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【MSR】ウィンドバーナーは本当に高効率なのか!? 発売から1年が経ったあの話題のストーブシステムの実力を検証

昨シーズンから待望の国内展開が始まった高効率ストーブ「ウィンドバーナーパーソナルストーブシステム」。風の影響をほとんど受けないという、その謳い文句を確かめるため雪山に向かった。

発売から1年が経ったあの話題のストーブシステムの実力を検証。

断言してしまおう。MSR「ウィンドバーナーパーソナルストーブシステム」は一般的な登山者が遭遇するあらゆる状況下において、確実な高効率性を発揮する。

一般的としたのは、マイナス30~40℃もの極低温下のほか、歩行が困難になってくる風速20~30mほどの強風が吹き荒れるような状況では、ウィンドバーナーだけでなくアウトドアバーナー全般が使用できないためである。

僕は今回、“実質的に風の影響を受けない”と謳うウィンドバーナーの真価を確かめようと、新潟県と長野県の県境に近い標高約2,000mの稜線へと向かった。天候は、晴天。まだ2月中旬だというのに、登山口の稜線下では汗ばむほどの気温であった。

当日は春の陽気、天候は快晴
正確性には欠けるが、腕時計を日陰において温度計測したところ、燃焼テスト地として選んだ標高約2,000m地点の気温は7℃ほどであった。

しかし、目的地に到着すると、尾根の向こう側から強い風が吹き始めた。正午時点での天気予報を確認すると、標高2,000m地点の気温は2℃。西よりの風は、風速13ⅿ/sとなっている。

念のため腕時計を日陰に置いて計測すると7℃。風速計を取り出すと、平均2ⅿ/sほど。最大で5・4ⅿ/sを記録した。

稜線では最大6m/s弱の風が吹いた
簡易風速計での計測だが、稜線上に位置する燃焼テスト地での風速は平均2m/sほどであった。ときおり強い風も吹き、最大では6m/s弱を記録している。

このような環境のなか、まずは風の影響を受けない場所で500㎖の水を入れ、ウィンドバーナーを着火した。沸かす前の水温は12℃で、そこから90℃に到達する時間を2回計測する。平均で2分55秒だった。

温度計で沸騰するまでの時間を計測

水筒から注いだ水の温度は、12.5℃であった。これをストーブの火にかけて、90℃まで達する時間を計測した。雪で水が冷やされてしまう失敗をしてしまった。

次に強く風が当たる地点に移動して、同様の作業を繰り返した。結果は、3分ちょうど。わずか5秒の違いである。さらに、2回、3回と風が強い地点で燃焼すると、いずれも3分5秒で90℃に達した。

この10秒の違いは、水筒から注いだばかりの水の温度が影響してまったのだろう。当初12℃だった水が雪の上で冷やされて、最後には8℃まで低下してしまっていたのだ。

ちなみに、今回の山行前に標高1,300ⅿ地点の無風状態でもテストを行なった。そのときの水温は7℃で、90℃に到達するまでの時間は3分10秒であった。ほとんど風の影響を受けていないことがわかる。

回数ごとの燃料消費量も雪山で9~10g、低山域では8gと安定している。夏山ならば、さらに燃料消費が抑えられるだろう。
同社は、もともと熱効率にかけて先進的な取り組みを続けてきた。

1990年には、鍋の周囲に装着して熱効率を高める「ヒートエクスチェンジャー」を発表。その後、展開された、熱効率を高めるための細かな鍋底の溝と、熱吸収率の高い黒色塗装を施したクッカーシリーズ「ブラックライト」のことを覚えている人も多いだろう。

こうした取り組みをもとにソロハイカーのための高効率ストーブとして昇華させたのがウィンドバーナーなのだ。バーナーヘッドや燃料缶など、すべてをポットの中に収納できるシステムもすばらしい。

必要な燃料量も抑えられ、素早く食事をすませて行動したい登山者にとって、最良のシステムである。

高効率燃焼のヒミツ

ウィンドバーナー用のイソプロ燃料

イソブタンガス80%に、プロパンガス20%をブレンドすることで低温下でも安定した燃焼を促進させる専用燃料缶。容量110gの小型缶と、容量227gの中型缶が揃う。

ポットの底部に備わるヒートエクスチェンジャーは、ウィンドバーナーが驚くほど高い燃焼効率を発揮する仕組みのひとつ。

バーナーヘッドで取り込む2次空気を必要とせず、隙間を塞ぐため熱が外に逃げにくいラジエントバーナー機構を採用する。

燃焼消費量は?

今回のテストでは標高2,000m程度の雪山のほか、東京近郊の標高1,300mの低山で燃焼テストを行なった。低山は積雪のない無風状態で、平均7gの燃料消費となった。雪山での風速は平均で2m/sほどで、平均10gの燃料を消費していた。経験上これくらいの風が吹く状況下では、2次空気を必要とする通常のバーナーだと2 ~3倍もの時間を要する。

未使用時のガス缶は重さ210g。内容量は110g である。ここから500㎖の湯を沸かすごとに消費燃料を計測していった。雪山テストでは平均10gを消費したので、合計5.5ℓの湯を沸かすことができる計算となった。

ウィンドバーナーパーソナルストーブシステム

バーナーヘッドが面での燃焼を行なう「ラジエントバーナー機構」を採用することで、風の影響を実質的にほとんど受けることがない新世代の高効率ストーブ。ポットの中にバーナーヘッドや燃料缶などをひとまとめに収納可能できるシステムも秀逸だ。

  • 価格:¥28,600
  • 収納サイズ:W11.5×D10.7×H18.1cm
  • 最高出力:1,765kcal/h/容量:1,000㎖(最大時)
  • 重量:465g(ガスカートリッジ除く)

詳細はこちらから
企画協力◉モチヅキ TEL.0256-32-0860 www.e-mot.co.jp

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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