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マウンテンブーツ譲りの堅牢さを備える新世代のトレイルランニングシューズが登場|スカルパ/リベレラン

スキーブーツやマウンテンブーツ、クライミングシューズ、そして近年ではトレイルランニングシューズまで手掛ける名門シューズブランド「スカルパ」。その歴史は古く、1938年、靴作りが盛んなイタリア北部の街アゾロで創業し、以来80年以上にわたりアウトドアシューズの製造を手掛けてきた。

ヨーロッパアルプスの麓に位置しており、ヨーロッパを中心に多くのマウンテンスポーツ愛好者からの支持を得ているのもスカルパの大きな特長。それゆえに先鋭的なシューズも意欲的にリリースしている。

今春、新たにマウンテンブーツから派生したエッジーなトレイルランニングシューズが登場。一体どのようなシューズなのか、細部までフォーカスしながら紐解いていこう。

文◉PEAKS
写真◉熊原美惠

親モデルは機動力の高いマウンテンブーツ「リベレHD」

「リベレラン」と名付けられた新登場のトレイルランニングシューズ。英語で表記すると「RIBELLE RUN」となるが、このシューズは「リベレ」というシューズの「ラン」モデルだから「リベレラン」となっているのだ。ではリベレとはどんなシューズだろうか。

リベレ自体は「リベレHD」(HDは防水透湿性素材の名称)というモデル名で販売されており、セミワンタッチクランポンも装着できる3シーズン向けのマウンテンブーツとなっている。アッパーにスエードを使用しながら片足695gと軽量に仕上がっており、「軽く」かつ「堅牢」というのが、このリベレ最大の特長だ。

左からリベレラン、中央がリベレHD、さらに右は保温材入りで冬季まで対応するリベレテック。どれもソリッドかつ堅牢な作りで、のんびり歩く、というよりは目的地に向かって突き進むという使い方にピッタリ

リベレHDの遺伝子を受け継ぐリベレランは、ヨーロッパの4,000m級の山岳地帯でのランニングを想定したタフな構造となっており、ハードに使ってこそ進化を発揮するシューズだ。

アッパー、ミッドソール、アウトソール、そして、設計自体にスカルパの強いこだわりが詰まっているこのシューズについて、各パーツごとに詳しく解剖していこう。

アッパーの剛性を高める全周ランドラバー

リベレシリーズ共通のポイントともいえるのがアッパーの全周ランドラバー。

ご覧のようにトウから始まり、ヒールの方はアキレス腱部分まで自然に上がるような形でグルっと補強のランドラバーが巻かれている。

アッパーの補強であり靴の剛性を高めるこのランドラバーは、通常はトウから靴の中間部分くらいまでで終わっているものが多く、ヒールまで及んでいるシューズはほとんどない。

ランドラバーはアッパーの摩耗を防ぎ、衝撃から足を守るのはもちろん、これ自体が構造材の役割を果たし、シューズが必要以上にねじれたり、足がシューズの中で横にずれるのを防ぎ、安定性を高めてくれる。

さらに上部に着目すると、ランドラバーへとつながるように向かってTPUの補強も施されている。

サイド部分は魚の骨のように等間隔でTPU補強が入っている。これによってアッパーのよれや破れを防ぐことができ、さらにランドラバー同様に必要以上の足の横ブレも抑えてくれる。

シューズの両サイドだけでなく、岩や木の根など引っかかりやすい親指のつま先も補強されており、アッパーの摩耗を防いでくれる。

足との一体感が高まるソックフィット構造

いくらシューズが丈夫であっても、それによって硬さを感じたり、違和感が出てくるようだと意味がない。フィット性にも重きが置かれており、そのためのさまざまな工夫が加えられている。

 

特徴的なのが、タンがアッパー自体と一体化したソックフィット構造。通常のシューズであれば生じるタンとアッパーの段差がなく、タンがずれることもないので、まるでソックスを履いているような一体感が得られる。

また、履き口はゴムで絞られているので足とシューズの間にすき間ができにくく、小石などの異物が入りにくいというメリットも。

シューレースはヒモを結ぶのではなく、細いシューレースをロックする構造なのですばやい着脱が可能。ただ、シューレースが細いと、しっかり締めた際にシューレース部分に圧を感じることもある。それを防ぐために、タン部分にしっかりしたクッション材が入れられている。

フィット性を左右するラストにも注目。足が必要以上にシューズ内で遊ばないように全体に細めのシェイプとなっている。

ランなどの激しい動作をすると脱げやすいカカト部分は、足に沿うような細い形状。一見タイトに見えるが、履いてみると足をやさしく包むような自然なフィッティングで、足との一体感が得られる。

足裏感覚を妨げず、小さなポイントでも立ち込みやすいソール構造

シューズの性質を大きく左右するソールユニット。一見すると全周を覆う幅のあるランドラバーの影響で最近多い厚底ソールに見えるが、つま先部分が20.5mm、カカト部分が24.5mmという厚みで、そこまで厚底ではない。さらにドロップ差(つま先とカカトの高さの違い)が4mmと比較的少なめなので、自然な履き心地に感じられる。

 

 

イラストの構造図の通り、ミッドソールのカカト部分には衝撃吸収性に優れるEVAが内蔵されており、着地時のカカトへのダメージを軽減してくれる。このわずかな工夫が、行程全体を通すと大きな疲労軽減へと結びつく。

さらに、ソールの形状にもこだわりが。蹴り出す際に足を回転させやすいロッカー形状(つま先が反り上がった形)となっているが、しっかりと広い面で接地できるようになっている。

この構造によって、小さなポイント、具体的には小さな岩のホールドなどにも荷重しやく、安定して立ち込むことができる。これもリベレHD譲りであり、トレッキングシューズを手掛けてきたスカルパだからこその発想だろう。

アウトソールはグリップ重視のオリジナル「プレサソール」

最後に歩行に大きな影響を及ぼすアウトソールをチェックしていこう。

アウトソールには最近スカルパのシューズで多用されているオリジナルの「プレサソール」が使用されている。プレサソールとはソールのブランド名のことであり、コンパウンドやラグパターンはシューズによってさまざま。オリジナルソールだからこそ、モデルごとに細かいチューニングが可能なのだ。

使用されているのはグリップ重視で粘りがあるソール。ヨーロッパの高山を意識しているために岩場に強い設計となっている。一般的にトレイルランニング向けのシューズにおいては、スピードを落とさないために推進性、スタビリティを重視してグリップしすぎないコンパウンドのソールも多用されているが、リベレランはスピードよりは安定性に重きが置かれている。

そのぶん、ラグパターンは岩場、ガレ場、砂利、土など、あらゆるサーフェースを想定したバランス型を採用。

下のイラストを見ればわかりやすいが、具体的にはアウトソールをパーツごとに細かく分け、おもに前足部は推進力、中間は安定性、カカト部分はブレーキ性などの効果を発揮するように作られている。

 

ここでさらに着目したいのは、つま先部分。グリップ性重視となっており、ラグ自体もほとんどすき間なく配置されている。

これはアプローチシューズの構造や、アルパインブーツの「クライミングゾーン」などに近く、前述のつま先の屈曲と相まって、小さな岩のスタンスなどにも乗ることができるようになっている。

一般的なトレイルランニングシューズにはほとんど見られない構造で、やはりこのあたりも山岳に強いシューズを作り続けてきたスカルパならではの意匠だ。

結論、リベレランはアプローチ+ラン=「アプローチランシューズ」だ

シューズ全体を細かく見てきたが、リベレランがいかに先鋭的なシューズか理解いただけたであろう。メーカーとしては「トレイルランニングシューズ」にカテゴライズしているが、はっきり言って、リベレランはカテゴライズが難しいシューズだ。

もちろんこれで走ることはできるが、アルプスのような樹林帯から岩場まで、歩いたり、駆け回ったり、オールラウンドに使いこなせるという使い勝手の良さ、そしてそれに耐えうる堅牢さこそ、このシューズの持ち味なのだ。

具体的な使用シーンとして、ライトなデイハイクから、フィールドを選ばないファストパッキング、さらには岩にも強いというメリットを活かして岩場へのアプローチ、さらに沢登りのアプローチ&下山シューズなどとしても使えそうだと想像できる。いわば、従来のアプローチシューズとトレイルランニングシューズの両方の役割を果たしてくれる「アプローチランシューズ」ともいえる次世代シューズなのだ。

ただし、リベレランの性能を発揮させるためには、ある程度の経験と脚力が必要という点に注意。ミッドカットやハイカットのような足の保護性、岩稜向きアルパインシューズほどの岩場への対応力はないので、使う場所と自分の実力をしっかりと見極めた上で投入しなくてはいけない。

だが、適材適所の使い方をするなら、これほど汎用性が高く、機動力にも優れるシューズは現在のマーケットにおいてもほとんどない。使い手の想像を掻き立てる、大きなポテンシャルが秘められているのだ。

老舗ながらも決してパイオニア精神を失わないスカルパの本気が、この一足に詰まっている。

スカルパ/リベレラン

  • 価格:¥25,850
  • サイズ:EU39~45
  • カラー:ブラック×ライム
  • 重量:280g(EU42/片足)

「リベレラン」はこちらでチェック

ウィメンズモデルとゴアテックス搭載モデルも

リベレランはウィメンズモデル、さらにゴアテックス搭載モデルもリリースされている。ゴアテックスモデルは通常モデルよりも通気性が落ちるのでアクティブなシーンには向かないが、夏でも歩きがメインであったり、秋から春にかけて冷え込む時期に使うのなら、保温力が高いのでおすすめだ。

スカルパ/リベレランWMN

  • 価格:¥25,850
  • サイズ:EU36~40
  • カラー:アクア×ブラック
  • 重量:245g(EU38/片足)

「リベレランWMN」はこちらでチェック

スカルパ/リベレランGTX

  • 価格:¥28,600
  • サイズ:EU39~45
  • カラー:ブラック
  • 重量:310g(EU42/片足)

「リベレランGTX」はこちらでチェック

企画協力◉ロストアロー www.lostarrow.co.jp/store/

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PEAKS 編集部

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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