【最新】1~2人用におすすめの軽量山岳テント(前編)|超厳選!マウンテンギア大辞典2022
PEAKS 編集部
- 2022年05月17日
低地でのキャンプとは異なり、山岳エリアで起こりえる天候変化に対応するのが山岳用テント。ここでは夏山縦走など無雪期に最適な1〜2人用の3シーズンモデルを中心に、近年注目が集まる超軽量シングルウォールも紹介しよう。
INDEX
文◉村石太郎
写真◉後藤武久、種子貴之
国内メーカーはもちろん、海外ブランドの軽量山岳テントも急増
山岳エリアで使うためのテントに求められるのは、大雨や強風、突然の気温低下といったさまざまな天候変化に対応可能な耐候性に加えて、軽く、コンパクトに収納でき、素早い設営と撤収が可能であること。そのうえで、できうる限り耐久性をもたせながら、広い室内空間を確保することも求められている。さらには、ちょっとした作業ができ、余裕をもって登山靴を置ける前室もできるかぎり広くあってほしいという希望や、個性的なフォルム・カラーリングにこだわりたいという登山者もいるだろう。
そうした要望を叶えるべく、テントメーカー各社は知恵を絞り、技術革新に挑んできた。かつては考えられなかったような極薄素材を採用したり、ユニークなポール構造を発想したり、無駄をとことん省くことで軽さと強度、広い室内空間を実現してきたのである。
今回紹介するテントラインナップは、2020年代の最新技術を惜しみなく注ぎ込んだモデルばかり。かつて軽量な山岳テントといえば国内メーカーの独壇場であったが、現在では海外勢も意欲的に取り組んでおり、驚くようなスペックの製品が店頭に並ぶようになったのだ。
ビッグアグネス/フライクリークHV UL2EXソリューションダイ
¥59,950
最小重量:903g
収容人数:2名
問:ケンコー社
日本の気候にあわせてメッシュパネルを削減した超軽量テント。
2人用で最小重量1㎏以下というウルトラライトテントが、さらに使い勝手を向上させた。構造は足元側をペグで固定する半自立式であり、素材は製造時のエネルギー消費量と水資源の使用量を大幅に削減できるソリューションダイファブリックを採用している。
MSR/フリーライト2
¥59,400
最小重量:910g
収容人数:2名
問:モチヅキ
左右2カ所の出入り口を設けながら驚異的な軽量化を達成。
大胆に切れ込んだフライデザインを取り入れることで、2人用で最小重量910gを達成したウルトラライトモデル。マイクロメッシュ仕様のインナーテントは、比較的標高が低い山域での使用で活きる。
ザ・ノース・フェイス/マウンテンショット1
¥52,800
最小重量:1,090g
収容人数:1 名
問:ゴールドウインカスタマーサービス
日本の山岳地で使いやすい超軽量ミニマルモデル。
2本のテントポールを天頂部付近で交差させたオーソドックスな構造に、短尺ポールを追加することで室内空間を広げたソロテント。レインフライやフロアに極薄の20Dリップストップナイロンを採用し、足元側の幅を狭めるなどして驚くほどの軽量化を図った。
シートゥサミット/テロスTR2プラス
¥73,920
最小重量:1,531g
収容人数:2名
問:ロストアロー
圧倒的に広い室内空間と利便性を誇る令和のスタンダード。
独自のハブ構造と跳ね上げ式の短尺ポールによって、軽量な自立式で広い室内空間を実現させた3シーズンテント。各部パーツなどのつくりもこだわりぬいたリップストップナイロン製のインナーテントは、北アルプスなどの高山域での悪天候時の安心感も高い。
ライペン/エアライズ2
¥48,400
最小重量:1,550g
収容人数:2 名
問:アライテント
長年にわたって登山者を支え続けてきたニッポンの大定番モデル。
2本のテントポールを天頂部で交差させるオーソドックスな構造に、現在の基準では厚手素材といえる40Dナイロンタフタのフロアが圧倒的な安心感をもたらす傑作。厳冬期用の外張り、大きな前室空間を生み出すデラックスフライなどのオプションもラインナップ。
ニーモ/タニ1P
¥60,500
最小重量:1,060g
収容人数:1名
問:イワタニ・プリムス
日本の山岳地を考えながら使い勝手にも優れた軽量ソロテント。
耐候性や機能性などに妥協することなく、1人用で1kgほどに納めた軽量ダブルウォールテント。極薄の15Dシルナイロン素材を採用したレインフライは、生地面積を省略することで軽量化にも貢献している。ベンチレーション機能などが豊富なところもうれしい。
モンベル/ステラリッジテント2本体+エクステンドレインフライ
¥32,120+¥24,200
最小重量:880g+587g
収容人数:2 名
問:モンベル
広い前室を作って悪天候下で快適にすごす。
定番の2人用インナーテントに、サブポールを使って広々とした前室を作り出す拡張用レインフライの組み合わせ。通常のレインフライ(別売¥14,850 / 350g)でも十分機能的だが、作業が効率的に行なえるため悪天候や停滞が予想されるときなどにすすめたい。
※この記事はPEAKS[2022年4月号 No.149]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
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