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【ザ・ノース・フェイス】エクスペディションドライドットシリーズ。“ヒヤッ”としない新素材の化繊ベースレイヤー

メッシュ層によって肌から汗を奪い、ベースレイヤーによって吸水拡散する――「0.5レイヤー+ベースレイヤー」の役割を一着で果たす新感覚のウエアが誕生した。そんな「エクスペディションドライドット」の実力とは。

撥水と吸水拡散。ふたつの機能を併せもつ独自の新素材を採用。

日本武尊の東征に由来するというその神社は、森のなかにひっそりとたたずんでいた。境内の裏には400m登った稜線上の元社へと至る参道が続いており、稜線は遠く、雲取山、甲武信ヶ岳へと続いている。カツラの大木をすぎると、参道は二手に分かれた。

尾根をまわりこんでのんびり稜線へと至る女坂を選びたいが、あえて発汗量が多いであろう、直登する男坂へと足を踏み入れた。
登山におけるベースレイヤーの役割は、汗冷えによる危険と不快を防ぐこと。

近年、すっかり定着した「0・5レイヤー」も、そうした命題から生まれたものだ。

「ドライドット」の名付け親でもある、ザ・ノース・フェイス企画担当の小澤由紀子さん。自身もBCスキーなどで着用中。

――ベースレイヤーと肌の間に嵩のある疎水性(水分を弾く性質)のメッシュ層を挟み、吸水拡散性のあるベースレイヤーへと汗をすばやく排出、拡散させることで、肌面をドライに保つ――。

そんな「0・5レイヤー+ベースレイヤー」の役割を一着で果たすのが、ザ・ノース・フェイスの「エクスペディションドライドット」シリーズだ。

その特徴は独自開発したWニット構造の「フューチャードットフリース」にある。この新素材は、肌面の「撥水ドライ層」と外側の「吸水拡散層」、異なる機能をもつふたつの生地を接結したもの。

撥水ドライ層のポリエステルには超撥水加工を施してあるが、これは、繊維を糸に縒りあげる段階で撥水加工をかけているため、その効果が半永久的に保たれる。

ストレッチ素材を使った胸ポケットはスマートフォンにぴったりのサイズ。体温で温め続けることで、電池の消耗を抑えるのに最適。

製品を裏返すと、白っぽく見える帯の部分が撥水ドライ層で、そのドット状の穴が外側の吸水拡散層へと繋がる接結部分。体表に浮かんだ汗は、水を弾く撥水層を転がり落ち、漏斗で水を集めるように接結部分に吸収され、表側へと排出されるため、肌面はいつもドライで快適――そんな仕組みになっている。

実際に着用すると、肌面と外側の生地がぴたっと面で張り合わされているのではなく、点で接結された「ふんわりした素材感」に妙味を感じた。

ガーゼのような風合いのよさは、ときに0・5レイヤーで覚えるタイトなフィット感にはない心地よさがあり、ふたつの素材間にやわらかく空気を孕んでいるので、一枚の生地からなるカットソーよりも暖かさを感じさせる。

「0・5レイヤー+ベースレイヤー」では、ときに動きの最中でウエア同士が離れてしまうため、汗の排出と拡散を一枚で行なうこちらのほうが、乾きも早いのではあるまいか。

撥水と吸水拡散を担う素材の構造が「1枚のようで2枚、2枚のようで1枚であること」が、エクスペディションドライドットの核心であろう。

あるとうれしいサムホール。2枚の生地を重ねたフラットな仕様になっているので、不使用時にもストレスにならない。

男坂はぐいぐいと高度を上げていた。カットソー1枚で歩く気温ではないので、フューチャーライトのシェルを羽織る。低温ながら汗ばむ――こんな状況は、エクスペディションドライドットのもっとも得意とするところではないか。

ウエア内の蒸気を的確に排出する、フューチャーライトとの組み合わせも相性がよいのだろう。しっかり汗をかいているものの、冷たさを肌で感じることはない。

より防護性の高いゴアテックスのシェルを合わせても、「ウエア内外の温度差を利用して透湿性を発揮する」という特性を、エクスペディションドライドットは巧みに引き出すだろう。

総じて、夏のアルプスの稜線や秋のハイキング、積雪期のハイクアップなどにフィットする印象。夏の低山や林道では、接結した素材間にためこむ空気が熱をもってしまうかもしれない。

1時間ほどで400mの高度を稼いで稜線へ出た。正面に現れた元社に参拝をすませ、振り返ると白く輝く富士の頂。ほっとひと息をついて、コーヒーを淹れた。

独自の新素材による驚異の撥水&吸水拡散性能

アメリカ本国との共同開発により生まれたフューチャードットフリース素材。肌面に水滴を垂らすと、驚くようなスピードで撥水面(白っぽい部分)に弾かれて吸水層(溝のような部分)へと吸いこまれ、表面にて広く拡散される。上級モデルである「サミットシリーズ」を謳っているが、「汗を逃がして快適に」はすべての登山者に必要な機能。それを1枚でこなす、安心の一着。

“ヒヤッ”としない新素材の化繊ベースレイヤー

(左)エクスペディションドライドットタイツ

男性モデルのみで展開されるタイツ。フロントは重ね合わせの前開き仕様で、レイヤリングするパンツのジッパーに連動して使いやすいように角度や開閉具合も工夫されている。

  • 価格:¥9,900
  • サイズ:S ~ XL
  • カラー:ブラック
  • 重量:130g(L)

購入はこちらから

(中)エクスペディションドライドットクルー

汎用性が高く、レイヤードしやすいクルーネックモデル。エクスペディションドライドットの魅力をベーシックに味わえ、季節を選ばずに活用できる一着。

  • 価格:¥12,100
  • サイズ:S ~ XL、WS、WM
  • カラー:ピークパープル、他2色
  • 重量:155g(L)

購入はこちらから

(右)エクスペディションドライドットジップハイ

ウェア内の温度調節が容易な長いファスナーをもつジップアップモデル。フィット感のよい襟はバックパックとのスレや日焼けを防ぎ、ロープ処理をする際に有効的

  • 価格:¥14,300
  • サイズ:S ~ XL、WS、WM
  • カラー:メルドグレイ、他2 色
  • 重量:175g(L)

購入はこちらから
企画協力◉ゴールドウイン
TEL.03-5466-9278(ザ・ノース・フェイス マウンテン) www.goldwin.co.jp/tnf

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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