この冬のアイスクライミングライフで頼りになった、カシンのブレードランナー
阿部静
- 2022年04月15日
編集部員が購入した山道具を紹介する企画、第二弾。今回はアベのギアを紹介させていただきます。アイスクライミングを始めて3年目。今シーズンついにアイスクライミングの主要装備である、クランポンを手に入れたのです! ちょっとマニアックなアイテムですが、お付き合いいただけたら幸いです。この記事を読んだらアナタも来シーズンにはアイスクライミングに挑戦したくなるかも!?
マイ・縦爪クランポン、思いきって購入。
いままでは大体行けて3、4回程度でシーズンが終了してしまっていたアイスクライミング。今年は幸運なことにいっしょに遊んでくれる仲間に恵まれ、いままで以上に氷の滝へと足を運ぶことができ、この遊びの魅力にすっかり取り込まれてしまった今シーズン。人から借りたアイスアックスに、雪山登山で使っている平爪のクランポンで氷の滝を登っていたけれど、回数をこなすごとにそれでは物足りず、ついに自分のギアを購入する決心がついたのだった。
まずはアイスアックス、それから縦爪のクランポン。トータル10万円越え。大人買い、しちゃいました(笑)。
縦爪クランポン、なにがいいの?
そもそもアイスクライミング用のクランポンは雪山登山の平爪クランポンとなにが違うのかというと、前爪が縦についているため斜面に爪が刺さりやすい。この爪で氷の壁を蹴って立ち込み、登っていくためにできた道具なのだ。平爪だと爪の形状としてそれを得意としないので、「蹴り込んで立ち込む」という動作が難しい。私はいままで平爪で登っていたので、縦爪のクランポンを初めて使ったときは画期的だった。
縦爪のクランポンには前爪が1本の「モノポイント」という形状のものと前爪が2本の「デュアルポイント」というものがある。私が購入した、カシンの「ブレードランナー」はそれらの合いの子で、モノポイントに見せつつ、その両サイドに0.5ずつの爪がついた形状。「山の店 デナリ」の店主・平野さんの言葉を借りるならモノポイントに“補助輪”が付いているようなものだ。
実際に使ってみると、この“補助輪”が非常に調子がいいのだ。
いいギアは遊びの発展につながっている。
氷を蹴って縦爪を壁に突き刺し、角度を変えて補助輪で安定。足がむちゃくちゃ安定するのだ。
アイスクライミングにとって足を安定させて登ることは非常に大切なことで、(足が安定せず、腕の力ばかりで登っているとすぐに疲れてしまい、もたなくなってしまう)この冬、それがようやく実感できた私は、前年度に比べて格段に上達した。と思っている。それもこれも、ギアのおかげなのだ。
やはり専用のいいギアを手に入れて、それを使いこなせるようになる。それこそが上達につながり、遊びが楽しくなり、次のステップに向かえるのだなと。ギアのありがたさを感じたこの冬でありました。
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