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山好き8人がテスト!快適性は十人十色。自分に合った軽量マットはどれ?【前編】

スリーピングマット選びは、なかなか悩ましい。軽量コンパクトで寝心地のよいエアマットは、パンクや冷えのリスクがあり軽くてパンクの心配がないクローズドセルマットは、かさばりパンクしてもある程度断熱するセルフインフレータブルマットは、重め……。一長一短、印象も使う人次第のマットを、山好き8人にテストしてもらった!

文◉ PONCHO
写真◉柏木ゆり

今回テストしたマット

エアマット

軽量コンパクトさは、軽量化の最右翼。付属のポンプで空気を注入。厚みがあって寝心地はベッド的。ただし、地面の冷えを感じやすく、パンクのリスクあり。

セルフインフレータブルマット

セルフインフレータブル=自動膨張式だが、実際には空気注入の必要あり。軽量コンパクト性、断熱力、寝心地、価格のバランスにもっとも優れている。

クローズドセルマット

スポンジ状のマット。広げるだけで使え、地面に凸凹、木の根があってもパンクの心配要らず。保温力もそれなりにあり安価。収納サイズが大きいのが難点。

条件①R値2〜3程度

R値は断熱性を示す数値。冬、積雪期をのぞく3シーズンで使用の目安はR値2 〜3。気温0℃以下にならない状況までで使える断熱性を確保。

条件②重量550g以下

登山用マットは、形状、構造、素材の厚さ、フォーム材の肉抜きなどによって軽量化している。今回は全身モデルを中心に550g以下を選んだ。

テスタープロフィール

ヨシキ&P2スタッフ
吉野時男

身長:176cm
主な登山スタイル:アルパインクライミング、ファストパッキング
活用している主なマット:①サーマレスト/ Zライトソル、②ニーモ/テンサーインシュレーテッド

縦走ではテントを張らずマットと寝袋のみで寝ることもあり、パンクの心配のないZライト。藪漕ぎルートやアルパインルートでは、マット外付けは動きのじゃまなのでエアマットを選択。

山岳ガイド/マウンテンワークス
成田賢二

身長:180cm
主な登山スタイル:沢登り、アイスクライミング、雪稜、縦走、スキー
活用している主なマット:①モンベル/フォームパッド180、②シートゥサミット/ウルトラライトマット

地面の状況がよくない沢登りや焚火の横で寝るときに、フォームパッドを使用。ウルトラライトマットは395g と軽く、5cmと厚すぎず、滑りにくい素材なのでテント泊に使っている。

フォトグラファー
飯坂 大

身長:168cm
主な登山スタイル:ロングトレイル、ファストパッキング、避難小屋泊
活用している主なマット:①サーマレスト/ネオエアーXライトレギュラー、②フリーライト/スリーピングパッド マイクログラビティー

ネオエアーはフリーライト「ラピュタ」のマット固定スリーブにぴったり。積雪期でも温かいという。マイクログラビティーはパック内に収納して、カメラ機材の保護にも使っている。

低山好き、道具好きライター
PONCHO

身長:174cm
主な登山スタイル:ファストパッキング、縦走
活用している主なマット:①クライミット/イナーシャオゾン、②ビッグアグネス/サードディグリーフォーム レギュラー

できるだけ軽量コンパクトな装備で夏山をファストパッキングする際は、イナーシャオゾン。でもイナーシャが一度パンクしてからは、心配無用のサードディグリー中心に変えたという。

ライター
中島英摩

身長:155cm
主な登山スタイル:アルプス縦走、ロングトレイル
活用している主なマット:①ニーモ/テンサーインシュレーテッド20Sマミー、②サーマレスト/ Zライトソル(S)

Zライトソルはカットして使用していて、どのマットも軽量化のため100 〜122cmのショートサイズ。テンサーは240g、カットしたZライトソルは約200g。寒さに応じて併用もする。

光岳小屋管理人
小宮山 花

身長:164cm
主な登山スタイル:南アルプス南部の縦走
活用している主なマット:①サーマレスト/40th アニバーサリーエディション スモール

2012年、登山を始めたときに購入したサーマレスト。一年中使えたらと手に入れ、これまでとくに不都合なく使用。長さ90cmと短いが、そのぶん軽く、寝るときは足元にザックを敷く。

カメラマン
松本 茜

身長:157cm
主な登山スタイル:光の美しい場所を求めて、湖畔や深い自然のなかへ旅する
活用している主なマット:①サーマレスト Zライトソル

はじめてのテント泊で、間に合わせに購入したZライトソル。価格も安く、初心者には安心感のある商品で、店員さんにすすめられたものだそう。以来、不満な点もなく、使い続けている。

PEAKS編集部
阿部 静

身長:160cm
主な登山スタイル:アルプス縦走、沢登り
活用している主なマット:①シートゥサミット/ウルトラライトインサーレーティッドマット X-スモール、②エバニュー/ FPマット

シートゥサミットのマットは軽く、保温性も無雪期なら十分。コンパクトなので、どの山もこれで寝ている。でも最近は全身サイズなど、寝心地アップを検討。エバニューは沢登り用だ。

クローズドセルマット

ビッグアグネス/ツイスターケインバイオフォーム

価格:7,590円
重量:397g
R値:1.7
収納サイズ:φ18×51cm
厚さ:1.3cm
問:ケンコー社

吉野時男のレビュー

使った場所:奥多摩(標高約400m)
地面の状態:土で根っこや石少しあり
気温:5℃
使った寝袋:モンベル/ダウンハガー#3
テスト時の服装:ベースレイヤー上下

寝心地 ★★★☆☆
収納性 ★★☆☆☆
軽さ  ★★★☆☆
温かさ ★★★☆☆

沈み込み感が少ない寝心地。フワフワしていないので安定感が気持ちいい。マット表面がフラットでグリップ感があり、クッカーやマグカップなどを置けるのが利点。パンクの心配もなく、地面に直接敷いてラフに扱えるのがいいですね。ただし、クッション性は最低限。地面の凸凹を感じるのと、冷えを感じるので、暖かい季節専用かな。

松本 茜のレビュー

使った場所:標高500m
地面の状態:土と小石
気温:9℃
使った寝袋:モンベル/ダウンハガー 800 Women’s#2
テスト時の服装:ベースレイヤー・ミドル厚上下

寝心地 ★★★★☆
収納性 ★★☆☆☆
軽さ  ★★★☆☆
温かさ ★★★★★

アナログで簡単! 安心感しかありません。撮影を想定するとテントの設営などに時間をかけられないため、広げるだけで寝られ、破れる心配がないので眠りが浅くなることもなし! 100%の信頼を持って山行を楽しめそう。地面のダイレクト感もテント泊の醍醐味。この感触こそ「The 山!」という感じで、大好きです。

サーマレスト/Zライトソル(R)

価格:9,570円
重量:410g
R 値:2.0
収納サイズ:51×13×14cm
厚さ:2cm
問:モチヅキ

 

飯坂 大のレビュー

使った場所:岩手山焼走り登山口(標高570m)
地面の状態:樹林帯の土
気温:13℃
使った寝袋:イスカ/エア280X
テスト時の服装:登山用パンツ、フリース

寝心地 ★★★☆☆
収納性 ★★☆☆☆
軽さ  ★★★★☆
温かさ ★★☆☆☆

クローズドセルなので保温力や寝心地は期待していなかったのですが、想像していたよりもよいマットでした。地面の硬さで寝心地が変わると思いますが、樹林帯の柔らかい土の上では快適でした。ただし収納サイズはかさばり、パック外付けは状況によってはじゃまになりそうです。場所を選ばずに使えるのは、いいところです。

阿部 静のレビュー

使った場所:多摩川河川敷
地面の状態:河原の石、砂利
気温:13℃
使った寝袋:モンベル/ダウンハガー800#3
テスト時の服装:インシュレーションジャケット&パンツ

寝心地 ★★★★★
収納性 ★★☆☆☆
軽さ  ★★★★★
温かさ ★★★★★

安定感のある寝心地は、このマットの最大の魅力だと思う。エアマットとはまた違ったクッション感がいいです。間違いなく、しっかり眠れます。それにフロアレスのシェルターや焚火の近くでも使えて、使い勝手がよい。でも、収納サイズが大きいのは難点。どうやってパッキングするかが悩みどころで、行く山を選ぶかも。

ニーモ/スイッチバックレギュラー ボリエール

価格:7,150円
重量:415g
R 値:2.0
収納サイズ:51×13×14cm
厚さ:2.3cm
問:イワタニ・プリムス

成田賢二のレビュー

使った場所:標高1,060m
地面の状態:草地
気温:4℃
使った寝袋:ウエスタンマウンテニアリング/ウルトラライト
テスト時の服装:パタゴニア/ R1、ナノエア・フーディ

寝心地 ★★★★☆
収納性 ★★★★☆
軽さ  ★★★★★
温かさ ★★★☆☆

クローズドセルマット好きなので、寝心地は私好みです。フォーム材の剛性が高いので、ヘタりにくく長く使えそう。六角形のシェイプもつぶれにくいので、保温力を発揮しています。パンクの心配がないので、登山の休憩時に地面に直置きしても心配なく、使いやすい。収納性は、クローズドセルとしては平均的です。

中島英摩のレビュー

使った場所:奥多摩(標高500m)
地面の状態:岩場
気温:10℃前後
使った寝袋:ウエスタンマウンテニアリング/タマラック
テスト時の服装:ミッドレイヤー+ウィンドシェルジャケット&パンツ

寝心地 ★★★★☆
収納性 ★★★★☆
軽さ  ★★★★★
温かさ ★★★☆☆

長さ、幅ともにちょうどよく、裏面のフィルムが地面からの冷えを効果的に防いでいる感じがした。空気をよく溜め込むようで、寝ていた部分を触ると温かかった。私はこのクローズドセル独特のマット表面の温かさが好き。収納サイズはやっぱりかさばりますが、バックパック内にコの字型に収めれば、問題ありません。

エクスペド/フレックスマット プラスM

価格:8,030円
重量:480g
R 値:2.2
収納サイズ:52×13×18cm
厚さ:3.8cm
問:双進

PONCHOのレビュー

使った場所:雲取山荘テント場(標高1,891m)
地面の状態:地面は凍結、小石あり
気温:-1.2℃
使った寝袋:シートゥサミット/スパークSpⅡ
テスト時の服装:短パン&Tシャツ

寝心地 ★★★★★
収納性 ★★★☆☆
軽さ  ★★★☆☆
温かさ ★★★★★

3.8cmというクローズドセル随一の分厚さは、地面の凸凹や異物を感じさせず、パンクの不安なし。氷点下でも意外に温かく、見た目と違った硬めの寝心地が快適。テストしようと横になったら、うっかり30分も寝落ちしてしまいました。分厚さのわりに収納サイズは平均的。50ℓULパックの背中側に半分広げてぴったり収まりました。

小宮山 花のレビュー

使った場所:戸倉宿キティパーク(標高420m)
地面の状態:整地された草地
気温:9.8℃
使った寝袋:シートゥサミット/フレームFmⅡ
テスト時の服装:長袖アンダー、薄手ロングパンツ

寝心地 ★★★★★
収納性 ★★★★☆
軽さ  ★★★★☆
温かさ ★★★★★

寝てから少し経つと、背中がじんわりと温かくなってきて、いい感じです。厚みがあるので地面の凸凹も気になりません。収納サイズのかさばりは仕方ありませんが、どこでも気軽に広げられます。寝て起きた朝、空気を抜いたり、袋に入れる面倒がないのもありがたい。テントの外側でも気兼ねなく敷けて、便利です。

※この記事はPEAKS[2021年5月号 No.138]からの転載であり、記載の内容は原則的に誌面掲載時のままとなっております。

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