冬季のエクスペディションシーンをサポートするミニマムレイヤリング。クライム＆ライドにフォーカスしたザ・ノース・フェイスのサミットシリーズ

PEAKS 編集部

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山を楽しむさまざまなスタイルを、製品をとおして広く伝え続けるザ・ノース・フェイスが今季フォーカスを当てたのは、バーチカル空間を素早く移動する山岳滑降の世界。
エクストリームな環境を、どんなアイデアでサポートするのだろうか？

快適性の限界を大胆でユニークな発想が打ち砕く。

ロープを結び時間をかけて山を登り、担いで登った板を履いて長い距離を一気に滑り降りる。「登攀」と「滑降」の要素を合わせたアクティビティのために、ザ・ノース・フェイスの「サミットシリーズ」が、ミニマムで最大限の効果を生み出すレイヤリングを提案する。

その核となるのが、「空気で保温する」という斬新な発想から生まれたインシュレーションウエア「ハイブリッドエアーダイアログフーディ」。寒さを感じやすい部分に空気で膨らむインシュレーションを内蔵し、胸元のポンプを押して空気を送り込むことで、保温力をアップさせるというものだ。

開発の経緯を、商品開発担当の小澤由紀子さんはこう話す。「通気性に優れ、行動中に着用できるアクティブインシュレーションが定着してきましたが、標高や天候によっては、保温力が不足することが課題でした。１枚で快適に使える範囲を広げるために、通気性を保ったままいかに保温力を上げるか、考えた末にたどり着いたのがこのシステムです」

ボディ全体に独自の通気性保温材ベントリックスを配し、エアを入れないときは通常のアクティブインサレーションとして機能。エアが入るパーツ自体も３層の透湿素材でできているので、抜け感を妨げることはない。同じサミットシリーズのハードシェルと組み合わせれば、クライム＆ライドのさまざまなシーンで、高いパフォーマンスを引き出してくれるだろう。

半年の期間をかけて製品を試してきた山岳ガイドの天野和明さんに、使用感を聞いた。
「空気で直接保温するという発想がすごくおもしろい。実際に、空気を入れるとすぐに、暖かさが実感できました。ポンプの操作も意外と手軽で、バルブで空気量の微調整ができるので、動きにくさも感じません。保温性は、ビレイジャケットの代わりとはいかないまでも、滑り中心のクライム＆ライドや、普通の登山にも向いていると思います。シェルは、薄手で抜けがいいので保温性はあまり高くないですが、とにかく柔らかくて動きやすい。硬いシェルが苦手な人、汗かきの人にはとてもいいと思います」