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道北エリア特濃トリップ ー街を基点に自然を遊ぶー

やりたいことはハッキリしていた。神々の遊ぶ庭と称される大雪山。2000m級の山々が連なる山岳スキーヤー憧れの地で、極上のパウダースノーを体験するのだ。さらに温泉や食、そして北海道の文化にふれる。そんな深みのある旅を、道北に求めた。

山や温泉はもちろん食や文化まで幅広く楽しめる

羽田発旭川行きの便に乗るなら、右の窓側がオススメだ。着陸に備えてシートベルトのサインが点くころには、窓の外に雄々しい峰が連なっているだろう。芦別岳だ。そして富良野の街が広がる平野をはさんだ彼方には、雪をたたえた美しい山塊が見えてくる。今回の旅の最大の目的地である十勝連峰と大雪山。その姿を空の上から眺めることができるのだ。

眼下に広がる富良野から旭川、そして大雪山を含んだエリアは、極上のドライパウダーが降り積もることから「北海道パウダーベルト」と呼ばれている。羽根のように 軽いと表されるその雪を味わい、会心のターンを味わう。それが今回の旅の狙いだ。

さて、2泊3日という短い時間を最大限に楽しむためには、効率の良い移動が必須となる。というわけで今回は旭川空港でレンタカーを借り受けたが、時刻はまだ朝の9時半。北海道は思っている以上に近かった。しかし、あまりのんびりもしていられない。このあとの予定は山盛りなのだ。まずはローカルスキー場のなかから、コンディションが良さそうなところをピックアップすることから始めよう。

石狩川や美瑛川、忠別川などが流れる旭川市は橋の街だ。街を歩けばあちこちで個性的なデザインの橋が川をまたぐ。美しいアーチを描く旭橋は、その美しさで旭川八景にも数えられるほど。その向こうには、大雪山の美しい山容を望むことができる

旭川は上川盆地のなかに位置しており、周囲の山々にはいくつかのスキー場が存在している。 雪の降り方は風向きや気圧配置によって変わるが、街をぐるりと取り囲む山々のどこかには、たっぷりとドライなパウダーが降り積もっているというわけだ。つまり街にいて状況を 据えれば、東西南北どの方向にもフットワーク良く移動してグッドスノーを引き当てることができる。これこそ道北の中心地たる旭川が多くの滑り手をひきつける理由だ。

天気予報をチェックして目星を着けたのは旭川市の西側郊外外に位置するカムイスキーリンクス。ここならパウダーはもちろんロングランも可能。今回のメインイベントに備えて、北海道の雪で足慣らしをしておくにも申し分はない。

左上)旭川市からはバスで約60 分。近郊のスキー場としては最大規模を誇る「カムイスキーリンクス」。右上) 上級者限定として、コース間のツリーのなかを滑るコースを設定。その入口にはゲートが設置される。下)圧雪もパ ウダーも楽しめるうえ、北海道ならではの広大な風景を楽しむことも。まさに道北を全身で堪能できるゲレンデ

昼過ぎまで滑ったら、旭川市内のホテルを目指すことを考えよう。冬の北海道の日暮れは早く、3時半には夕方の気配に包まれる。明るいうちにホテルにチェックインしておけば、慣れない道に手こずることもないだろう。

左)OMO7旭川のゲストルーム。ベッド下を、スキーの荷物が丸ごとし まえる収納スペースとする部屋も。 右)このバリエーションと美味しさは絶対に体験したい! コロナ禍でも、そのワクワク感を損なわなかった朝食バイキング

今回のように滑りを目的としながらも街に滞在するというスタイルには、いくつものメリットがある。宿泊場所の選択肢が広いこと、夕食で地元の美味しいものと触れ合えること、そして荒れまくった天気のときにも観光や温泉といった楽しみにアクセスすることができることなどだ。

夜は明かりの灯った街を散策しながら、味で評判のお店を目指す。こうして完璧なプランができあがった。あとは実行あるのみだ。

左)旭川と言えばこれ!一度も冷凍しないラムを使った「生ラムジンギスカン」は、ラム嫌いさえも一瞬で虜にする濃厚な旨味が魅力。右)昭和の雰囲気を残す商店街「ふらりーと」

快晴の黒岳で極上パウダーの意味を知る

今回、やってみたかったことがある。バックカントリーで思い切り滑ったら、明るいうちに宿へ入り、ゆっくりとお湯に浸かるのだ。考えただけでうっとりするような時間を堪能するためには、フィールドと温泉とが隣接していることが重要だ。そこで、今回のガイドをお願いしている中川さんに相談してみると、
「だったら層雲峡温泉に宿をとるのがいいかもしれないです。黒岳あたりで滑ることを想定しておきますね」
とのことだったのだ。そこで選んだのは、お風呂で自慢のホテル。しかもフィールドからほど近い層雲峡温泉のど真ん中だ。

2日目。晴天に恵まれた 黒岳ロープウェイを降りると、リフトには搬器が架かっていなかった。「黒岳はスキー場なんですけど、冬になると休業になるんです」ガイドの中川さんが楽しそうに話してくれる。それほど気象条件が厳しい山なのだ。それなのに、この日は快晴。風もなく、前日の午後からは降雪もあったようだ。

黒岳スキー場は厳しい天候を加味して、毎年1月初旬から2月下旬までリフト営業は休止。自分の足で歩いた人だけが、上質のパウダースノー を堪能することができる

「いや〜、サイコーですね」の声に引かれてハイクを始める。ルートは黒岳スキー場のコースを歩き、リフト降り場の上に広がる広大な斜面を滑る、というものだ。
「正面の斜面の右隅には登山道があって、夏はそこを歩いて黒岳の頂上まで行きます。上からは尾根伝いに縦走路があって、旭岳や白雲岳まで歩いていくことができます。何日かかければ、十勝連峰の端っこまで行けますよ」

昨日、飛行機から 見下ろした山を歩き繋ぐことができる。しかもその道はいまハイクアップしているこのルートと繋がっているのだ。

「夏は登山道から外れて歩くことはできないですけど、冬ならスキーを履いて 自由に歩くことができます。自分が歩いた跡も、春には完全に消えてしまう。なにも痕を残さずに旅ができるってだけで、ちょっとワクワクしますよね」中川さんが話しかけてくれるのは、オーバーペースにならないようにという配慮からだ。ゆっくり話しながら歩けるペースで標高を稼いでいく。

「とくに今日みたいな天気だと日照で暑くなりますからね〜。のんびりやりましょう〜」こうして見守ってくれる人と山を歩くのは、安心感に満ちている。

やがてルートはメインの斜面を登りはじめる。夏道の脇をジグザグに、斜度を極めながら歩いていく。振り返ると 辺りは山に囲まれており、はるか眼下には層雲峡の渓谷が見える。その漏斗のような地形の底に向かって、まっすぐにフラットな斜面が伸びているのだ。ここを滑るのかと思うと、重い緊張感と、舞い上がるような高揚感が湧き上がってくる。「もう少し登ったら、一本いきましょう」中川さんの声で、我に返って歩を進める。

そして滑ったその一本を、どう表せばいいのかわからない。滑り始めてすぐに感じたのは速度感がないことだ。あまりに広い斜面に、自分のスピードがよくわからない。けれどターンを切り始めた途端、思っているよりも強い遠心力を感じた。斜度もスピードも感じている以上なのだ。けれど恐怖感や不安感はまったくない。

雪はなんの抵抗もなく、軽く、ああパウダーの浮力というのはこういうことなのか、と納得していた。いままでは、スキーに浮力なんてない、抗力ともいうべき雪に押し上げられる力で沈まないんだから浮力っていい方は間違ってる、と考えていた。が、北海道の雪を滑って納得した。これは浮力と表すのがいちばんだ、この感覚はまさに、浮いているとしかいいようがない、と。

広大な一枚バーンから森のなかの沢地形へ。斜面を駆け上がり、谷底で浮力の変化を楽しみ、狙ったラインでターンを描く。先行して待ち構えている中川さんのところに到着したころには、すっかり息が切れていた。
「雪、よかったですね〜。時間あるし、軽くもう一本いきますか?」
その呼びかけに声で事はできなかったけれど、何度もうなずいたのだ。もちろん、もちろん、ぜひとも」と。

この日は木立のまばらな一枚バーン にアクセス。雪は味わったことないほど軽く、眼下の景色はどこまでも広がるという、じつに道北らしいランを楽しむことができた

午後4時。宿の自慢の露天風呂からは層雲峡の絶壁を見渡すことができる。あの岩の壁の、さらに上には羽毛を敷き詰めたような雪の斜面が広がっていた。足裏や太ももに残る疲労を感じながら、ついさっきまでの山の冷気を思い出す。冷え切った体が温まっていくにつれて、心地よい充実感が湧き上がってくる。

左)低い位置から層雲峡の大自然を眺めることができる「渓谷露天風呂 天華の湯」。右)レンガとステンドグラスの 「欧風大浴場 チニタの湯」

来てよかった。それが掛け値なしに正直な気持ちだった。

地域を理解することが旅をさらに奥深いものにする

最終日。もちろん、夕方のフライトまでにもう一箇所くらいローカルゲレンデをめぐってもよかったが、気持ちは天気が悪かったときに、と思っていたオプションにひかれていた。旭川市博物館だ。

市営博物館として設置されているこちらは総合博物館ながら、アイヌの文化や歴史の展示にも力を入れており、アイヌの伝統的な自然観や生活様式をいまに伝え、先住者としてのアイヌへの理解を深めることができる。

左)展示は吹き抜けのある1階と地下の2フロア。中央にはこのエリアに見られる樹木(シンボルツリー)が据えられる。中上)樺太北部や中国東北部のニウフやオロチョンなど、北方民族の資料も。中下)アイヌの鍛冶のようすを再現した模型。館内には生活を再現したわかりやすい展示が多く見られる。右)明治末期に近代スキー技術が伝えられたころの一本杖スキー

そしてもう一箇所。北鎮記念館は、かつて北の護りの中心であった北鎮部隊の資料を残しており、初期の北海道開拓の歴史資料館でもある。

上)多くの人数が移動するとなれば、スキーの利用は欠かせないものだった。歩くためのスキーがどう使われてきたか、の展示は非常に興味深い。左)第七師団は人気マンガで一躍知られることになった。もちろんこの北鎮記念館も、重要な資料として役立っている。右)かつての第七師団の装い。その洗練された意匠には威厳さえ漂う。

北海道には豊かな自然が残り、自然の恵みをたっぷりと受け取ることができる。山も雪も食も温泉も、すべてが自然からの贈り物だ。観光客として、ただ在るものに嬌声を挙げるだけではなく、その向こうにある豊かさや考えに触れることは、地域への認識を深めることになる。各地の博物館や資料館は、そうした新しい理解へのいとぐちだ。

歴史や文化に触れることで旅の印象をさらに奥深いものに。

そして、旅のなかで思索にふけり、新たな視点や価値観を見つけ出すことこそ、旅を単なる移動に留めることなく、より奥深い経験にしてくれる養分なのだ。やったことのない形で、行ったことがないところへ行く。その先にある発見を、これからも探っていきたいと思わせる旅だった。

旭川を中心に楽しみたい。 道北エリアの雪と温泉、歴史と文化

① カムイスキーリンクス

道北エリア最大規模のスキー場。

コース数25、標高差約600mという規模感に加えて、圧雪で最大斜度30度といった中上級者向けのスペックがたまらない。もちろん道北ならではのドライパウダーを堪能できる非圧雪コースも充実。どんなコンディションでも滑り手に大きな満足感を与えてくれる

北海道旭川市神居町112
TEL.0166-72-2311

② OMO7旭川 by 星野リゾート

「旭川、スキー都市宣言 」の発信地。

周辺に多くのスキー場が点在する旭川市を、スキー都市と位置づけてさまざまな形のステイを提案。宿泊者向けにカムイスキーリンクスへのシャトルバスを運行するなど、スキー客へのサポートが充実している。また街中とあって、市内観光の拠点としても好評

北海道旭川市6条9丁目
TEL.0166-29-2666

③ Natures

現役プロスノーボーダーの山岳ガイド。

プロスノーボーダーとして活動してきた20年以上の経験と、ガイドとして積み重ねてきた正確な予測で、その日のベストを引き当てると評判のガイド。とくに道北エリアのフィールドに詳しく、ビギナーから上級者まで、希望に応じた理想的な場所に案内してくれる

代表 中川伸也
TEL.090-1305-7854  ols.natures@gmail.com http://outdoorlife-natures.com

④ ホテル大雪 ONSEN&CANYON RESORT

雄大な自然と、豊かな湯量の温泉でくつろぐ。

石狩川を挟む断崖絶壁・層雲峡を望む温泉宿は、大雪山の豊かな自然の真っ只中。黒岳の麓とあって夏は登山、 冬はスキーの拠点としても人気が良い。またその豊富な湯量でも知られており、3つの大浴場と2つの露天風呂を擁するほか露天風展望風呂を備えた客室もある

北海道上川郡上川町層雲峡
TEL.01658-5-3211

⑤ 北鎮記念館

北鎮部隊をとおして、拓直後の北海道を知る。 人気マンガ・アニメでも知られるようになった北の護りの要である旧陸軍第七師団、通称北鎮(ほくちん)に関する資料を展示している。旭川が発展する基盤ともなった部隊の活動や、北海道開拓に関わった屯田兵、現在の陸上自衛隊についても詳しい

北海道旭川市春光町
TEL.0166-51-6111

⑤ 旭川市博物館

道北の自然や、アイヌの文化との出合い。

北海道の先住民としてのアイヌの歴史や文化をジオラマなどで立体的に展示。驚くほど精細な手工芸や、アイヌの人々の世界観などもていねいに紹介。また道北エリアの自然や動物についての展示も豊富で、北方文化を総合的に理解する入り口としても評価されている

北海道旭川市神楽3条7丁目
TEL.0166-69-2004

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「HOKKAIDO LOVE!」は北海道の観光案内からお得な旅のコツ、そして北海道のいまを伝える最新の情報まで、北海道が大好きな人たちによって作られる、北海道が大好きな人のためのサイト。そのマスコットの「キュンちゃん」がサイトを飛び出し、よりフレッシュな北海道観光情報をLINE経由で届けてくれるのが「Good Day北海道」だ。道内さまざまな観光ポイントはもちろん、キュンちゃんならではの新たな楽しみ方、そしてリアルを伝える投稿が続々。北海道旅行のプランを立てるには「HOKKAIDO LOVE」とともに、大いに参考にしてほしい。

 

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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