はじめてのアバランチビーコンとプローブを手にして
阿部静
- 2022年04月18日
INDEX
PEAKS編集部員が最近買った山道具。またまた阿部のアイテムを紹介しちゃいます(どんだけ買いものしてるんだ)。
ビーコン、プローブ、ショベル。雪山登山に持って行くべき装備であり、バックカントリースキーやスノーボードには必ず持って行かなければならない必須装備だ。私はいままでショベルしか持っていなかったのだが、今年バックカントリースキーデビューするにあたり、残りふたつのスノーセイフティギアを大枚はたいて揃えたのだった。
スノーセイフティギアの選び方って難しい。
購入したプローブはブラックダイヤモンドの「クイックドローカーボンプローブ240」、アバランチビーコンはピープスの「プロBT」だ。
スノーセイフティギアは購入するにあたり、どのようにして選んだらいいのか正直決め手や善し悪しがわかりづらい。しかし私は幸いなことに弊社出版のバックカントリームック誌『WHITE MOUNTAIN』のスノーセイフティギアカタログページを過去に2度ほど担当している。そのためスタジオ撮影でひととおりのアイテムを触っていて、なんとなくの使い勝手と選び方の基準が自分のなかで見えていた。
アバランチビーコンは操作性がよく、簡単であること。そして画面の視認性。また、行動中ずっと体に身に付けているものなので、着用感やじゃまにならない位置なども、ポイントかもしれない。
受信モードはシンプルがいい。
どちらも❝いざというとき❞にしか活躍しないが、アバランチビーコンに関しては、入山の際、必ず電源を入れて受信モードにし、パーティで受信を確認し、下山するまで受信モードのままで行動する。その、だれしもが必ず触る受信モードがシンプル明解であるところがいい。ロックボタンが付いているので、誤作動でモードが変わってしまう心配もないところもポイントだ。
プロBTはプロ仕様なところが魅力。
捜索モードの画面もわかりやすい。また、このプロBTはスマートフォンにアプリを入れてBluetooth接続ができ、スマホからファームウェアのアップデートができたり、受信範囲内の埋没者数を表示するスキャン機能など、モデル名に「プロ」とつくだけあって、プロ仕様なところも魅力だ。ただ正直なところ、まだそこまで使っていないし(今後も使うかわからないし)、果たして私にそこまで必要なのか? というところではあるが、とある山岳ガイドさんからは絶賛で、それも決め手のひとつに自ずとなった。備えあれば憂いなし。せっかく持つならば、足りないより万全なほうがきっといいはずだろう。ただ、それを使いこなすための練習も不可欠だが……。
プローブに関してはさらにシンプルなもので、それこそ実際に雪崩が起きない限り使わない道具であり、各社のモデルの違いも微々たるものなのだけれど、私は選ぶ基準として組み立てやすさと目盛りの視認性、グローブをした手でも持ちやすいループ、太くてしっかりしたシャフトなどをポイントに選んでみた。
スノーセイフティギアも使いこなしてこそ、楽しい雪山ライフ。
実際にフィールドで使わないことを願いたいが、事態が起きてしまったときのことを考えて、ちゃんと扱えるものを。雪崩はバックカントリーエリアだけでなく、雪山登山でももちろんリスクはある。自分を含めて雪山を楽しむ登山者は必ず持つべき道具であり、持つからには、ちゃんと使いこなせなければならない道具。
本気で山で遊ぶなら、リスク管理も徹底してこそ。これらの道具を手にして、さらに充実した今年の雪山ライフ。まだまだ楽しんでますよ!
SHARE