海外のアウトドアショップを覗き見! 世界アウトドアショップ探訪記 〜台湾編〜
大垣柚月
- 2022年04月22日
海外のアウトドア事情に興味を持ったのは15.16歳くらいの頃だっただろうか。
生意気にも都市に住む人が山をはじめとした自然ともっと近しくなるにはどうしたらよいのか。なんてことを勝手に悩んでいた時に出会った、文化人類学者の辻信一氏著『「ゆっくり」でいいんだよ』という新書の一説に書かれていた、カナダのバンクーバーの人々の暮らしに憧れを感じたからだと思う。
アウトドア用品店が実に多く、地元の人々が日常着を買う感覚で防寒着やレインウエア、シューズを購入し、着こなしているという語り。そしてそれを着て、日々ライフスタイルとして、アウトドアアクティビティを楽しんでいるという説明に、なんてすてきな国なんだ!と感動したのを覚えている。
日本のお隣、台湾へ。
そこで、今回話すのはこれまでに私が行った海外のアウトドアショップ事情についてだ。
オーストラリアやペルー、ボリビア、フィンランドなど様々な国を旅したが、特にアウトドアショップ事情が面白かったのが日本のお隣、台湾。その中でも特に台北である。
台湾は世界で最も高山の密度が高い島で、標高3000m以上を超える山が300弱もあるそうだ。そのため、初心者から上級者まで楽しめるルートがあり、トレイルランニングなども盛んで、登山文化の根がしっかり張られた国である。
※台湾を訪れたのは2019年4月末。平成から令和に変わるタイミングのゴールデンウィークだ。そのため、少し前の情報であり、記憶が曖昧なため、深いところまで触れられないことはご留意いただきたい。
まるで台湾の神保町?
アウトドアショップが密集する台北駅エリア
台湾には南部の高雄から北部の台北までを3泊4日の行程で旅をした。旅の仲間は当時パタゴニアのストアで働いていた友人とその子のお母さん、そして私という少し不思議なメンバー。
そのため、パタゴニアの台北店に行ってみたいという話になったのだが、そのあたりに足を踏み入れると、ワンブロック全てがアウトドアショップというストリートがあったのだった……
パタゴニア 台北店
商品のラインナップも、伝えたいメッセージも、日本とほぼ同じで、ここは日本なのかもと錯覚しそうだったお店。詳しくはわからないがおそらく直営店なのだろう。友人曰く、シーズンが異なる商品も扱っていたようだ。
日本のパタゴニアストアもストアの地名が入ったステッカーがレジ横で売られているが、これは海外でも同じ。さまざまな国の地名を集めたくなる。
登山友
このお店は台南でも台中でも目にした、日本で言うところの「好日山荘」のようなセレクトショップ。石井スポーツとも言えるかもしれないが、雰囲気は間違いなく好日山荘に近かった。
台北山水
登山友がゴシック体なのに対し、こちらは明朝体の字体が表すように、かなり渋めのショップ。現地の登山本の取り扱いが豊富で、当時発刊されていた兄妹誌ランドネの台湾版も置かれていた。
現在の台湾のアウトドアショップ事情は?
あれから3年。コロナ禍を経て台北のアウトドアショップがどのような変化を遂げたのか調べてみると、日本同様かなりのブームが押し寄せているようだ。
もしかしたら行けていないだけで、3年前にもすでにあったのかもしれないが、モンベルやコロンビア、メレル、エーグルの単独店があるほか、台南には「OUTDOOR MAN」や「秀山荘」。台中には「桃源戸外」、台北には「百岳」というアルペンアウトドアーズのようなキャンプ用品店がオープンしている模様。
さらにGoogleマップで調べてみると、台北で見つけた渋めショップ、台北山水はかなりお洒落な店舗をショッピングモールに構えているようで、これはなかなか気になるところ。「城市綠洲」というお店も写真で見る限り、日本にはまだ進出していないブランドを取扱っていそうな予感だ。
しばらく海外には気楽に行けないご時世だが、今後も各国のアウトドアショップ事情に追っていきたい。
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