

足裏はつねにフラットに置いていこう

すぐ下ばかりを見ずに、進行方向の少し先を見よう。

下りの場合、ポールはあくまでバランスを取るための補助程度と考える。グリップの上の方を持ち、体の近くに軽く突く。あくまで補助なので荷重をあまりかけないようにする。荷重をかけるとポールの先が滑ったときに転倒する原因になる。

ポイント

下りでもっとも重要なのが、ももの前部の筋肉。ここを酷使してしまうと、翌日階段が下れない。ひざを使って上手に力を吸収する。

下りでポールを使うときは、すばやく動かせるように上半身をなるべく自由にしておく。荷重をあまりかけず、バランスを取る程度に使おう。

<+α>下りで使う筋肉を、スクワットで鍛える

「下りで使う筋肉を鍛えるためには、なにをしたらいいですか?」と聞かれることがある。じつは下りでショックを吸収する筋肉は、スクワットで使う筋肉とまったく同じ。なので、いちばんのおすすめトレーニングはスクワット。足を肩幅くらいに開いて暇なときに。

<マチガイ>

(左)ポールに体重を預けてながら下ると過度な前傾姿勢のため体が安定しない。転倒の危険性が高く、腕にも余計な疲労がたまる。

(中)前足が伸びきってしまった例。これではショックをひざで吸収することができず、ももの前部にも負荷がかかって筋肉痛になりやすい。

(右)下る際の勢いによる恐怖心からか、腰が引けてしまい、足もかかとからついているため、脚全体や腰回りへの負担が大きい。

出典

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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