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九州最大級の縦走路【祖母山〜傾山】取材後記 傾山編

祖母・傾縦走の後編は尾平越から紹介。
地図を見る限りは登り基調の約10.5km。5時間半かかる見込みだが、体感的にはそれ以上かかった感じがする。

写真◉宇佐美博之 Photo by Hiroyuki Usami

尾平越から傾山へはおよそ10km。5時間強の行程。

のっぺりとした草原を歩く。道はしっかり付いているので安心。

途中にむかえるピーク、本谷山の標高は1,643m。尾平越は1,200mに満たないので、400m以上標高を上げることになる。
距離およそ4kmで400mの標高アップは地図で見る以上に体力を蝕んだ。
かなり駆け足で進んだが、このあたりは丸山・本谷山・笠松山とピークを超えるごとに植生が変わる。
じつにのんびり歩くのにぴったりのコースなので、できることなら尾平越で1泊するのがいいと感じた(水も取れるしね!)。

本谷山のピークは木々に囲まれている。晴れていたら少しは眺望もあったのかな?

笠松山手前は箱庭のような樹林帯歩き

本谷山から笠松山はゆるやかに下っていく。このまま宿泊した九折越までは下り基調だが、思っているほどペースはよくない。
参考にしたコースタイムは『山と高原地図』のものだが、おそらくこのあたりを担当している人のタイムが辛口なのだろう。これは往々にしてあることなので、メジャー山域以外ではけっこう慎重に考えたほうがいいと思う。

どんどん変わる植生。動物の気配も濃く感じられる。

植生が変わっていくなかでもとくに印象的だったのが笠松山手前の樹林帯。
さまざまな植物で構成された森を歩けるコースだ。複雑な計算によって生み出された箱庭のなかを歩いているような錯覚に陥る。
だれかが植えたわけではないだろうから、これが自然の力で作られていることを考えると感慨深い。
高低図で見るとあまり感じられないが、低山らしい細かなアップダウンを繰り返すので、なかなかペースが上がらないと思ったほうがいい。

九折越のテント場はロケーション抜群でメチャ広い!

笠松山を越えたら、1時間ほどで九折越の小屋に着く。
小屋の横にはテントを張れるスペースもあるが、もう少し先に進んだところにある広場のほうがテントを張るにはおすすめだ。
サッカーができそうなほど広いスペースからは傾山のピークも見える。
水場もこちらからのほうが近いので(若干だけどね)、もう少し我慢して歩こう。

九折越で利用したスペース。写真中央左側にうっすらと見えているのが傾山のピーク。

九折越の南側に水場がある。
地図で見ると少し遠く感じるが、距離よりも足場のほうが問題だった。
テント場でのんびりしてから水を汲みに行ったせいでもあるのだが、ヘッドランプの明かりでは足元もルートも見えづらい。
雨で削られたのかあまり歩きやすいルートではないので、明るいうちに水を取りに行ったほうがいいと感じた。

耳を澄ませば水の音が聞こえる。その音を頼りに水場を探した。

傾山は登りよりも下りに注意。

翌日、ブナの森にまっすぐ伸びた道を抜けると、より傾山が近くに見えた。
傾山は双耳峰で、奥のピークが山頂になる。
九折越からの標高差はおよそ300m。山頂直下は手を使う場面もあるので、思いの外標高は稼ぎやすい。あっという間に山頂に立てるはずだ。

九折越からすぐの森。朝靄と相まって幻想的な雰囲気。
山頂ではテント泊恒例の物干し大会を敢行。抜けはいいので天気が良ければみるみる乾く。

問題は下り。今回利用した三ツ尾コースは、のっぺりとした尾根に沿って下るルート。
途中まではしっかり尾根上を歩くので道は明瞭だが、下るにつれて沢筋を歩くルートに変わる。
これがとても難儀した。濡れた道を下るので足元を見がちだが、気づくとルートを外してしまう。
ただでさえ道が不明瞭な沢沿いだが、雨の多い九州だからか、すぐに道が見えなくなってしまうのだ。
幸いにもピンクテープはわかりやすく貼られているので、足元には慎重になりながらもしっかりと進む先を見極めたい。

濡れた岩で足を滑らせないよう慎重に下ると道を誤りやすい。写真右側にあるようなピンクテープを探して進もう。

途中林道に出る。ここから道を伝ってバス停に向かうのもいいが、僕らはさらに沢方面へ下りて滝を見ることにした。

下山途中に見られる観音滝。昔は滝壺近くまで行けたようだ。

滝までは観光客もしばしば訪れるのか、看板も出ており道も明瞭。
滝壺に続くと思われる道もあったので、せっかくだから見に行こうと進んだが、途中で道は崩れていた。
クルマでもアクセスしやすそうなので、整備すればいい観光スポットになりそうなものだが、急峻な地形にあるためメンテナンスも大変なのだろう。
聞くと九州にはこういった滝の名所がところどころにあるという。
九州出身だけど初耳だった。

ここまでくれば登山口はもうすぐ。

かつては鉱業所だった跡地に出ると、あとは舗装路を歩く。
登山口には駐車場があるので、複数台で行く場合はここにクルマをデポするのもアリだろう。
出発前に調べておけばよかったのだが、今回と同じ行程で登る人はここにクルマをデポし、尾平まで自転車を使っているという記述をWeb上で読んだ。賢い!
下山してきて舗装路に出るとホッとするものだが、ここからバス停までは1時間近い道程になる。
途中、自販機もないので軽量化のために水を捨てたりしないように注意。
さらにバスも本数が少ないのでしっかりと吟味した計画が必要となる。
生憎、今回僕らはバスを逃してしまったが、運良く知り合いに連絡がついて尾平まで乗せてもらうことができた。
いやー、九州の人は本当に人がいい。
今度は大崩山まで繋いだ大縦走で訪れたい。

前編はこちら

PEAKS No.150 2022年5月号

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PROFILE

宮上 晃一

PEAKS / 副編集長

宮上 晃一

山中では「食」の軽量化をいっさい考慮しないスタイルを好み、アルファ化米では肌が荒れがちなお年頃男子。下山後の食事は約7割が焼き肉になってしまうため、家に戻ると出発前より体重が増えていることも……(登山口近辺の焼き肉店情報求む!)。カブトムシすら触れない大の虫嫌い。

宮上 晃一の記事一覧

山中では「食」の軽量化をいっさい考慮しないスタイルを好み、アルファ化米では肌が荒れがちなお年頃男子。下山後の食事は約7割が焼き肉になってしまうため、家に戻ると出発前より体重が増えていることも……(登山口近辺の焼き肉店情報求む!)。カブトムシすら触れない大の虫嫌い。

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