秀麗富嶽十二景の旅 |春の息吹に包まれ富士を見上げる 大菩薩嶺〜滝子山 ルートガイド
PEAKS 編集部
- 2021年05月04日
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いよいよグリーンシーズンの登山シーズンが始まる。いきなり高峰を目指すのではなく、まずはのんびりと縦走を楽しんではいかがだろう。
文◉村石太郎 Text by Taro Muraishi
写真◉矢島慎一 Photos by Shinichi Yajima
取材期間◉2016年5月12日~14日
出典◉PEAKS 2017年5月号 No.90
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大菩薩嶺~滝子山
本格的な夏山シーズンを前に、ゆっくりと体をほぐすように歩きたい。そんな思いで選んだ今回のルートは、稜線上では視界が開ける笹原が広がるが、基本的には木々が生える標高を保ち続ける。
登山道も明瞭で、まず迷うことはないだろう。
この山域の魅力は春の新緑とヤマザクラやツツジをはじめとした草花の美しさにある。さらに、なによりも富士山を常に前方に捉えながら歩けるのがおもしろい。
山の陰などに隠れることはあるのだが、頂上などを踏むたびに大きな富士山が現れるのだ。なお、途中でキツネに出会ったり、避難小屋ではネズミが屋根裏を走りまわったりする音がしていた。そのため食糧を吊しておくなど、いたずらされないように気をつけたい。
データ
- 所要日数:2泊3日
- 歩行距離:約30㎞
- 難易度:初級~中級者向き
アクセス
都内からのアクセス良好
出発点とした柳沢峠へは、JR中央本線の塩山駅から山梨交通バスを使って向かった。運賃は片道800 円。大菩薩嶺登山口までは本数も多いが、柳沢峠までは一日2便だけなので注意したい。帰りは徒歩でJR中央本線の初狩駅まで向かった。往路に使った山梨交通バスに乗って塩山駅に戻れるなど、交通の便が良い。
マップ
①今回の縦走は、JR中央本線の塩山駅からバスを使って柳沢峠へ向かうことから始まった。登山口にはトイレやドライブインなどもある。
②柳沢峠からは、「ぶなのみち」を進む。アップダウンの少ない快適な登山道は枝道も多いが、ブナやカエデなどの新緑がとても美しかった。
③柳沢峠を出発して2時間ほどで峠の山小屋「丸川荘」に到着する。時間の余裕があれば、こだわりのコーヒーを頼んで一休みするのもいいだろう。
④大菩薩嶺の山頂を踏み、唐松尾根を30 分ほど下った「福ちゃん荘」のキャンプ場を利用した。週末には生ビールも販売されている。
⑤2日目のスタートは、唐松尾根の登り返しで始まる。稜線の雷岩から30~40分ほど進むと、登山道の両側に山小屋が軒を連ねる大菩薩峠へ着く。
⑥小金沢連峰の稜線に出ると、再び富士山を望むことができる。ここから、いくつかのピークに「秀麗富嶽十二景」が置かれている。
⑦「湯ノ沢峠避難小屋」室内では、火器使用が厳禁となっている。そのため、屋外で夕食作りをした。ここまで道路が続いていて公衆トイレもある。
⑧湯ノ沢峠から大谷ヶ丸までは、緩いアップダウンを繰り返しながら見晴らしのいい稜線や笹原を抜けていく。途中には鹿除けの柵がある。
⑨滝子山で最後のピークを越えると、徐々に標高を落とす。途中分岐点があり、迷わず「女坂」を選んだ。一帯に雑木林の新緑やツツジが咲いていた。
⑩沢沿いの道から舗装路へと進むと、藤沢子神社がある。ここから中央高速道の高架下を抜けながら約30分ほどでJR中央本線の初狩駅へとゴール。
アドバイス
ゆっくりと余裕をもって歩く
今回歩いたのはアップダウンが少なくて、危険な箇所などもないルートだ。また、1日の行動時間も4 ~ 6時間程度と少なめに設定したので、体力に自信がない人も余裕をもった行動ができるだろう。テント装備を持っての縦走だが、2日目は避難小屋もあるため、軽量なシェルターを使うことで荷物を軽減するようにした。
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文◉村石太郎 Text by Taro Muraishi
写真◉矢島慎一 Photos by Shinichi Yajima
取材期間:2016年5月12日~14日
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PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。