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ホーボージュンがジープ・グラディエーターを初試乗! ピックアップトラックとアメリカンBBQの不思議な関係

この夏、アメリカからすごいマシンが上陸した。その名は「ジープ・グラディエーター」。世界的ベストセラーを続ける本格的四輪駆動車「ジープ・ラングラー」をベースにしたピックアップトラックである。

文◎ホーボージュン Text by HOBOJUN
写真◎山田真人 Photo by Makoto Yamada
協力◎ジープ・ジャパン

ジープ本気のピッアップトラック

最大の目玉は容量250ℓを誇るフルサイズのベッド(荷台)だ。キャンプ道具はもちろん、MTBやサーフボード、オフロードバイクや四輪バギーまであらゆる遊び道具を積んで出かけられる

アメリカを陸路で旅したことのある人ならご存知だと思うが、アメリカ人は本当にピックアップが大好きだ。巨大なベッド(荷台)にMTBやキャンプ道具、ときにはバギーやオフロードバイクなどを載せてフィールドへと出かけていく。広大な土地や乾いた季候もピックアップが愛される大きな理由ではあるのだが、それを超越した「ピックアップ愛」がアメリカ人のハートには強く宿っているのである。

ジープ・グラディエーターは1963年に登場した4輪駆動のピックアップトラックだ。ジープならではの圧倒的な悪路走破力に加え、どんな遊び、どんなニーズにも応えてくれる積載力で瞬く間に人気モデルとなった。その後グラディエーターには多くの後継車や派生モデルを生まれ、アメリカのクルマ文化を、いやライフスタイルを代表する存在となった。映画のスクリーンやテレビドラマでその姿にあこがれた人もきっと多いと思う。

その伝説的モデルが今回初めて日本で正式発売されることになった。その背景には昨今のSUVブームに加え、ラングラーシリーズをはじめとするジープの売り上げがこの10年間でなんと7倍(!)にも達するという空前絶後の人気があり、より本格的なモデルを求める声が大きくなったことがある。

今回の新型グラディエーターはラングラーをベースにシャシーを延長しフルサイズのベッドを搭載している。その結果ホイールベースは3.49m、全長は5.6mを超える。威風堂々とした体躯は都心で見ると「でかッ!」と思うがその反面「これぞアメリカ!」というワイルドな輝きに満ちていた。これほどアウトドア魂に火を付けるクルマはそうそうない。初めて実車を目にしたときはやたらうれしくてカーサイドでずっとニヤニヤしていたのである。

BBQこそアメリア人最愛の娯楽

今回の発表イベントではStellantis社の上級副社長ビリー・ヘイズさんによるジープの歴史とピックアップ文化、そしてその背景にあるアメリカ人の“自由と多様性を愛するメンタリティ”が紹介された

さて、突然ですがここで問題です。アメリカ人がピックアップトラックと同じぐらい愛してやまない“アクティビティ”とはなんでしょう?

答えはBBQ! アメリカではBBQパーティーは日常の一部。どこの家庭にもBBQグリルやオーブンがあり毎週末のように楽しんでいる。BBQスパイスやレシピ本も多く、どこの職場にも「BBQマスター」がいるものだ。

じつはジープを取り扱うStellantis社の上級副社長であり、インド・アジア・太平洋地域のセールスマーケティングを総括するビリー・ヘイズさんもそのひとり。ビリーさんは筋金入りのジーパー(ジープマニア)であり、結婚相手を探すときの条件のひとつが「ジープ好きであること」だったというほどジープを愛している。そんな彼がジープと同じぐらいの愛情とこだわりを持っているのが、アメリカンBBQなのである。

今回、日本でのグラディエーターのローンチにあたってビリーさんが思いついたのが「本格的なアメリカンBBQを日本のみなさんに振る舞いたい!」というアイデアだった。ジープ、そしてピックアップトラックはアメリカの文化そのもの。だからただの新車発表会やローンチパーティではなく、アメリカのアウトドアや遊びの文化に直に触れる機会を作りたかったのだという。

「アメリカでは、アメリカンフットボールの試合が行なわれる日は、早朝からスタジアムにたくさんのピックアップトラックが押し寄せ、めいめいが自分たちのクルマのまわりでBBQを楽しむ“テールゲーティングパーティー”という遊びがあります」とビリー上級副社長。のんびりと調理しながらビールを飲み、いい感じに酔ったところで試合開始。そして試合が終わってからも、今度はゲームをふり返りながらみんなでBBQをして楽しむのだという。そういう文化を実際に味わってほしいという。

しかし今回の100人規模の大パーティで手作りの料理を振る舞うというのはかなりハードルが高い。そこで白羽の矢を立てたのが日本のアウトドアシーンではおなじみの快適生活研究家・田中ケンさんと息子さんの翔さんだった。

今回ビリー副社長とタッグを組んでBBQパーティーのホストを務めたのは快適生活研究家の田中ケンさん。1990年代からアドベンチャーレースやアウトドアの世界に深く関わってきた。じつは僕と同い年だったりする

「僕はこれまでに5冊もBBQの本を出しているんですけど、じつをいうと本格的なアメリカンBBQの世界には触れたことがなかったんですよ。そこでまずはビリーさんのご自宅にお伺いしていろいろ教えてもらったんですけど、彼のBBQに対する熱量というか“BBQ愛”が強烈すぎて、圧倒されるばかりでした」という。

なかでも驚いたのが手間と時間のかけ方だった。日本ではBBQというと炭火で肉や野菜を焼くだけの手軽でやや雑な印象が大きいが、とんでもない。火加減を見極めながら低温で何時間もかけて肉塊を焼き上げる。その姿はまるで山中の登り釜で何昼夜もかけて作品を焼きあげる、陶芸家のようだという。

「じつは僕ら、昨夜は一睡もしてないんです。午前3時から仕込みを始め、明け方からずっとつきっきりで肉を焼いてました」とケンさんが笑う。

「今回、ほんとに驚いたことなんですが、今日のレシピにはこれぐらいの火加減で何時間とか、そういう決まりのようなものがないんですよ。用意した肉塊はひとつひとつがそれぞれ違うし、グリルの火加減や炭の表面温度も刻々と変わる。だから「これで完成」というタイミングはビリーさんにしかわからない。まさにマスターの世界に触れたようでした(笑)」

ケンさんもビリーさんもそうとう疲れたはずなのに、清々しく満足しきった表情だった。

こうして振る舞っていただいたBBQのおいしさったら! 6時間もマリネしたというチキンや8時間つきっきりで焼き上げたプルドポークなど全部で6種類のBBQが振る舞われたのだが、それは僕ら日本人がふだん食べているBBQとは完全に異次元。香り高く奥行きのあるソースや口のなかでホロホロと溶けるポークの柔らかさ、チーズたっぷりのマカロニや焼き加減が絶妙の野菜の甘さまで、驚きの連続だった。

「シンプルなのに奥が深く、一度体験するとだれもが虜になる。オーセンティックなアメリカンBBQの世界は、私たちが愛してやまないジープの世界に共通するスピリットがあるんですよ」

当日振る舞われたのは6種類の手の込んだ料理だった。本場のプルドポークからサイドディッシュのマカロニに至るまでどれも衝撃的なおいしさ! これまでのBBQの概念を根本から打ち崩された経験だった

荷台にギアを満載してアウトドアのフィールドへ

おいしい料理に舌鼓を打ったあとは、グラディエーターのテストドライブに出かけた。ほんの短い時間だったがその印象は強烈。コックピットから見える風景はラングラーそのものだし、3.6ℓのパワフルなV6エンジンフィーリングや車幅感覚もかわらない。だけどバックミラーに目をやるたびに広大なベッドが視界に飛び込んできて、僕の気持ちを前へ前へと蹴飛ばすのだ。

僕は過去にアラスカのホワイトホースでラングラーを借り、カナダ国境に広がる広大な氷河地帯までバックカントリースノーボーディングに出かけたことがある。このときは大雪原にベースキャンプを張り、オーロラを眺めながら数週間をすごした。こうしてグラディエーターに乗っているとそのときのワイルドで自由な感覚が蘇り、いてもたってもいられなくなった。

今回、日本に導入されたグラディエーターはジープのなかでも最強のオフロード性能を誇る『ルビコン』仕様だ。悪路をものともしない前後デフロックやサスペンションのストローク量を変えられる電子制御式フロント・スウェイパー・ディスコネクトシステムなど、ウイルダネスを旅するためのスペックに満ちている。それに加えて背後には最大積載量250kgを誇る巨大なベッド! これで旅心に点火されないほうがどうかしている。

このベッドにはなにを積もう? オフロードバイク? シーカヤック? それともスノーモービル?

そんなふうに冒険の日々を想像し、バックミラーを眺めてはニヤニヤしていた。早くグラディエーターと出かけたい。そんな気持ちでいっぱいである。

短い時間ではあったが実車をテストドライブした。剛性感の高いボディやパワフルなV6エンジンはラングラー・ルビコンそのもの。スクエアで見切りのよいボディのおかげで5.6mの全長もまったく苦にならなかった。これは楽しい!

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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